米国人にとって2001年同時多発テロ事件は悪夢である。
テロには過剰に反応する。
1:米国国民の反応
まず一般国民への影響を見てみたい。
ABC/ワシントン・ポスト世論調査(ABC News/Washington Post Poll. Nov. 16-19. N=1,004 adults nationwide. Margin of error ア 3.5.)
問:米国はパリ攻撃に対する軍事的反撃に参加すべきか
すべきー73%、すべきでないー23%
問:ISに対する空爆を支持するか
支持―73%、 反対―23%
問:地上軍の派遣
支持―60% 反対―37%
2:大統領候補の反応と影響
これを背景に、共和党においては、強硬発言を行う候補者に支持が集まっている。
まず一時後退気味であったトランプの支持が上昇、
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コメント
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1.今年初めに起きたチャーリー・ヘブド事件では二つのテロが同時に起こったが、その二つの事件に関連性は無かった。今回のパリ襲撃事件では複数のテロに関連性を持たせ次から次に起こるテロにそれぞれ予め用意しておいた「語り」をメデイアに伝達しそれをそのままメデイアは公衆に伝えた。
2.次から次に起こるテロにドラマ性を持たせた。ベルギーまで犯人を追跡するといったアクションを折り込み、一挙にイスラム国爆撃に発展し同時に航空母艦の中東派遣を実行しNATO軍の中東進軍を匂わす手っ取り早さである。続々と繰り出される報に接し公衆は目まぐるしく変化する事象に翻弄されパリ襲撃そのものを忘れてしまう。
3.事件が起こる前にCIA幹部が何をしたか?フランス情報部が事件発生三日前に行った会議で何を話したか?偽パスポートを手掛かりにして犯人の特定を急ぐ愚は一体どうして?テロ対策訓練実施日に何故襲撃が起こったか?フランス警察の犯人追跡システムがその日にサイバー攻撃に遭い手も足も出せなかった無能は何故起こったか?野蛮なイスラム国がサイバー攻撃する能力は一体あるのか?それら基本的な疑問に西側のメデイアは答えを出そうとしないのだ。西側のメデイアは政府の宣伝機関と成り下がっていることを自ら証明している。
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4.パリ襲撃の理解にはイスラム国とは何か?を知る必要がある。イスラム国はCIAの創作だ。もっと具体的に言えば、CIAの現業部門の裏組織なのだ。その行動は暴力そのもの。リビアのカダフィーを惨殺し、今アサド追放に余念がない。西側のメデイアはイスラム国を野蛮な狂人国家として描く。であるが、ロシアの民間機を撃ち落とし、レバノンやトルコで爆破行為を犯し、パリ同時多発テロを起こした。何故かイスラエルだけは攻撃しない。
5.パリ襲撃はイスラム国に何ら利益を齎さない。ヨーロッパの国境閉鎖を招来し、避難民が避難できなくなった。しかもフランスから爆撃を喰らう。NATO軍の侵略を許さざるを得なくなった。イスラム国は損害ばかり。
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6.パリ襲撃は誰の利益になるのか?答えは簡単。ヨーロッパと米国の支配層が利益を得る。最近の中東からの避難民の増加でヨーロッパや米国で民主勢力が力を得て来始めて居る。支配層の立場が揺るがされ始めた。パリ襲撃後、案の定、支配層は異口同音に「パリ襲撃で全てを変えた」を唱えだし、流れを変えようとしている。米国ではドナルド・トランプとバーニー・サンダースが話題をさらっていたが、パリ襲撃後、ニュースにならなくなり、力を失っている。
7.パリ襲撃の大きな成果は西側支配層とワシントンの執拗なアサド降しへの道を作ったことだ。更にフランス、ドイツ、英国の民主勢力(フランスの国民戦線、ドイツのペギダ、英国の独立党)が権力を掌握する脅威をすっかり取り除いた。米国も助かった。今後大統領選でトランプとサンダースが主導権を握れば、支配層は力を失うところだった。パリ襲撃はこれから本格化するアサドの引きづり下ろしに大いに貢献することになる。
8.ローマ人の質問「CUI BONO」(誰の利益の為に?)への回答は上記で明らか。最後に一言、西側のメデイアには上記はタブーなのだ。