haruo のコメント

1 大津地裁の裁判官の良識と勇気は、司法の役割を立派に果たしたもので、絶賛に値します。
2 福井地裁の裁判官は、家庭裁判所に異動させられました。家裁なら、こうした重大な事件は扱わないため、いわば窓際族への左遷です。裁判官の人事権は最高裁がもっています。最高裁が政府べったりなのは、最高裁の裁判官は内閣が任命する(憲法79条)のだから、内閣に都合の良い判決をする者を任命しているからです。しかも、最高裁裁判官15名のうち、裁判官・検察官・行政官(官僚)から11名が任命され、残りは弁護士と学者です。
3 本来、裁判所の役割は、国会の多数派(与党⇒政府)が作る法律により権利侵害された少数派の人権を守ることですが、実態は三権分立ではなく、行政べったりです。行政に都合の悪い判決=国民の権利を守る判決をすれば、左遷されますが、それでも良識と勇気をもって運転差し止め仮処分決定をした裁判官は「すべての裁判官は、その良心に従ひ独立してその職務を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」(憲法76条3項)を堂々と示したもので、まさに賞賛に値します。
4 裁判所の実態についての参考文献:「ニッポンの裁判」、「絶望の裁判所」ともに瀬木比呂志(講談社現代新書)。「司法よ!おまえにも罪がある」新藤宗幸(講談社)。「長沼事件平賀書簡 35年目の証言」福島重雄ほか(日本評論社)。「犬になれなかった裁判官 司法官僚統制に抗して36年」安倍晴彦(NHK出版)

No.1 105ヶ月前

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