第295号 2018.12.11発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…いよいよ明日・12月12日、『ゴーマニズム宣言2nd season』第1巻が発売される。収録した『ゴー宣』については、既に「SPA!」連載時に読んだという人も多くいるだろうが、それでもう読み終えたと思っていたら、ちょっと認識が甘い。実は、これらの作品を1冊の本にまとめたことで、ここに大きな思想的問題が封じ込められたのだが、それがわかるだろうか?この本の中には、あらかじめ重大な矛盾を含ませているのだ!
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…「英語を話せるようになるべき」「英語は有利」とよく言われ、政府も英語教育に熱心だ。世界には約7000の言語があり、その半数が話者数6000人以下の少数言語だというが、特に近年は、グローバリズムという潮流の影響によって「かつて人類が経験したことのない速度で」多くの言語が消滅へと追いやられているという。英語が普及させられたことで混乱の極みに陥った国・フィリピンを代表例に、「英語は有利」は本当かどうか熟考しよう!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!沖縄の基地問題においてももっと「立憲主義」を打ち出すべきでは?北方領土に関するロシア側の理屈(この世に固有の領土なんて存在しない!…etc)をどう思う?町内会の仕事が大変すぎて辞めたい…こんな考えは我が儘?「株価が上がれば雇用が増える」と信じる友達にどう説明すれば良い?皇族の方がもし日本国籍・日本育ちの白人や黒人と結婚しても賛成する?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第304回「『ゴーマニズム宣言2nd season』第1巻の秘密の意義」
2. しゃべらせてクリ!・第252回「歳末募金をスルーできましゅか~!?の巻〈前編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第108回「英語よりまず日本語でしょ」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第304回「『ゴーマニズム宣言2nd season』第1巻の秘密の意義」 いよいよ明日・12月12日、『ゴーマニズム宣言2nd season』第1巻が発売される。
わしが「龍皮」と呼んだカバーの質感や、表紙を開くと出てくる中トビラのかっこよさなどは、電子書籍では味わえない魅力であり、ぜひ手に取って、ブックデザインも込みで楽しんでほしいと思う。
今回の収録作品は、以下の通りである。
第1宣言 復活の狼煙を上げる
第2宣言 西部邁、属国に死す
第3宣言 権力忖度システムの愚劣
第4宣言 立憲的改憲という選択がある
第5宣言 女人禁制は伝統ではない
第6宣言 セクハラより人材だ
第7宣言 枝野幸男・コスタリカ・ガンジー主義
第8宣言 長谷部恭男の愚民思想を撃つ
第9宣言 地位協定と憲法9条
第10宣言 安倍「自衛隊明記」の危険
第11宣言 「自衛隊明記」に潜むコンプレックス
第12宣言 君たちはどう生きるか
第13宣言 オウム教祖・幹部、死刑執行
第14宣言 なぜ高学歴の若者がオウムに入ったか
第15宣言 VXガス暗殺団との戦い
第16宣言 吉本隆明らインテリの犯罪
第17宣言 オウムを利する危険なリベラル
BEFORE 2nd Season
特別収録 教育勅語で道徳は復活しない
特別収録 憲法と山尾志桜里の真実
「週刊SPA!」掲載時とは章立てが異なるので、雑誌連載では「第〇章」、単行本では「第〇宣言」として区別することにした。
雑誌での第13章『明治憲法も押しつけだった<1>』は、<2>以降をまだ描いていないため、それを描いてからまとめて収録する予定である。
各章の間にはトッキー、みなぼんとの「公開密談」や解説、「週刊エコノミスト」で連載した『読書日記』から選んだ3作などを収録。特に巻末の檄文は心して読んでもらいたい。
収録した『ゴー宣』については、ライジングの読者には既に雑誌連載時に読んだという人も多くいるだろうが、それでもう読み終えたと思っていたら、ちょっと認識が甘い。
実は、これらの作品を1冊の本にまとめたことで、ここに大きな思想的問題が封じ込められたのだが、それがわかるだろうか?
この本の中には、あらかじめ重大な矛盾を含ませている。
この本に収録した作品の大きなテーマの一つは、「立憲的改憲」である。
その一方で、わしはオウム真理教幹部の死刑執行に関連して、死刑制度に賛成する主張を展開している。
この二つの主張は、実は衝突するのである。
コメント
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凄すぎる……大衆/庶民へ向けてメッセージを送っていると同時に、
ゴー宣読者へも近代vs伝統というテーマを突きつけるとは……
(ID:36290372)
ゴー宣を読みました。
今、私がリアルタイムで読んでいる『大東亜論 第三部』の頭山満と植木枝盛を思い浮かべています。岡りな、カワユイですね♪
小林先生は、頭山満も成し遂げられなかった思想を完成させようとされているのですね。
そう考えると、物凄くワクワクしてきました♪
(ID:36290372)
トンデモ見聞録を読みました。フィリピンの例えで『英語は有利』の危険さがよく分かりました。浜口教授のお話も、目から鱗が落ちる気がしました。言語と共に貴重な知恵が失われていくのは、大損失ですね。
方言に例えは、いっちゃん(いちばん)分かり易いですね。私の地元には『よしくらさった』と言う言葉があります。『よくやってくれた』みたいな意味です。小さい頃、親や祖母の手伝いをすると『お~、よしくらさった、よしくらさった』と褒められるのが、とても心地良かった♪ 勉強や運動で良い成績を収めたり、何か良いことをした時も『よしくらさった』と褒められました♪
町には中学校と高校が一校しかなく、年々、進学や就職で町を離れていく若者は増えていき、遂に10年前、高校が廃校しました。
私が学生の頃からの傾向で、山を越えた市の高校に進学した人間が、地元と若干違う言葉を使うと羨望と嫉妬の眼差しを向けられました。マネする派と意固地に田舎弁を使う派に別れたりして。
さらに、大学進学や就職で東京などへ行った人が帰って来て標準語なんか使うとヒーローでした☆ 陰でタップリ嫌味を言われながら。
今、『よしくらさった』は実家の甥っ子姪っ子達にとって、私のテッパンです。面白がってマネしてくれたりもします♪
地元の同世代を見てて同じだな~と思うのですが、若い時は恥ずかしさで毛嫌いしていた田舎言葉は、年をとる毎に愛着が増していき、敢えて意識的に使っている気がします。
そして、若い頃は気付かなかったのですが、山を越えた先にある隣の市でも、私の地元の田舎言葉は通じる! 実は源流は同じなのでしょうね。