第349号 2020.3.17発行
「小林よしのりライジング」
【今週のお知らせ】
第365回「お辞儀というナショナリズムで防御せよ!」
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コメント
いつも配信ありがとうございます。都内勤務の内科医です。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言が4月1日発表になりました。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000617992.pdf
この中で、小学生の子を持つ親として注目した部分がこちら。
「なお、現時点の知見では、子どもは地域において感染拡大の役割をほとんど果たして
はいないと考えられている。したがって、学校については、地域や生活圏ごとのまん延
の状況を踏まえていくことが重要である。また、子どもに関する新たな知見が得られた
場合には、適宜、学校に関する対応を見直していくものとする。」
「無自覚な子どもや若者が感染を拡大させている」というようなプロパガンダが現在ありますが、子どもについてはそんな根拠は無いという訳です。ひょっとすると、「子供は感染しにくい=ウイルスを排出しない」ということなのかもしれません。
おそらくこの専門者会議であえて踏み込んだ文言を盛り込んだのは、早期の小学校再開を決断する自治体への援護射撃目的ではないかと考えます。
そして世田谷区がそれに応えてかどうかはわかりませんが、大きな一歩を踏み出しました。
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kodomo/004/001/001/d00185410_d/fil/zyugyoutounituite_R020401.pdf
基本1学年しか学校にいないわけで、これにて3密の緩和を大いに図ることができます。
全国の小学校の模範になるかもしれない素晴らしいアイデア。この逆風の中でこれを決断した勇気。私は世田谷区長をヘタレだと思っていたのに、見直しました(笑)
しかし残念ながらこの案はメディアから大バッシング。区の内外からの圧力にてあっという間につぶされてしまいました。
発表当時の世田谷区は都内最多の累計感染者54人でしたが、人口93万人なので、区民1.7万人に一人しか感染していない現況。
4月2日の東京都の新規感染者は過去最多の97人。しかし東京都の人口は約1400万人ですから、10万人あたり0.7人。そしてその日の東京都の新規死亡者数は0人でした。(全国でもわずか3人)
この数で、学校再開を延期したり都市封鎖をしたりするのはどうなのか。
それに加えて専門家のデータ分析で、子供は感染を拡大させていないといういまのところの結論。
科学的知見、統計的根拠に基づく行政判断が、根拠に基づかないヒステリックな感情論でつぶされてしまったことはとても残念です。
4月1日の専門者会議提言に付けられた国別のグラフを見ると、日本と韓国とシンガポールは、欧米各国と比べるとグラフの線が地を這っています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000617992.pdf
日本は検査対象を絞っていますから、実際の感染者数は日本と韓国のグラフの中間くらいにあるのではないかと思います。日本の人口は韓国の2倍、累積死亡数は韓国の1/3。人口比死亡率を、善戦している韓国のさらに1/6に抑えているわけで、日本の感染対策や医療は素晴らしい結果を出していると思います。
この結果を誇らしく思えばいいのに、
「日本は遅れている!」
「まだ自粛が足りない!」
本当に自虐が大好きな国民性ですね、、、
初めて投稿します。名作「カバ焼きの日」以来のゴー宣読者です。都立高校の教員をしています。
今回の休校に関して、現状と思うところを色々と書かせていただきます。まとまらない文章になると思いますがお許しください。
私はこの4月に定期異動しました。修了式も始業式も放送によって行われ、離任式・着任式も名前の紹介のみ。つまり、前の学校の生徒にも別れのあいさつもできませんでしたし、着任した学校の生徒の顔もまだ見ていないという前代未聞の状態です。
休校が2ヶ月続いた今、学習面ではオンライン授業をすべき等の意見が出てきました。この点、世間のみなさんはご存知ないかもしれませんが、今どこの高校でもベネッセの「クラッシー」かリクルートの「スタディサプリ」というオンライン教育システムのどちらかを採用しています。このシステムを利用して課題の連絡や提出、採点等をしようとしている高校が多く見受けられます。「こういうのがあってよかった」という教員もいますが、これ、年数千円のお金を払わされているのです。このコロナ騒ぎでベネッセもリクルートも販路拡大チャンスだととらえているはずです。とんでもない話です。
学習面ばかり話題になりますが、私が一番問題だと思うのは、体育の授業や部活動をこの2ヶ月間、中高生が一切やっていないということです。これは、肉体的健康も精神的健康も相当ダメージを受けているはずです。運動部でなくても、友達と一緒に目的をもった活動をするということが2ヶ月間一切できていないのです。大人で言えば「一切仕事も趣味もするな」と言われているのと同じです。このことを誰も話題にしないのが危険です(もちろん現場の教員か親でなければ気づかないでしょうが)。
世間の反応で何が頭に来るって3月に休校措置が決定になったときには
「こどもの学習権を奪うな」
「DV等の危険が劇的に増える」
「給食でしか栄養が取れないこどもたちがいる」
といった、休校によるリスクが叫ばれていました。
それが、今どうでしょうか。今度は始業式1つ行うだけで大騒ぎです。休校によって命の危険にさらされている子供がたくさんいるのではなかったのでしょうか。そういう子どもたちへの対処法など今や誰も提案していないじゃないですか。
東京ではこのままでは5月6日の授業再開は不可能でしょう。おそらく夏休みまで休校だと思います。そうすると今度は「大学入試で休校していない地域との差が出て不公平だ」というアホな議論が始まると思います(始まればまだいいかもしれませんが、無視されるかもしれませんね)。休校措置によって今後どれほどの混乱が生まれるか、誰も考えていないのではないでしょうか。
教員として親として日々若者と接してきた身としては今の世論には本当に腹がたちます。
友人の一人は「老いた親と同居している。もしコロナで親が死ぬことになったら死に目にもあえない。
よしりん先生は『自分は死んでもいい』と言っているが、私のような気持ちをもつ人のことは想像しないのか」と言うので、「80まで生きた親の死に目に会えないのと、大学卒業する子供が就職できなくて就職氷河期の世代のように40過ぎても非正規のバイトしかできないのとどちらかをとれと言われたら前者を取るのか?80まで生きた老人がコロナで死んでいくのと、バイトで何とか食いつないできた30代40代の非正規労働者が金がなくなって自殺するのと、どっちかとれといったら前者を取るのか?」と聞くと「それは国が何とかすべきことだ」といいます。「安倍政権が何とかすると思うか?」と聞き返すと「だからこんな政権を支持するような国民を教育してきたからいけないんだ」と「そもそも論」に戻ってしまいます。コロナパニックを煽る人たちってみんなこの程度の策しか考えていないのではないでしょうか。
今の世論は、悠長に自宅勤務ができて休業にもならず、もちろん収入も一切減らないような安定した大人たちが、そんな余裕もない人の生活や、若者の将来よりも「俺の命を大事にしろ!」と叫んでいるだけだと思います。ひどいもんです。
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