こういった判決がこの時代に出るということが象徴的だと思います。すごい「どこかで聞いたことのある理屈」ですからね。この判決の根底にあるのは我が国に充満する「自己責任論」ではありませんか。やむなく、その道しか選べなかったことそのものを根拠にして、弱者にその選択の全責任を負わせ、強者を無答責とするあれです。でも、その道を舗装し、後ろから蹴飛ばして進ませていたのは誰なのだということですね。 また、裁判所が言う「合理的な疑い」というのは、禅問答みたいなもので、答えはありません。あのとき、こうできたんじゃありませんか、と後から言うのは誰にだってできます。そして、そう言われれば、真面目な人ほど自分を責めます。抗弁すれば、かえって身の程を弁えない奴だと思われる。だから最後は黙るしかなくなる。被害者を「物言わぬ囚人」に仕立て上げるような屁理屈は断じて許すべきではありません。
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小林よしのりチャンネル
(ID:19522841)
こういった判決がこの時代に出るということが象徴的だと思います。すごい「どこかで聞いたことのある理屈」ですからね。この判決の根底にあるのは我が国に充満する「自己責任論」ではありませんか。やむなく、その道しか選べなかったことそのものを根拠にして、弱者にその選択の全責任を負わせ、強者を無答責とするあれです。でも、その道を舗装し、後ろから蹴飛ばして進ませていたのは誰なのだということですね。
また、裁判所が言う「合理的な疑い」というのは、禅問答みたいなもので、答えはありません。あのとき、こうできたんじゃありませんか、と後から言うのは誰にだってできます。そして、そう言われれば、真面目な人ほど自分を責めます。抗弁すれば、かえって身の程を弁えない奴だと思われる。だから最後は黙るしかなくなる。被害者を「物言わぬ囚人」に仕立て上げるような屁理屈は断じて許すべきではありません。