高浜原発3、4号機 大津地裁 運転差し止めの仮処分決定
A;事実関係9日毎日新聞
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)を巡り、滋賀県内の住民29人が運転の差し止めを求めた仮処分申請で、大津地裁(山本善彦裁判長)は9日、住民側の申し立てを認める決定を出した。3号機は原子力規制委員会の新規制基準に適合したと認定されて1月末に再稼働したばかりだが、仮処分は即座に効力が発生するため、関電は9日中にも停止作業に着手する。稼働中の原発の運転を停止させる仮処分決定は初めて。
決定に対し、関電は保全異議申し立てと仮処分の執行停止の申し立てを同地裁にする方針。しかし、判断には一定の期間がかかるため、いったん原発を停止させることにした。
同地裁で非公開で開かれてきた審尋では、耐震設計の目安となる地震の揺れ「基準地震動」の算定方法など新規制基準の妥当性や、避難計画の実効性などが争点
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コメント
読売はどう書いているか? 最高裁が1992年の四国電力伊方原発訴訟判決で、原発の安全審査は「行政側の合理的な判断に委ねられている」との見解を示したことを踏まえて、「高度な専門性が認められる原発の安全判断で、司法は抑制的であるべきだとする判例は、その後の判例で踏襲されてきた」と書き、今回の決定で、規制委の策定手法に対して「非常に不安を覚える」としたことに対して、「原発にゼロリスクを求める姿勢がうかがえる」と批判している。そして、「裁判所には冷静で公正な判断を求めたい」と書いている。福島であれだけの大惨事を目の当たりにし、今なお多くの人が避難生活をよぎなくされる状況下で、原発に「ゼロリスク」を求める姿勢を非難するとは。さらに、原発稼働にも「統治行為論」を持ち出した。ここまで国の原子力行政にコミットする読売とは、どういう会社なのだろうか?(以上 10日の社説より)
高邁な判決であり、法を超えて、論じている。
人間が生存する権利は、すべてにおいて優先されるものである。人間の生活規範、経済活動規範は、体制の定める体制維持規範であり、安全に安心して生活し生きられる権利は、何人にも与えられるものであり、一エネルギーである原発が、生きる権利を奪うことなどできない。判決のとおり、災害、テロなど防げない事故は、近年増しており、一端事故が起きた場合の生存権はく奪を、だれが責任持つというのか、だれも持ちえない。責任を持てないものは、排除するのが当たり前であり、当たり前の判決を否定しては、国家国民をないがしろにした者といえる。
>>5
原発推進派は「原発にゼロリスクを求める」ことを批判しますね。
ゼロリスクなんてこの世にあるかといって。
そんなこと言ったら飛行機だってクルマだって...というわけです。
飛行機を廃止するのか、クルマに乗るのをやめるのかって口角泡
を飛ばしますね。
わたしの周囲にもいますよ。
我が子が、行ってきまーすといって、朝、家を出ればそれが今生の
別れになる可能性はゼロではない、と言います。
我が子が事故や事件に巻きこまれる可能性がゼロでないから、学校に
も行かせず家から一歩も出さないなんてことをする親がいるかってね。
原発反対派ってのはホントバカとしか言いようがないぞってね。
ゼロリスクなんて求めたら何もできんじゃないかってね。
もちろん詭弁が見抜けない幼稚な人ってだけです。
池田信夫あたりにコロッとやられたのでしょう。
誰かの子供が朝学校に行ったきり二度と帰宅しなければ、その親に
とって大変な悲劇なのですが、それによっては一つの広範な地域社
会が崩壊したり、国家が存亡の危機に見舞われることはないという
ことがわからないのが不思議ですね。
大の大人が。
(ID:29645663)
1 大津地裁の裁判官の良識と勇気は、司法の役割を立派に果たしたもので、絶賛に値します。
2 福井地裁の裁判官は、家庭裁判所に異動させられました。家裁なら、こうした重大な事件は扱わないため、いわば窓際族への左遷です。裁判官の人事権は最高裁がもっています。最高裁が政府べったりなのは、最高裁の裁判官は内閣が任命する(憲法79条)のだから、内閣に都合の良い判決をする者を任命しているからです。しかも、最高裁裁判官15名のうち、裁判官・検察官・行政官(官僚)から11名が任命され、残りは弁護士と学者です。
3 本来、裁判所の役割は、国会の多数派(与党⇒政府)が作る法律により権利侵害された少数派の人権を守ることですが、実態は三権分立ではなく、行政べったりです。行政に都合の悪い判決=国民の権利を守る判決をすれば、左遷されますが、それでも良識と勇気をもって運転差し止め仮処分決定をした裁判官は「すべての裁判官は、その良心に従ひ独立してその職務を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」(憲法76条3項)を堂々と示したもので、まさに賞賛に値します。
4 裁判所の実態についての参考文献:「ニッポンの裁判」、「絶望の裁判所」ともに瀬木比呂志(講談社現代新書)。「司法よ!おまえにも罪がある」新藤宗幸(講談社)。「長沼事件平賀書簡 35年目の証言」福島重雄ほか(日本評論社)。「犬になれなかった裁判官 司法官僚統制に抗して36年」安倍晴彦(NHK出版)