第244号 2017.10.17発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…来年で『新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』の出版から20年になる。20年も経つと、もう若い世代で読んでいる人は相当少なくなっているだろうし、読んだ人も、その記憶はかなり薄れているだろう。そんな状況に乗じて、「『戦争論』がネトウヨを生んだ!」というデマの流布にいそしむ悪質なライターもいるようだ。当時、なぜ『戦争論』を描いたのか?主テーマは何だったのか?ネトウヨは『戦争論』の何を読んだのか??
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…各社の衆院選中盤情勢調査によると、立憲民主党の勢いが増して40議席台確保の見通しだが、「自公で300議席超す勢い」「自民党単独で300議席」という予測もある。しかし毎日新聞の世論調査によると、安倍首相の続投について「よいとは思わない」が47%で、「よいと思う」の37%を上回っている。安倍首相に対する国民の不信感は根深い。争点は、やはり、≪安倍首相のままで良いのか?≫≪安倍首相による権力の私物化を許すのか?≫であるべきだ!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!無効票は政治への意見表明になる?無関心な民衆を選挙に行かせる方法は?北朝鮮と日米の交戦があった場合に、拉致被害者が人質にされる可能性は?『葉隠』に対してどんな感想を持ってる?才能と性欲は比例するもの?信じていた「おまじない」ってある?ジビエって好き?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第249回「『戦争論』再考」
2. しゃべらせてクリ!・第202回「秋深し、おでん味わう季節ぶぁい!の巻〈後編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第53回「争点は『安倍晋三』! 権力の私物化を許すな!」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第249回「『戦争論』再考」 来年で『新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』の出版から20年になるらしい。トッキーが言っていた。
20年も経つと、もう若い世代で読んでいる人は相当少なくなっているだろうし、読んだ人も、その記憶はかなり薄れているだろう。
そんな状況に乗じて、「『戦争論』がネトウヨを生んだ!」というデマの流布にいそしむ悪質なライターもいるようで、トッキーに袋叩きにあっている。
トッキーから「ロックオン」された獲物は気の毒だ。絶対に逃げられないし、油汗かいて静まり返るしかない。最後は毒牙にかかって狂い死ぬのがオチだ。
来年は20周年を機に、『戦争論』の意義を再確認する連載を某雑誌でやることになった。面白いことになろう。
わしの子供時代、寺の住職をしていたわしの祖父や、そこに集まって来る祖父の戦友たちは誰も、俺たちは戦争に行って悪いことをしたなどとは言っていなかった。
ただ、死んでしまった戦友たちのことは心のどこかに澱のように残しつつ、生き残った戦友同士が集まって、あの時は大変だったなあ、こんなこともあったなあと笑いながら話していて、そんな様子をわしは幼少時に見ていたのだ。
当時は、祖父の戦友で俳優の加東大介氏が書いた『南の島に雪が降る』が大ヒットして、ブームになっていた。
戦争末期、ニューギニア・マノクワリで、補給も絶えて戦闘どころか生きるのがやっとという状況の中、加東氏が率い、祖父がその一員を務めていた演劇部隊の芝居が、兵隊たちの唯一の生きる支えとなっていた。
『南の島に雪が降る』はその体験記で、加東氏自らの主演で映画化され、舞台にもなり、舞台中継をテレビで放映していたので、わしはそれを何度も見た記憶がある。
舞台に冬の情景が作られ、一面の銀世界に雪が降り、それを見た東北の兵隊たちがみんな泣いているシーンは、テレビで見てものすごく感激した覚えがある。それで後に『戦争論』で描いたその場面は、当時感じたインパクトをそのまま再現したようなものになった。
トッキーによると、小説ではもっと淡白らしいが、わしの印象が強烈だったので、漫画の方がインパクトが強いらしい。
わしはそんな祖父たちを子供の頃に見て、思い入れを持って育ってきた。ところがそれにもかかわらず、中学・高校に進んだ頃にはマスコミが旧日本軍の「加害」だの「暴虐」だのを責め立てる論調一色になっていたものだから、つい流されてしまい、うちの祖父も悪いことをしたのかな、中国人を斬り殺してきたんだろうかとも思っていた。
そしてさらに時間が経つと、あの時は若かったなあ、祖父たちは戦争で悪いことをしたなんて何も言っていなかったのに、疑って済まなかったなあという気持ちが湧いてきた。
90年代に入ると、戦時中の日本人を単に悪人にしてしまう「自虐史観」は極みに達した。従軍慰安婦問題は、祖父虐待に等しいと感じた。
わしはそんな当時の風潮に対し、大して戦略的に重要でもない南の島に送られて、補給も途絶え、月に一度の芝居見物を楽しみにしながら、無残に餓死してしまった人だっている若者もいたのに、彼らを無視して、日本兵はすべて悪とするのはおかしいと感じた。それで『戦争論』を描こうと決意したのだ。
コメント
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>>263
そうそう、お二人が政策について語り合えば夜中まで延びることも普通にありうることなのにそれをちょっとニコ百で書いたら
『政策じゃなくて「性策」の間違いだろ』
『今時いい歳の男女がホテルで一泊して何もなかったです、なんて離婚調停でも通用しませんがなにか?まさかギシアン動画や音声がないと無実と言い張れるんですかねそれは?』
とかアホなレスが帰ってきた。
そんならオドれら正気か?という番組=不倫現場生中継にもなってしまうんじゃねーの。ハァ。
(ID:36290372)
今号のゴー宣『「戦争論」再考』を読みました。来年の企画が、とても楽しみです。
改めて“戦友”というものを想像してみました。共に、生死を分かち合い戦ってきた友なのですよね。想像を超えた、深い情の絆が出来上がるのでしょうね。そして生き残った仲間と、当時のことを笑いながら話す。下の世代に言い訳をするわけでもなく。
戦争論執筆と今回の選挙の応援演説が、なんとなく重なりました。先生が動くときは、常に「情の論理」がある。そして、それが公に直結する。
枝野代表が『リベラルと保守は対立しない』と話されていましたが、これが、個と公は対立しないということなのかなとも思いました。ひょっとして、リベラルとは社会の横軸(論理性)には強いけれど、歴史の縦軸(倫理観)が鍵になってくるのでしょうか。
私は、『戦争論』を読み、グラグラだった個が安定しました。ようやく着地出来たという感覚です。それは第一章の、ただれてくるような平和な現代の描写が無ければ得られていないと思います。
(ID:36290372)
木蘭先生のトンデモ見聞録『争点は「安倍晋三」! 権力の私物化を許すな!』を読みました。この争点を考えて投票しない一般国民は、思考停止しているのだと思います。全部、ここに行き着きますよね。山尾しおりさんが言っていた、『私が戦っているのは鈴木さんの後ろの安倍さんなんです。』、これに尽きますよね。
結局、大勝してしまいましたが…。安倍が、前までのようには行けないムードに少し期待しています。でも、都議選から今までのように、あまり表に出ない戦法を使われたら、また皆忘れていってしまいそうですね。そして、しっかりやりたい放題やられて。
ツーショット撮影の為、小池百合子の前に列を作るとか、神出鬼没のステルス安倍とか、本当、ギャグですね。黒川氏の『安倍あきえを取り囲みましょう』の話は、初めて知りました。豊田真由子を叩きまくる心象と似たものを感じてしまいます。ツイッターで応援をしていたので、少しガッカリです。しかし、地元で堂々と選挙活動する昭恵と、それを迎え入れる人々には、呆れてしまいますね。
森友、山口レイプ、加計、安倍昭枝、安倍晋三、隠したままで、また元通りに戻れるものなのでしょうかね。