第73号 2014.2.11発行
「小林よしのりライジング」
【今週のお知らせ】
第74回「『明日、ママがいない』と児童養護施設の実態」
「秘かな差別」がいいか、「顕在化した差別」がいいかと言えば、わしは「顕在化した差別」の方がいいと思う。なぜなら戦うべき相手が明確になるからだ。
「施設の子供が傷つくから」という理由で、タブーにしてしまうことが、社会の偏見を取り除くことになるのだろうか?
わしがブログで「明日、ママ」はテーマのある良い作品だと書いたら、当事者からの投稿があった。
「明日、ママがいない」への感想を見ました。私達、児童養護施設出身者の気持ちを共感して頂いてうれしいです。職員や今入所している児童はこのドラマに反対の人が多いみたいですが、施設を退所した出身者はドラマを評価している人が多いそうです。私が思うには、良い施設で育った人は施設の悪い面を知らないし、親に虐待された経験者が多いから反対、悪い施設で育った人は施設で酷い事をされた事からドラマ肯定という意味もあると思います。職員は、「施設内虐待なんて何十年前の事だ!」と言いますが、今もあります。報道されていますし、「施設内虐待を許さない会」というのもあります。児童間暴力を規律が良くなるからと、むしろ良しとしている職員もいます。「そんなの例外だ!一部だ!」と言う職員もいますが、私達例外とされた人は支援も何もありません。また、発覚するのはごく一部で、私が毎日受けた暴力は一件も発覚していないはずです。大事なのは、施設が虐待をし、今もトラウマをもって苦労している元こどもへの支援を言っている職員を見た事がありません。当事者意識がないと思います。親から虐待を受けたこどもを、良い施設が保護し回復していくというドラマなら施設関係者は反対しないでしょうが、施設から虐待をされた人達は暗部を隠す事に傷つきます。でもその事をツイッターで施設職員に言ってもたいした反応はしません。虐待を受けても今は大人なんだから自分で頑張っていくしかないというなら、そもそも施設なんていらないです。そうした事を考えていないからああした抗議になるのでしょう。また、施設間格差は大きく、例えば施設児童の大学・専門合わせた進学率は23%(一般人は77%)ですが、東京の施設だと約5割と高い数字です。地方には戦後一例も進学者がいない施設もありますが、施設児童への進学支援は都会程あり、ますます格差は広がる事になります。(里親家庭も進学率は高い)よしりんには日本の児童養護施設の貧弱さ、施設内虐待の被害者の支援のなさ等を是非分かってほしいと思います。
さらに当事者ではないが、こんな投稿もあった。
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コメント
>>87 閑人 さん
>児童養護施設内虐待を防ぐには>>41の直明さんの会社が
>行っているような外部との交流も一つの手ではないかと思いました。
なるほど!!と思いました。
児童養護施設にせよ、介護施設にせよ、あるいは家庭内にせよ、
「外部との交流がない閉鎖空間」というのは、
人間が曲がってしまう可能性があるのではないかと考えさせられました。
そういう意味では、ネトウヨ等は「気の毒な状態の人達」と言えますね。
『環境』というのは人間にとって、圧倒的に大切だと認識致しました。
いや~、ライジングのコメント欄って、本当に勉強になりますね♪
今週はゴー宣で取り上げられた「当事者からの投稿」に衝撃を受けただけでなく、コメント欄に寄せられた「現場からの報告」にも大切なことを学ばせて頂きました。
Q&Aコーナーで述べられていた方がおられましたが、
「自分が思ってもいなかった観点からの意見が聞き、
自分の考えがより深められること」は本当に幸せなことだと感じました。
それもまた重要な『環境』だと思いました☆
>>90こいらさん
私も同じことを感じています。しかも今回の安倍政権は阪神大震災時の村山政権・東日本大震災時の菅政権より何もしていないのに、あの時政権を袋叩きしたマスコミ(読売・産経はもちろん朝日・毎日・東京といった左側も)&世論が何も言っておらず、ただ「孤立してる。高速は通行止め。ああどうしよう」と嘆いているだけというのが果たしてどうなんだろうと。
セブン&アイHDがヘリで東京からパン等の食糧を空輸して山梨県内のセブンイレブンやイトーヨーカドーに納入したみたいですけど、ああいうのって本来政府が率先してやらなきゃイカンことですよね。
>>92 閑人さんとカレー千衛兵さんのコメントを見て、確かにそういう面もあるかなぁと感じました。
その施設では、勉強を教えるボランティアを受け入れています。社会人や主婦の方がボランティアで、家庭教師のような感じで子供たちに定期的に勉強を教えています。
また、年に一度地域の人たちを招いて、施設主催のバザーを行っています。もちろんすべてにあてはまるわけではありませんが、このような施設外との交流があれば虐待などということは起きにくいのではと思います。
施設長とのお話の中で、高校を卒業して施設を出る子供たちの経済的な問題について聞いたことがあります。親を頼れないほとんどの子供は進学をあきらめ、就職をしたとしても当面の生活費にとても苦労する、ということでした。職員が個人的に経済的な支援をすることもある、と言っていました。
あるとき、その施設の出身で、すでに就職して社会人になっている青年と施設長が個人的に会って食事をしている、という場面に遭遇したことがあります。施設を出た後でも子供たちのことを案じ、実際に交流したり相談にのったりしているようです。
今回のゴー宣で取り上げられていた事例は本当にショッキングですが、あくまで一部にすぎないと信じたいです。私は幸運にも「良い施設」の人々に接することができましたので、多くはそうであると信じたいです。
(ID:32815104)
あらまぁ