ライシャワー氏は、「知日派」と認識されてきた。たしかに、氏の日本および日本史に関する「研究」と「分析」は大部で、総合的である。その徹底したデータ収集と分析態度は、アメリカ的であり、それはドナルド・キーン氏にも通じる。つまり、「情報」の分析という観点なのであり、一歩進めれば、・・・まあ、いいや言わんでおこう。 しかし、ドナルド・キーン氏は、やがて日本文学そのものに魅せられ、ついに日本に帰化した。三島由紀夫、安部公房などは、キーン氏の紹介なくしては世界にこれだけ知られることもなかったかもしれない。要するに、キーン氏には研究対象に対するLOVEがあった。それは、キーン氏の人間性Humanityの証しであろうか。 一言をもって足りる。世界の中心をもって鳴らすアメリカ合衆国こそ、世界的に「均質性」においてnotoriousな場所である。目糞、鼻くそを笑うようなもの。 日本の文化に根差している「ある意味での均質性」については、網野善彦の研究を読めばわかるものであり、アメリカのような大量生産・大量消費の大衆文化とは全く異質。 表面上だけで判断するライシャワー、アメリカ知識人の一級とは言え、世界的に見れば「思考」しない人びとの中での一級。
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孫崎享チャンネル
(ID:11773811)
ライシャワー氏は、「知日派」と認識されてきた。たしかに、氏の日本および日本史に関する「研究」と「分析」は大部で、総合的である。その徹底したデータ収集と分析態度は、アメリカ的であり、それはドナルド・キーン氏にも通じる。つまり、「情報」の分析という観点なのであり、一歩進めれば、・・・まあ、いいや言わんでおこう。
しかし、ドナルド・キーン氏は、やがて日本文学そのものに魅せられ、ついに日本に帰化した。三島由紀夫、安部公房などは、キーン氏の紹介なくしては世界にこれだけ知られることもなかったかもしれない。要するに、キーン氏には研究対象に対するLOVEがあった。それは、キーン氏の人間性Humanityの証しであろうか。
一言をもって足りる。世界の中心をもって鳴らすアメリカ合衆国こそ、世界的に「均質性」においてnotoriousな場所である。目糞、鼻くそを笑うようなもの。
日本の文化に根差している「ある意味での均質性」については、網野善彦の研究を読めばわかるものであり、アメリカのような大量生産・大量消費の大衆文化とは全く異質。
表面上だけで判断するライシャワー、アメリカ知識人の一級とは言え、世界的に見れば「思考」しない人びとの中での一級。