小林よしのりライジング

「官僚バッシングの行きつく先」小林よしのりライジング Vol.392

2021/03/10 18:05 投稿

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第392号 2021.3.10発行

「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…山田真貴子内閣広報官が、菅義偉首相の長男が勤める「東北新社」から7万円ほどの接待を受けたことを追及され、辞職した。内閣広報官にまで出世した官僚が、汚職だったのかどうかの検証もされないまま、ただ接待を受けただけでマスコミ大衆から完全に「悪」として袋叩きにされ、失脚してしまったのだ。こんな光景を見て、今後官僚を目指そうとする優秀な若者など出て来るだろうか?官僚バッシングがブームのようになって20年以上経ったが、それがもたらしたものは何だったのか?国家にとって重大な岐路が来てしまった!
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…日本のコロナ対策は頭が錯乱しているとしか思えない失策の連続であった。緊急事態宣言の発出に意味はあったのか?散々「ベッドが足りない」「医療がひっ迫している」と脅され続けてきたが、実際はどうだったのか?隔離ホテルの実態はどんなものだったのか?ワイドショーでは決して取り上げられない“スゴイ話”!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!聖火ランナーの依頼が来たら引き受ける?東北新社による総務省職員への接待問題、それほど騒ぐこと?アントニオ猪木や天龍源一郎の現状をどう思う?緊急事態宣言を2週間延長すれば死者数を700人減らせるって本当?スーパーマンの新作映画の主人公が黒人になることをどう思う?経済も人の心も冷え込んで白けた状態での五輪開催は、アスリートも望まないのでは?『うっせぇわ』をどう思う?…等々、よしりんの回答や如何に!?


【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第412回「官僚バッシングの行きつく先」
2. しゃべらせてクリ!・第349回「沙麻代ちゃん、一筆書いたら許してクリましゅ? もっと責めてクリましゅ?の巻〈後編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第206回「コロナ失策検証とホテル隔離のスゴイ話」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記




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第412回「官僚バッシングの行きつく先」

 いつもいつも重大なことが起きていながら、マスコミ及び大衆はそれを単なる話題として消費するだけで、片っ端から忘れ去っていく。
 そして、これが重大な問題なのだということを、誰ひとり指摘しない。
「SPA!」で描きたいが、他のテーマで描いている時はつい描きそびれ、ライジングでしか書けないこともしばしばある。この話もライジングでだけになってしまうかもしれない。

 山田真貴子内閣広報官が、菅義偉首相の長男が勤める「東北新社」から7万円ほどの接待を受けたことを追及され、辞職した。
 その接待が、利益誘導につながっていたのかどうかも明らかではないのに、マスコミ大衆は自粛警察みたいに過剰な倫理を振り回して、徹底的に追い詰め、辞職させてしまったのである。
 しかもマスコミ大衆はそれだけでは飽き足らず、なぜ菅首相はすぐに山田を辞めさせなかったんだ、また後手後手に回ったじゃないかと批判した。
 そしてこの「後手批判」を気にした菅はその後、小池都知事らが要請しようとしていた緊急事態宣言の延長を「先手」を取って発表するという、「後ろ向きの先手」を取ってしまったのだ。実に馬鹿馬鹿しい。
 内閣広報官にまで出世した官僚が、汚職だったのかどうかの検証もされないまま、ただ接待を受けただけでマスコミ大衆から完全に「悪」として袋叩きにされ、失脚してしまった。こんな光景を見て、今後官僚を目指そうとする優秀な若者など出て来るだろうか?

 かつては確かに官僚が驕ってしまい、接待漬けになって汚職に手を染めた時代があった。
 平成10年(1998)に発覚し、官僚7人が逮捕・起訴され有罪判決が確定した大蔵省接待汚職事件、いわゆる「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」はその象徴として強い批判を浴びた。
 さらにこれと前後して住専破綻や防衛庁調達本部巨額背任事件、特養老人ホーム汚職事件など官僚不祥事が相次ぎ、これに天下り問題も絡み、官僚バッシングがブームのようになってしまった。
 わしが追及に加わった薬害エイズ事件も、官僚バッシングを激しくした要因となったわけだが、わしはこの当時から「単なる官僚バッシングには与しない」と明言していた。
 一部に不祥事を起こす者がいたとしても、基本的に日本の官僚は優秀であり、官僚の働きによって日本が支えられていることを否定できるはずはない。
 官僚バッシングなど、その実は無能な大衆の単なる破壊衝動の表れでしかなく、そんなことによって、優秀な官僚の足が引っぱられることがあってはならないとわしは考えたのである。

