小林よしのりライジング

「『大東亜論』からイラン危機まで」小林よしのりライジング Vol.316

2019/05/28 19:55 投稿

コメント:97

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第316号 2019.5.28発行

「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…『大東亜論 最終章 朝鮮半島動乱す!』が、本日発売となった。掲載誌「SAPIO」の事情により未完の最終巻となってしまったが、この『大東亜論』シリーズを読めば、現在の日韓問題の根本がわかる!現在に至るまでの日本の針路を誤らせた諸悪の根源とは!?「力の外交」に警鐘を鳴らす『大東亜論』は、現在の国際情勢を考える上でも大きなヒントとなる!
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…一般的な常識から見ると不可解な判決が続いているレイプ・強制わいせつ裁判。裁判では(1)同意があったかどうか(2)被害者が抗拒不能だったかどうか(3)同意がないこと、抗拒不能状態であることを加害者が理解しており、それに乗じて行為に及んだかどうか、この3点を争うのが基本となっているようだ。特に難しいのが「抗拒不能」の解釈である。そこで、過去の判例をさまざま比較してみたところ、裁判官によって解釈が大きく異なることがわかった。
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!見た目から性別がわかりにくい人に性別を尋ねるのはダメなこと?西洋の王(王室)と日本の天皇(皇室)の違いとは?母親に対する愚痴メールを彼女に送るつもりが、間違えて母に送信してしまった…!!作家・津原泰水氏と幻冬舎の騒動、本を売るのは出版社の仕事で作家に責任はない?父親になる自分に何かアドバイスをください!庶民感覚からかけ離れた裁判官が多い現状を見ると、裁判員制度もアリでは?…等々、よしりんの回答や如何に!?


【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第326回「『大東亜論』からイラン危機まで」
2. しゃべらせてクリ!・第273回「怪しか人ぶぁい、あんた、だ霊? ぽっくんに、なんか妖怪!?の巻〈前編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第128回「レイプ裁判判例を読む~抗拒不能とはなにか?」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記




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第326回「『大東亜論』からイラン危機まで」

『大東亜論 最終章 朝鮮半島動乱す!』(以下『最終章』)が、本日発売となった。
 シリーズ4冊目、ブックデザインは同じシリーズとは思えないくらい毎回変わったが、最後にしてこれが一番決まったように思う。
 中味も、こんなに濃厚で熱量のある漫画って今どきあるだろうかと、我ながら呆れる程の出来上がりになっている。

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 物語はいよいよ日本を離れ、アジアを駆け巡った内田良平ら若き志士たちの血沸き肉躍る冒険活劇に突入しようというところだったのだが、掲載誌「SAPIO」の事情により未完の最終巻となってしまったのは、実に残念である。
 連載が続いていれば、描きたいことはまだまだあった。
『最終章』のあとがきにも書いたが、もともとの構想では日清戦争の講和の際に、日本が対シナ政策で決定的に誤った道を歩んでしまったことを描き、そしてそれを全力で止めようとして果たせなかった荒尾精の苦悩とその死を描いて「第四章」を閉じる予定だった。

 そして続く「第五章」で、最初の大きな物語として描きたかったのが、「閔妃暗殺」だ。
 明治28年(1895)10月8日未明、李氏朝鮮の王妃・閔妃が暗殺された。
 暗殺の首謀者は、頭山満の盟友だった朝鮮公使・三浦悟楼。実行グループの中には、来島恒喜の最期を見届けた玄洋社員・月成光もいた。
 閔妃暗殺事件に関しては、自虐史観には賛成しないという人にも、これだけは弁護できないという意見が多い。
 だが、『最終章』の中でも伏線的に描いているように、閔妃こそが東アジアの動乱の元凶だったのである。
 朝鮮の王朝を、日本の皇室と重ねて考えてはいけない。朝鮮王朝には全く「公」がなかった。それは、現在の北朝鮮の「金王朝」を見ればわかる。
 当時の王朝もあれと同じで、全くの独裁によって富を一族で独占し、民衆はひたすら搾取され、塗炭の苦しみにあえいでいたのだ。
 だからこそ、王朝打倒を目指して「東学党の乱」も起きたわけで、皇室が人民を搾取したこともなく、皇室打倒を目指す民衆の武装蜂起も起こったことがない日本とは全く違うということは、常識にしておかなければならない。

 腐敗しきった朝鮮の王朝を糾すには、クーデターを起こすしかない。そのために金玉均「甲申事変」を起こしたわけだが、これは閔妃らを立てたまま、腐敗した政府要人だけを排除して改革しようとしたために、閔妃の裏切りに遭って失敗してしまった。
 閔妃は金玉均殺害を切望し続け、そして金玉均は8年間の亡命生活の末、暗殺者の手にかかって命を落とした。
 その後、閔妃一族の横暴はいよいよ甚だしくなり、これを憂慮した朝鮮人の有志たちが閔妃暗殺計画を立てた。そしてこれに、朝鮮人だけではとても実行は難しいと見て、日本人が加わったのである。
 もし現在、北朝鮮人民が金正恩暗殺計画を立て、他の国の人間が協力して実行したら、これをそんなに非難できるだろうか? それと同じことである。
 現在の韓国では閔妃を「明成皇后」という諡(おくりな)で呼び、「国殉后」(国に殉じた皇后)として「国母」の扱いをしており、しかも暗殺者に朝鮮人がいたことは完全に隠して、日本人の悪行として教えている。毎度おなじみ、韓国の歴史捏造である。

 一方、当時は日本にとっても閔妃を生かしておくことは、直接自らの危機になるという認識があった。
 日本は朝鮮を清の支配から切り離すために日清戦争を行ったのだが、閔妃は露・独・仏の三国干渉に屈した日本を侮り、ロシアに迎合するようになってしまった。そして、このままでは日清戦争の成果が無になるどころか、朝鮮半島がロシアのものになり、さらに日本までがロシアの危機にさらされるという状況になってしまった。
 そこで閔妃一人を犠牲にすれば、日本とロシアが戦争になることを防げるという判断があったのである。
 ただしこれは完全に裏目に出て、閔妃の死により朝鮮はロシア迎合の姿勢を一層強めてしまい、結局は日露戦争に至ってしまったのだが。

 さて、それでは日本は、いつどうすれば朝鮮と良好な関係を築けたのだろうか? 

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コメント

遅ればせながら、今号のゴー宣を読みました。
自分の現場でも、道義を無視して動いてしまうと、後で手痛いしっぺ返しが来ることがよくあります。少し面倒でも、大変でも、道義を通してから動くと、後々上手くことが進むと感じています。
『道義』大切なのですね。日本の伝統の道義を守る文化は、世界に誇れるどころか、世界各国の手本とすべきなのだと分かった気がします。
『大東亜論 最終章 朝鮮半島動乱す!』週末に、じっくりと読みます!

No.121 59ヶ月前

木蘭先生のトンデモ見聞録を読み、スッキリしました。
名古屋の被害女性の方や、他に不当判決を受けた方にも、このような当たり前の判決を与えて上げて、少しでもスッキリさせて上げて欲しいです。犯罪の被害に会われた方、“被害者”なのですから。
裁判官は人間なのだから、人情をちゃんと持ち合わせて欲しいです。人情が無ければ、きっと善悪の判断が出来ませんよね。

被害に会われた方が、それまでのような日常生活を送れるように、お祈りいたします。

No.122 59ヶ月前
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