小林よしのりライジング

「厚労省が忘れた『薬害を学ぼう』」小林よしのりライジング号外

2021/11/02 16:15 投稿

コメント:156

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号外 2021.11.2発行


【目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第235回「厚労省が忘れた『薬害を学ぼう』」
2. ゴーマニズム宣言・第441回「SNSに【割れ窓理論】を」




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第235回「厚労省が忘れた『薬害を学ぼう』」

 厚生労働省のサイトには『薬害を学ぼう どうすれば防げるのか? なぜ起こったのか?』という薬害教育のサイトがある。
 一般国民向けに制作された、日本の薬害の歴史や被害者の声などを掲載した教本が掲載されているほか、中学生向けの薬害教育教材や、指導の手引きまで配布されている。

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 私の記憶にあった薬害事件は、「薬害エイズ」「薬害肝炎(C型肝炎)」「薬害イレッサ(抗がん剤)」「サリドマイド」ぐらいだった。だが、厚労省の教本を見ると、1950年頃からのたかだか50年間で、国が認めた薬害事件だけでもこんなにあったのかと驚く。
 掲載されていたものから一部をさらに掘り下げて、当時の記録や論文などを調べてみた。その内容も盛り込みながら紹介したい。

●1948年/ジフテリア予防接種による健康被害
被害者:924人(死亡83人)
製薬企業のミスが原因で、ジフテリアの毒素が残っていたために、乳児83人が死亡。

 この薬害は、GHQが占領中の日本の衛生状態を嫌い、日本政府にジフテリアの予防接種対応を求めたことに始まる。
 表向きは、日本国民の健康のための伝染病政策とされていたが、のちに発見されたGHQの文書では、上陸米軍の中でのジフテリア発生率が予測を超えていることに驚愕し、米軍兵力維持のために、日本人に対して無差別予防接種を提起していたことがわかっているという。
 GHQは性急な実施を要求したが、日本では薬の製造が整わず、厚生省は夏のチフスの流行などを理由に、約2年間、何度も実施の延期を説明。1948年になってやっと接種する体制が整ったが、この時すでに日本では、終戦後の栄養状態の回復とともにジフテリアは急激に減少しており、流行は沈静化していた。
 だが、厚生省は、GHQの指令に従ってジフテリアを含む12疾病の予防接種を義務化。接種を行わないと罰金3000円(現在の貨幣価値で30万円)を科すという強力な強制接種法を施行し、子どもたちに対して強制的に接種がすすめられることになった。
 先駆けとなった京都府では、1948年10月21・22日に第1回、11月4・5日に第2回の接種が行われた。第2回の接種を受けた15,561人の中で、接種箇所が腫れあがり、発熱する子どもが出はじめ、その後、腕全体が腫れあがり、紫色になった注射局所を中心に、やけどのような水疱ができるという患者が600人以上にまで急増。乳幼児68人が死亡した。
 11月5日からは、島根県で接種が開始されたが、京都からの「接種見合わせ」の電報を受けて中止。ところが、「死ぬ心配はない」という楽観コメントがあったことや、厚生省から、被害が起きたロットナンバー以外のものを使えという指示があったことから再開されてしまった。
 実際には、厚生省が示した以外のロットにも毒性があり、島根県内で300人以上の被害者が出て、16人の乳幼児が死亡した。

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 製薬会社の製造過程や厚生省の検査がずさんであったこと、被害発生後の現状把握や指示があまりに雑であったこと、そこには、アメリカの要求に従って、子どもたちに強制接種していくと決めていた、つまり「接種ありき」で推し進めていたという背景がある。
 しかも、日本ではすでに下火になっていた感染症なのだから、健康であれば不要だった注射を、わざわざ乳幼児に打って殺したわけだ。
 予防接種をめぐるアメリカとの力関係が、GHQの時代にスタートしていたことに、暗澹とした気持ちになる。
※国が認めた被害者数は冒頭の通りだが、複数の記録を突き合わせると、死者84人、被害者1000人以上、後遺症など不明となる


●1953年~1970年/キノホルム製剤によるスモン薬害
被害者:1万人以上
整腸剤キノホルムを服用することで、スモンと呼ばれる神経障害を発症する人が多数。企業が製造を停止するまで大勢が被害に遭った。

 1955年頃から、下痢などが続いたあと、足の感覚がなくなる、しびれる、重症の場合は麻痺して歩けなくなる、目が見えにくくなるなどの症状をきたすスモン患者の集団発生が見られるようになった。
 なかでも埼玉県戸田での集団発生は、東京オリンピックのボート競技の予定地であったこともあり、「戸田の奇病」と報道され、世間の関心が高まった。 

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コメント

>>161
私は人々の『内心の自由』や『内面の自由』を守りたい、ただそれだけです。
他人が踏み込んだり、権力が介入すべき部分ではないと思います。

ちなみに私は、小室圭さんは「ごく普通の30歳の青年」だと思っております。個人の感想です。

No.162 29ヶ月前

 ゴー宣道場が誰かの独裁下になることは、悪いことではないと思います。
 元々ゴー宣道場はよしりん先生の独裁下であったわけで、いずれ先生の手から離れるべきでもあり、全国各地の面々を纏めるには独裁の方が効率良いと思います。
 ですが、その独裁者にユーモアが無いなら最悪です。何れ組織の硬化を招き、運動グループと化すでしょう。

No.167 29ヶ月前

自分が知っている薬害は薬害エイズだけでしたが、薬害問題はこんなにも都度現れていたんですね。
にも関わらず、同じ轍を踏むのは、それは過去のことという認識が働いているからだと思いました。
製薬会社にしても、厳重な審査なんかしてたら儲けを失う可能性があるから、被害なんて知ったことでは
ないのが本音かもしれません。今一度、薬とは何かを根本から見直す必要があります。

小室圭さんの弁護士試験の不合格は確かに自由を得たからこそ生まれた不幸の一つかもしれませんが、
マスコミや大衆が連日バッシングしなければ起こらなかったのではないでしょうか。
小室夫妻に訪れた苦境は、自分達が背負わせたとしか思えません。
正直、今の日本の言論や表現に割れ窓理論を採用するのはかなり危険としか思えません。
SNSの一部の声がさも大多数の意見のように扱われるのは日本では常識が失われているからと考えます。
今、日本に必要なのは常識をもう一度学び直すことだと思いますが、今すぐに身につけなおすとは
思えず、少なくとも100年は必要なのではないでしょうか。

No.168 29ヶ月前
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