もくれんさん慧眼ですね。頷くしかありません。 昭和31年の時評になりますが、写真家の土門拳氏が著書「写真作法」でこう述べていました。 川崎の競輪場に撮影に行ったとき、エプロン姿のおかみさんや子供を背負った失業工員らしい男が何人かいた。みんな百円札を千円札にするために必死に足掻いているのだ。上手くいけばタバコは吸える、すき焼きにもありつける。けれど、目算は外れ、なけなしの百円札すらスッてしまう。これが貧乏の悪循環であると。 しかし、世の人はこうしたギャンブルを挟撃するが、庶民大衆をギャンブルをやらざる得ない貧しさに放っておいて、なんの代替策も講じないのではいけない、と主張したのですね。続けて彼は、貧しさ故に家も車も買えない人々が、まだしも手が届く高級カメラへと殺到しているのを窘めます。将来が見えず、貧乏だからこそ、分不相応の贅沢をしたくなるという心理(真理かも)を写真家は鋭い目で捉えていたのですね。
チャンネルに入会
フォロー
小林よしのりチャンネル
(ID:19522841)
もくれんさん慧眼ですね。頷くしかありません。
昭和31年の時評になりますが、写真家の土門拳氏が著書「写真作法」でこう述べていました。
川崎の競輪場に撮影に行ったとき、エプロン姿のおかみさんや子供を背負った失業工員らしい男が何人かいた。みんな百円札を千円札にするために必死に足掻いているのだ。上手くいけばタバコは吸える、すき焼きにもありつける。けれど、目算は外れ、なけなしの百円札すらスッてしまう。これが貧乏の悪循環であると。
しかし、世の人はこうしたギャンブルを挟撃するが、庶民大衆をギャンブルをやらざる得ない貧しさに放っておいて、なんの代替策も講じないのではいけない、と主張したのですね。続けて彼は、貧しさ故に家も車も買えない人々が、まだしも手が届く高級カメラへと殺到しているのを窘めます。将来が見えず、貧乏だからこそ、分不相応の贅沢をしたくなるという心理(真理かも)を写真家は鋭い目で捉えていたのですね。