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第141号 2015.7.28発行

「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…2020年の東京オリンピックに向けて新築される新国立競技場の建設計画が白紙に戻された。ザハ案には早くから反対の声が上がっていたが、問題なのは巨額の建設費だけではない。あのデザインにはある特定のモチーフがあるのではないかという話が囁かれ始めた。なんと、それは「女性の性器」!!利便性・安全性・経済的効率性や、歴史・文化・環境との調和など、建築の基本が無視されている現代の建築業界。今回の混乱を引き起こした元凶を追及せよ!
※「ザ・神様!」…双子の兄を平然と殺害してしまったオウスノミコト。容姿端麗で勉学は完璧、剣術の技もキレる期待の皇子に、まさかこれほどの凶暴性が秘められていたとは…!父・景行天皇から西の熊襲討伐を命じられたオウスは九州へ向かう。荒くれ者のクマソタケル兄弟に近付こうと策を練るオウス、まさかの「日本最古の女装子」に!?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!バランス感覚を失わずに、自分の狂気を漫画で表現できるのはなぜ?漫画が実写化されることをどう思う?子供にリードを付ける親、異常じゃない!?ニートの増加は、ニート自身より政府や社会の方が悪いのでは?本気で愛した女性がニューハーフだったら、先生ならどうする?会社の同僚とは私生活でも付き合いを持つべき?…等々、よしりんの回答や如何に!?


【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第136回「新国立競技場のデザインはオ○ンコだった」
2. しゃべらせてクリ!・第101回「ぽっくんのゼロ・グラビティ!宇宙漂流の恐怖ぶぁい!の巻〈後編〉」
3. もくれんの「ザ・神様!」・第61回「ヤマトタケル物語・その2」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記




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第136回「新国立競技場のデザインはオ○ンコだった」

 2020年の東京オリンピックに向けて新築される新国立競技場の建設計画が白紙に戻された。
 安保法制の衆議院強行採決によって支持率が急降下した安倍政権が、人気取りのためだけに打ち出した行きあたりばったりの政策ではあるが、とにかくあの馬鹿げたデザインの競技場が建たなくなったことだけはよかった。

 イラク出身の女性建築家、ザハ・ハディドによる奇妙で巨大すぎる競技場のデザインに対しては、早くから反対の声が上がっていた。
 平成25年(2013)8月に世界的建築家・槇文彦氏が最初に反対意見を表明、これを受けて当「小林よしのりライジング」でも同年10月1日配信のVol.56で「新国立カブトガニ競技場の異様」と題して徹底批判を行った。
http://ch.nicovideo.jp/yoshirin/blomaga/ar357454
 それから2年近くを浪費し、オリンピック開幕まであと5年というギリギリのところでようやくの計画見直しとなったわけだが、問題とされるのは建設費がかかりすぎるという点ばかりである。
 わしは、隣接する明治神宮外苑の歴史的景観が破壊されることを第一に問題視したのだが、そういう意見はほとんど考慮されていない。これではたとえ計画が見直されても、安価で景観を破壊する競技場ができるだけということになりかねない。
 そこでもう一度、近代建築物と歴史や文化、環境についての問題に立ち返って考えておきたい。

 Vol.56でも書いたが、最初に反対の声を挙げた槇文彦氏は「建築物はそれ単体で存在するものではなく、周囲の環境と調和し、人々に愛されるものでなくてはならない」と主張している。
 今回の場合は、明治神宮が作られた経緯や、人々が守り愛してきた景観に対する理解は不可欠である。
 だがザハ・ハディドのデザインは、歴史や伝統文化といったものとは全く無縁、というよりむしろそれらを敵視している。彼女は明治神宮の歴史的経緯も知らないし、現地を訪れたことすらない。

 ザハ・ハディドは、「現代建築における脱構築主義の旗手の一人」だという。「脱構築主義」とは、特定の形式や先入観(イメージによる把握)等々を解体し、既知と未知の世界のエッジに挑戦するとかいう思想なのだそうで、特定の何かに似ているようなデザインは絶対にしないのだそうだ。だから、たとえそのデザインが「自転車のヘルメット」や「宇宙船」や「カブトガニ」のように見えたとしても、それは「偶然」でしかないという。
 これを聞いてわしは、今どきポスト・モダンか? 今どき「あらゆる意味から逃げろや逃げろ」か!? と思ったものだ。そもそも人間に、全く何にも似ていない、一切の意味がないデザインなんてものが思い浮かぶのだろうか?
 そうしたら案の定、例の新国立競技場のデザインにも、ある特定のモチーフがあるのではないかという話が囁かれ始めた。
 なんと、それは、女性の性器だというのだ。
 デザインは途中で予算を圧縮するために修正されたが、最初のザハ案のデザインは、上空真正面からの図では、こういうものだったのである。

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 あわや明治神宮外苑の隣に、おまんこスタジアムを建設するところだったのか!?
 問題になった総工費950億円のキールアーチは、つまり小陰唇だったのか? 950億円の小陰唇……!?

 実は、ザハ・ハディドは以前にも似たようなデザインの問題で物議を醸している。