国土①他と隔絶 ―ライシャワー元駐日大使
・日本の山並みは、地質学的に比較的若いこともあって、一様に切り立っている。
・国土が多数の小さな地域単位に分かれていることは地方分離主義の発生を促しやすかった(省略)。現行の四十七都道府県を分かつ境界の実に十分の九までが、古代の山の尾根に従った境界線をなぞったものであることは注目していい。
・日本は自然な形で分割されてきた。にもかかわらず日本人を特徴づけるのは、単一性と均質性であり、多様性ではない。すでに七世紀の初め、日本人は」自らを統一国家に住む単一の民族と考えていた。そして数世紀にわたる封建主義制度下の分封にもかかわらず、この理想はずっと生き続けてきた。日本ほどの大きさをもった人間集団で、これほど均質な存在は皆無に近い。
・日本人をとりまく地理的環境のうち、もっとも決定的なのは、彼らがどちらかといえば他と隔絶している、という
コメント
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>>10
さすがMythe et poemeさん、手キビシイですね。
ライシャワー氏を庇うつもりはありませんが、同書の中で日本人は文化的には等質な国民ではあっても、日本社会は画一的ではなく、いちじるしく複雑であることが明らかにされたと思う、米欧とは全く違った特殊な国民だが一般化できないのも確か-とも書いており、マクロ的には均質に見えても、細かく見ればそうでない-との趣旨だったのですかね。
一方、マクロ的に言うなら米国こそ地球を隅々まで「アングロサクソン・アメリカ」一色に染め上げる野心を実践する中心地-そこに全く斬り込まないのでは係る批判もご尤もと思います。
ドナルド・キーン氏が3.11で日本に帰化した際には驚きました。
網野善彦の本も読んでみようと思います。
(ID:11773811)
p_fさん、ありがたいご指摘です。
実は、わたしもライシャワー氏の本には敬服してはいるのです。とてもではないですが、あの徹底した方法的な概括化は凡俗のおよぶところではありませんね。
ただ、私は、アメリカのエリートには「日本」への真の意味での理解が欠けていると考えざるを得ないのです。
もちろん、ライシャワー氏の本についての正当な評価は、p_fさんの修正に従うべきでしょう。
日本に住んでいるアメリカ人も少なからずいて、なかにはアレックス・カーのように、日本人以上に日本の「美」の本質を理解し、それを言葉にしている人もいますが、彼らには、数値化できないものを見る目がありますね。
そして、それこそが大切なものではないでしょうか。
わたしは、日本の歴史と文化の中には、世界のグローバル化と言う精神病を直す「大切なもの」があると思うのです。
(ID:18471112)
>>17
大変恐縮です。
> 数値化できないものを見る目
特にアナログ人間の私は大いに膝を打つところです。
仰る通りグローバル化は人の交流だけにして、日本は今こそ率先して歴史・文化に根ざしたローカル化に注力すべきと思いますね。