第170号 2016.3.15発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」(号外)…3月7日、国連の「女性差別撤廃委員会」が日本政府に対する勧告を発表、その中には元慰安婦への「完全かつ効果的な賠償」を求めるばかりか、指導者や政治家の慰安婦問題についての発言にも制約を加え、教科書に慰安婦を取り上げろという要求まで書かれていた。さらには、皇位継承権が男系男子の皇族だけにあるのは女性への差別だとして、皇室典範の改正を求める勧告も盛り込まれている。この背景にある意外な事実とは?
※特別寄稿!「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…厳しい経済状況が続き庶民の財布の紐は閉まる一方。ところがそれとは正反対に、嬉々として財布の紐を緩める人たちがいる。小口の個人投資家である。中でも盛り上がっているのはFX。「銀行に預けていても増えないが、少額ずつの投資でもチャンスがある」「うまく運用すればリスク回避できるので、ギャンブルにはならない」「世界の動きを把握することができる」「少額の掛け金で、何倍もの金額を動かすことができる」…等々、甘い誘い文句の裏に潜む恐るべき罠とは!?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!太宰治の作品ではどれが好き?ライブ中のMCでの発言で再び批判されているゲスの極み乙女・川谷、どう思う?ヨーロッパの多くの国では売春は合法ですが、彼女たちは「性奴隷」と見なされているの?バラエティ番組の「ワイプ」はアリ?ナシ?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 特別寄稿!泉美木蘭のトンデモ見聞録・第2回「ど~してそ~なった?FX個人投資家たちの落ちた罠」
2. しゃべらせてクリ!・第130回「日本の文化・行列整列ぶぁ~い!の巻〈後編〉」
3. Q&Aコーナー
4. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
5. 読者から寄せられた感想・ご要望など
6. 編集後記
泉美木蘭のトンデモ見聞録第2回「ど~してそ~なった?FX個人投資家たちの落ちた罠」 今年2月末、日本初の広告写真制作会社であり、最大手の撮影スタジオが自己破産した。一般の人でもこのスタジオで撮影された広告写真やTVCMは、一度ならず必ず目にしている。鉄道、ビール、お菓子、薬、化粧品、ファッション、家電、映画ポスター、雑誌の表紙……。一時は飛ぶ鳥を落とす勢いで、多くのフォトグラファーを育ててきたが、フィルムからデジタル・ネットの時代となり、ここ数年は「安く・早く」ばかりを要求されて苦慮していたようだ。
創業61年目の春。老舗は、本当に“老いた存在”になってしまった。
老いたスタジオの息の根を止めたのは、なにより広告の出稿数の激減だった。
広告代理店最大手「電通」の調査レポートによると、日本の総広告費は2007年が過去最高で7兆円、そこからみるみる減少して2015年には1兆円減の約6兆円となった。
ネットゲーム、ネットショップ、エネルギー関連など一部の業種を除き、ほとんどの広告費は、自動車が89%(前年比)、キャラクター玩具84%、飲料91%、家電91%、家具92%、不動産95%と下降し続けている。
だが、経済がこのような状況であるにも関わらず、なぜだかハイテンション、アゲアゲエブリナイトでバボォーンッ! ……と財布の紐を緩める人たちがいる。
小口の個人投資家だ。
なかでも盛り上がっているのはFX(外国為替証拠金取引)である。米ドルやユーロ、ポンドなどの外国通貨を売買して、時々刻々と変動する為替レートの差額で損益を出す。モニターを何台も並べて一日中陰気な顔でジトーーーッと折れ線チャートを睨み付け、ポチポチ地味に売ったり買ったりする、あれだ。
私の周囲にも、この頃やたらとFXに興味を持ち始めたという人が増えている。
投資家なんて、お金の余力のある人がやることだと思っていたが、実態はそうではないようだ。売れているわけでもないフリーのクリエイター、特にお金持ちでもないパート主婦、60代の警備員までが、FXの口座を作ったと言うので驚いている。
実際、この数年、FX参入企業が次々現れ、ネット上では、カリスマ主婦トレーダーや、タレントトレーダーなどが持ち上げられ、ばんばん広告が打たれている。
『無料の口座開設で2万円キャッシュバック!』
『スマホアプリでいつでも簡単取引、副業FX!』
『5分で口座開設、翌日から取引できちゃう!』
はあ、ほかの広告はほとんどダメになっているのに、活気のある業界ですなあ。
ポップな言葉とともに、学生や主婦、年金生活者などの小口利用者を紹介し、「誰にでもできる、簡単で安全な投資」であることを前面に押し出す広告。
思わずクリックして覗いてしまう気持ちはわかるのだけど、単純に『リスクがあるに決まってる』『簡単に稼げるなら、いまの不況があるわけない』という考えがよぎるのですが……。
◆どーしてFXになっちゃうの!?
人はなぜ、大した資産家でもないのに個人投資家になりたがるのか。FXをはじめることにしたという人達に、なにがそんなに魅力的なのかと聞いてみた。
コメント
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>>67
やっぱり断罪ですね。
これは大きな社会問題ですよ。
その金がイスラム国に流れたら、ゾッとしますね。
(ID:29477650)
私は過去にFXをやっていたことがあります。
とりあえず一定の金額を口座に入れてそれが無くなったら終わりにすると決めていました。
でも半年くらいやって、残った資金(減っていました)を引き上げて自分からやめました。
ギャンブルは嫌いな方が多いようですが、私は競馬を二十数年来趣味としてやっています。
もちろんお小遣いの範囲でやっていて、あまり勝ち負けに一喜一憂せずにやっているので20年以上も続けられていると思っています。
そんな私なのでFXは完全にギャンブルとして始めました。
だから負けている段階でもすんなりやめられたのだと思います。
競馬と違い、可愛いお馬さんも、血統ロマンも、レースの感動もないFXは何も面白くなかったというのだけが印象です。
途中資金が増えていた時期もありましたが、結構な時間チャートを気にしてしまい、とてもじゃないけど割に合わないというのが結論です。
もちろん、うまくやって儲けている人も一部はいるのでしょう。
でも一応ギャンブルをずっとやっている私からすればFX=ギャンブルは万人に薦められるものではありません。
基本ギャンブルは勝てないものと思っていますので、負けても得られる感動などに満足できないのであればやるべきではありません。
「ギャンブル」ならば抵抗があるけど「投資」とか言われると手を出しやすいのでやってしまうというのは危険な兆候だと思います。
(ID:5213219)
アメリカは、社会の基礎を作ったピューリタンの禁欲主義によって、禁酒法を制定したり、
買売春や喫煙(キリスト教に入信した友人が教えに従いタバコをやめました)を罪悪視したりして
「必要悪」を認めないようですね。禁酒法は、密造酒がマフィアの資金源になったせいで廃止
されました。タバコも、闇タバコが出回る程に高価にはできないでしょう。売春も、アメリカ人
女性の19.3%がレイプ被害に遭っている現状では合法化した方がいいはずです。欲望を抑えようと
しても抑えきれず、かえって悪い結果になるより。