希蝶 のコメント

流行語大賞&今年の出来事の集計、有難うございます。

>>138
確かに「罪刑法定主義」は何となく使った語なので、この場では不適切だったやも知れません。私は、「罪は法によって定義されねばならぬ」、ということは近代人権思想により生まれた発想だけれども、その国の歴史や伝統を鑑みれば、接点も見いだせるのではないか、というつもりで記しました。

>>140
『大東亜論』をよんでいながら、ではありますが、大久保利通は非情なだけの人物ではない、というのが私の意見です。西南戦争勃発時に「自分が西郷を説得にゆく」と言ったことや、死の間際に西郷から貰った手紙をよんでいた、というのは歴史上の事実です(まさか、自分の暗殺を予期してそのような行動をとっていたとは思えないし)。助命まで考えたかどうかはともかく、二人の関係は余人には推し量ることができぬものでもあったのでしょう(城山にたてこもった西郷達に降服を促したのは事実)。ついでに言っておくと、木戸孝允は「西郷君、もうわかった」と言いながらなくなったのだそうです。

しかし、だからといって大久保の政策が正しかったのかと言うと、それは違うのだと私も思います。たとえがよくないのかも知れませんが、「純粋真っ直ぐ君」が途轍もない非道を行ってしまうのと同様に、「日本を西洋風の国に」と夢見た大久保の方針にも似たようなものがあると感じられます。まさしく「海外出羽の守」みたいな。それによって失われていった多くの日本の伝統があったのだろうとも。どうも、この時代を扱ったドラマも、士族=前近代の遺物と定義する傾向があるみたいです。なぜ、欧米使節団に参加しながらも、村田新八が鹿児島へもどり、戦争に巻き込まれていったのか、という点も忘れてはならないと思います。詳しく調べてはいないので、なんとも言えないのですが。

ちなみに、西田敏行が西郷を演じた『翔ぶがごとく』では、西郷の介錯シーンをしっかり描いています。江藤新八の獄門の場面も。西郷が、新しい維新を起こそうと挙兵したとも宣言しているし。大久保側も同情的に描いているので、『大東亜論』読者には抵抗があると思えますが、一見の価値はあります(西郷星とかも描写しています)。

歴史は現代の価値観でははかり知れぬところに魅力があり、その情況下の自分だったらどうするか、を想像するところに意義があると思います。大河ドラマに限らず、携帯電話がない、あるいは普及していなかった時代には公衆電話がどれだけ大事かわからないと思うし、スーパーマンの変身や、『太陽にほえろ』のボン刑事の殉職シーンの意味もわからないと思います。あまりうまいたとえではないですが。

以上、長々とすみませんでした。私もオリンピックの話はどうでもよいです。大河ドラマで現代劇をみたいとも思いません。

No.155 71ヶ月前

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