小林よしのりライジング

「経済成長神話から脱却できない日本人」小林よしのりライジング Vol.134

2015/05/26 17:00 投稿

コメント:114

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第134号 2015.5.26発行

「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、小林よしのりに関するWikipediaページを徹底添削「よしりんウィキ直し!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…中国経済の失速、その実態は大手メディアの報道よりはるかに惨憺たるものになっているそうだ。さらに世界で唯一好況感のあった米国経済も、実態は相当な惨状だという。ギリシャ問題を抱えるEU、そして貯蓄率が先進国最低レベルにまで落ち込んでしまった日本…今、経済のプロの間では世界経済の「6月危機」が語られ始めている。「成長=最高」という近代の価値観から脱却するしか、人類の未来はない!!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!先生はどのような人・ものに影響されてきた?NHK連続ドラマ『まれ』は好き?ドローンは免許制にすべき?NPTの再検討会議で合意文書草案に「広島・長崎」に関する文言が盛り込まれなかった件をどう思う?…等々、よしりんの回答や如何に!?
※「よしりんウィキ直し!」…今回は「親房の議論に『男系の』という用語はありません!に関する間違い」と題する項目をウィキ直し!南北朝時代の歴史書・北畠親房の『神皇正統記』に関する議論に、男系固執派が苦し紛れの難癖をつける!そして何故か、男系固執派と岡田斗司夫シンパが意気投合!彼らの共通点とは??


【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第130回「経済成長神話から脱却できない日本人」
2. しゃべらせてクリ!・第94回「のどかにうつらうつらの昼下がりぶぁい!の巻〈前編〉」
3. よしりんウィキ直し!延長戦・第13回「『ゴーマニズム宣言スペシャル・天皇論追撃篇(新天皇論)』過去版 ~「親房の議論に『男系の』という用語はありません!に関する間違い」の間違い~」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記




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第130回「経済成長神話から脱却できない日本人」

 泉美木蘭さんの『中国びっくり紀行』には、毎回本当に驚かされている。
 どこまでも、どこまでも、建てて、建てて、建てまくっている高層マンション群、取材の4日間、ほとんど太陽が見えなかったという深刻な大気汚染。そして「カジュアルに死んでる」としか思えない交通事情。
 全てが経済成長、経済成長、経済成長のためにと驀進している姿なのだが、これを見て不安に思わない人などまずいないだろう。

 週刊現代5月30日号の「騒がれ出した世界経済『6月危機』」という記事によると、「中国経済の失速」は多く報じられてはいるが、その実態は大手メディアの報道よりはるかに惨憺たるものになっているそうだ。
 上海など中国経済の牽引役と言われた地域は、今では賃金上昇などで外資系企業の撤退が止まらず、関連工場が相次いで倒産。その余波で飲食店など工場従業員向けサービス業でも大量に失業者が出て、治安も悪化。上海では「盗みに気をつけろ」が合言葉になっているという。
 さらに不動産市況も、建設ラッシュに沸いた時代に比べれば新規着工件数は大幅に減少。作ったものの買い手がつかずに「ゴースト化」した高層ビルが当たり前のように存在するらしい。
 また、かつては官僚接待のためにブランド品が大量に買われていたが、「反腐敗運動」によって今では高級百貨店に閑古鳥が鳴いているという。
 そしてあまりの不況から、最近では偽札が大流行しているそうだ。

 問題を抱えているのは中国だけではない。世界で唯一好況感のあった米国経済も、実態は相当な惨状だという。
 株高で潤っているのは上位5~10%の富裕層だけで所得格差は依然大きく、引退期を迎えたベビー・ブーマー世代も、蓄えの不足から簡単には引退できない状態で、消費は盛り上がっていない。
 さらに米経済の牽引役が期待されたシェールオイル産業はすでに過剰投資状態で、今後は泡沫企業の倒産が相次ぐ公算が高い。
 グローバル企業もドル高で決算が大きく落ち込んでいるという。

 米中の経済が失速すれば、両国への依存度が高い日本経済は大打撃を受ける。
 そもそも現時点でも、政府が「景気回復まであと一歩」といくら言い続けようと、一般庶民はそんな実感は一切ない。
 円安で一部の大企業が潤い、株高で富裕層が儲けているだけで、大半の中小企業や庶民は円安による物価高と実質賃金の低下に苦しめられている。
 家計は食費以外にお金を使う余裕を失い、エンゲル係数が21年ぶりの高水準という状況だ。

 こうして日米中の経済3大国がそろって火種を抱えている中、経済のプロの間で世界経済の「6月危機」が語られ始めていると週刊現代は書いている。
 現在、欧州では財政難にあえぐギリシャがEU(欧州連合)などと金融支援を巡って交渉中だが、その交渉期限が6月末なのである。
 EUは支援と引き換えに大幅な財政緊縮策を求め、ギリシャはこれ以上の緊縮策は無理としながら支援も受けようとしている。
 もしこの交渉が決裂し、ギリシャがEUを離脱するなど最悪の事態になれば、一気に日米中に欧州も加えた世界危機に発展するというのだ。

 一方で、世界経済危機の引きがねを引くのは日本だという見方も強い。 

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コメント

パソコンにも予測変換機能があるかと思われます。
いずれにしても、私もそうですがよく漢字を間違えますよね。

No.121 115ヶ月前

昨晩やっと『朝生』を録画で拝見いたしました。番組の中ではよしりん先生が際立っており、田原総一朗も要所でよしりん先生に振っていたいようですね。一昔前なら各方面から非難が集中するような、核心をつく発言があれだけ多く地上波で流れた事で、日本の空気を本気で変えようとする先生の意気込みがビシビシ伝わってきました。しかし、突然の田原氏の「日本にとって沖縄とは何だ?」と大上段からの質問には先生もちょっと焦ったんじゃないでしょうか?他のコメンテーターでは樋口耕太郎氏は初めて知りましたがちょっと気になる存在でした。彼の会社のHPでトリニティ経営なる「いま、愛ならなにをするか」というちょっと怪しげなタイトルの文章をざっと斜め読みしましたら、もしかして何か宗教がらみ?とも思いましたが、実際に沖縄に本社を構え事業を実践されているようですので、単なる机上の空論をこねくり回すタイプの言論人ではなさそうです。坂の下の土地を耕していこうという先生の考えと共通するものをお持ちのようで、今後どのような行動をされるか気にかけておこうと思います。そして、番組の最後で「君は歴史を知らないんだよっ!」と山本一太を叱責するところが勧善懲悪の時代劇みたいで、先生とってもカッコよかったです!

No.122 115ヶ月前

今の日本がやっているには本当に「成長戦略」なのでしょうか?じつはそう見せかけた「追従追欧戦略」じゃないのか?何となくそう思ったので…。
ちなみに私も大学で経済学を学びましたが、覚えているのは無差別曲線やらIS、LMなんとかという名前だけです。内容は20ン年すぎて、きれいに記憶から消えました…。経済の先生、結構熱心だったから、これ読んだらきっと嘆くだろうな…。

No.123 115ヶ月前
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