 ところが世間では「官から民へ」が合言葉となり、官僚が諸悪の根源だと主張するオランダ人ジャーナリスト、カレル・ヴァン・ウォルフレンの本がベストセラーとなり、官僚バッシングは激しくなる一方で、歯止めがかからなくなってしまった。
 官僚には潔癖なほどの倫理観が求められるようになり、接待などまず受けられなくなってしまったが、それでも官僚バッシングは一向に収まらなかった。
 とにかく官僚よりも「民」の代表である政治家の方が圧倒的に強くなければならないという風潮が強まり、官僚は政治家の「小間使い」に徹しさせろというような勢いにまでなっていった。
 そして一連の官僚バッシングの完成形として成立したのが、政府が官僚人事を完全に掌握する「内閣人事局」だった。
 かつての官僚人事は実力主義・実績主義で組織内で行われていたが、これによって実力・実績よりも「内閣に都合のいい人」が出世できるようになり、公務員の権限はもうなくなってしまった。
 以前の日本は「政治は三流だが、官僚が一流だからもっている」と言われていた。そして官僚にもその自負があって、この国は我々が支えているのだという誇りと、我々がこの国のためにやらねばならぬという使命感を持っていた。
 だからこそ、東大を出た一番優秀な者は民間企業には行かずに官僚になって、そういう人たちがずっとこの国家を繁栄させてきたのだ。
 官僚支配が日本を不幸にしているなどと外人ジャーナリストが唱え、それを日本のマスコミ大衆がありがたがっていたが、実際には「官僚支配」が最も強かった頃の日本は高度経済成長期であり、その頃こそが、日本が一番強い時期だったのである。
 それなのに、日本人が自ら官僚をどんどんぶっ叩いて、どんどん日本を弱くしていってしまったのだ。 

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コメント

もう次号号外が配信されていますが、先日のオドレら正気か関西LIVEの感想を書きます。

オドレら正気か関西LIVE、最高に楽しかったです。
私は現地で生で見ました。
何といっても生よしりんと生もくれん、両師範を見ることができて感激でした。もちろん倉持師範にも。
そして藤井聡先生、宮沢孝幸先生、森田洋平先生、萬田緑平先生といった豪華ゲストを加えてのライブははっきり言って凄かった。

けれども一番圧巻だったのは既に何人もの方が語っておられるとおり、明石市の泉房穂市長の歯に衣着せぬ演説でした!

公人という立場でいろいろ大変な苦労をされているのに、それを微塵も考えさせず熱く熱く緊急事態宣言の悪を語り熱く熱く(被害を受けた方への)救済措置を語り、弁護士・社会福祉士の体験からの市政への取り組みに熱意を注ぐ、その姿勢に私は心を打たれました。
気がつくと、私は何度も拍手を送っていましたが、開場の拍手喝采もまた半端ありませんでした。

本物の“国士“を見たような気分でした。

かつてここまで真剣に市政に身を捧げる公人を見たことがあるだろうか。(いやない)
かつてここまで真剣に市民の目線に立って力を出して励む公人を見たことがあるだろうか。残念ながら見たことがない。

私、隣の市の住人だけど、正直明石市に嫉妬していました。
何故なら明石市に来て、隣の街から明石市に入った途端に、雰囲気がガラッと変わることをこの目で見ているから。

明石市は駅前からして“美しく“変貌しています。明石市を長年訪れていない人は明石駅の華麗な変身に驚いてください。
それでいて“港町“の雰囲気は一つも褪せることがない、はっきり言えば泉房穂市長の功績です。
住宅地は、“見ただけで“子育てしやすい環境(但し、これは私の感想です)なので、本当かどうか明石市に来て観る事をおすすめします。

タコ焼きは(明石焼きは)美味いので、観光にどうぞ。
(明石推しになっちゃった^^;)

ともかく、今の明石の街並みをここまでしたのは泉市長の功績によるところが大きい。
けれども、一昨年マスコミに“暴言市長“と叩かれて、任期を後1か月残して辞職せざるを得なくなるまで追い込まれました。
その時に日本共産党が(出直し市長選で)対立候補をわざわざ立てて市長をボロクソにこき下ろしました。
共産党はマスコミの空気に乗っかって「許せない」を連呼しました。
市長選の結果は、泉房穂市長の勝利。
そしてその1ヶ月後、また明石市の市長選挙がやってきました。
共産党は今度は対立候補を立てませんでした。(泉市長の無投票当選。)
私はこれで、日本共産党を絶対に信用しなくなりました。

No.214 44ヶ月前

×森田洋平先生→○森田洋之先生
大変失礼いたしました。

第一部は泉房穂明石市長の熱弁が会場内に充満したせいか、宮沢・森田・萬田三先生の存在が霞んでしまった感がありましたが、第二部では藤井先生の関西流のしゃべくりまくりが一段と冴えていました。それにつられて三先生も息を吹き返しました(笑)。

藤井先生が途中で帰られた後を受けて、宮沢先生が爆走していました(笑)。なるほどと頷きながら、また笑いながら見ておりましたが、一点気になったのが、“外国人受け入れ“の件でした。
どのような文脈からそうなったのかもう一度アーカイブを見る必要があるけれど、宮沢先生は“日本人は外国人に冷たい“とおっしゃっていたように記憶しています(私の勘違いだったら本当にごめんなさい)。
私は「そうだろうか?」と何となく思いました。

また、これは本当に些細なことで取り上げる事でもないと思ったのですが、宮沢先生がオリンピックの開催に関して、日本対ケニアだったか、外国人の応援団が来れない状態になったら、日本人がアウェー側つまりケニア側に座って、顔を黒く塗るという発言をしてされていたと記憶していますが(勘違いならごめんなさい)勘違いでなければ、その時はよしりん先生が茶化してその場を収めていたけれども、顔を黒く塗るという発言には、私は何かしらの違和感を感じました。もちろんポリコレからくる違和感ではなく、外国人への寄り添い方を日本人という立場から考えると、宮沢氏の発言はケニアの人に寄り添うというより自分の他者に寄り添った感を出して満足しているのが前面に出ていて、私は、それでいいのだろうか?と疑問を感じました。もちろんその違和感がポリコレに繋がるようではダメですが。

会場は爆笑の渦に包まれたまま五時の終了を迎えました。よしりん先生が「日本人の本質」について次回に回すことできっちりとシメたのは印象的でした。

何回拍手したのか分からなくなるくらい、よしりん先生・もくれん先生・倉持先生・ゲストの皆様の熱い議論にすっかり夢中になってしまいました。

No.215 44ヶ月前

HIVウィルス、薬害エイズ問題の頃に仕事場に子供がやって来たことで、漫画で真相を描いてくれたよしりん先生がいたから、私が薬害エイズについて関心を持つことができました。
コロナウィルスは子供を殺さない事、インフォデミックのせいで子供が不安になり自殺が増えている事を知れたのも、よしりん先生がコロナ論を描いてくれたからこそです。

何より専門家、識者と今まで呼ばれていた権威ある人が次々信じられないような発言をしている(狂ってしまった)ことと、庶民(サイレントマジョリティ)が実は畜群であったことを知れたのは、コロナ・インフォデミックの中の不幸中の幸いでした。

グッズはキーホルダーと血道(ケツドウ)Tシャツ、それに大東亜論タオル、等等買って運営資金に貢献しました。

倉持先生ともくれん先生のサイン会も参加しました。
生の倉持先生を見て緊張して、うまく話すことができませんでした。申し訳ないです…
いろいろ聞いてみたいことがあったのですが、会場の熱気に圧されてしまいました…。
リベリべを買ったことだけ何とか言えました^^;
もくれん先生の時も緊張して、かろうじてコロ問いを買ったことととヘルパンギーナの見舞いについて話すことができました。(笑)

声はかけられなかったが、焙煎さんと軟体社長さんの姿を見ることができました。
そして、ちぇぶさんとだふねさんを見ることができました。(お忙しいのに声を掛けたところ懇切丁寧に応対してくださりありがとうございました。)
ちぇぶさんもだふねさんも、よしりん先生のおっしゃるイメージとは全く違う可憐な女性です。

そのよしりん先生、ちぇぶさんに引率されて道場終了後の会場の階段を、ちぇぶさんに連れられながらぜーはーゼーハーと階段を登っているのを偶然見たことはこの日一番の収穫でした?(笑)

No.216 44ヶ月前
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