缶詰になってるホテルは居心地良いが、古いので隙間風が吹き、流石にデロンギのオイルヒーターを入れた。本当に「還暦」とは言ったもんで、気がつけばあらゆる事が還っている。QN/Kの「told me」の歌詞に書いたが(最初この曲は語順が逆で「#me told」の予定で、いわゆる#mee tooとライミングして、、、、、とか思っていたが、なんとなくやめた)、別れた人たちが皆、生まれ変わって会いにくる。さっき天ぷらを食った。ヤリイカが美味かったが、これは、あの時僕が実家で見た、喧嘩の勢いて空中を飛んで地面に落ちたヤリイカの天ぷらの生まれ変わりだ。
こうしてあらゆるあれやこれや、人だけではない、気がつけば何をやっても、一挙手一投足がダブルイメージで、世界が生まれ変わって僕に会いに来ている。缶詰になる事自体、「歌舞伎町のミッドナイトフットボール」以来だし、というか、僕は易学一般をほとんど信じないが、根本から信じていないわけではない、経絡理論は間違いなく正当性があるし。
なので、60歳を過ぎると、世界の側が、僕の人生を漠然とトレーシングしているように感じている。これはなかったなあ59歳までは。すごい感覚である。
漠然とトレーシング、のニュアンスは伝わりづらいと思う。似て非なるもの、とは違うし、「ここは昔の反復(=過去)、ここは全く新しい何か(=未来)」とかいった、ありきたりな二分法とも違う。去年、昔の病気が再発した辺りから、気がつくと秒単位で還っているのがわかるようになって、発狂したのかと思った。
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<菊地成孔の日記 2024年11月1日記す>
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コメント
台北の写真でしたか!
先週台北に行った際、エビワンタンを探して信義を歩いていたら、偶然隣に菊地さんが紹介されていた燻製の店がありました。鴨の燻製が抜群にうまかったです。ワンタンも肉体労働者が集まって、薄味なのにうまそうに食っていました。また菊地さんのアジアでの飲食の話も聞きたいです!
還暦って本当に還ってくる暦なんですね。
しかも、感情の形が変わるってヤバいですね笑。
私はあと19年後ですが、還暦を迎えるのが楽しみになりそうです。
AIで執筆も写真も、なにもかもやれちゃいそうなこの令和に、缶詰になってるのは貴重ですね。
コロンボハイに気をつけてください笑。
>>9
あ、私は女性です(^^)
自分では男性性の割合が多めの女性だと思っています。
あまり自分が書く文の性がどう見られるかについて考えた事もなかったので意外でした。
今回の日記はいつもよりマイルドというか、菊地さんがよく仰る「ポテンツ」が少なめだったのでは?と個人的には感じています。
私自身は他であまり聞くことのないマルタの話題だったので(菊地さんが行かれたのは著書で読んで存じていたのですが)、思わず反応した次第です。
私がマルタに行ったのは短期の語学留学が目的で、(滞在費が他と比べてダントツで安く、バイト代で行けるからと決めました)何の事前知識もなく行ったのが悔やまれます(といいつつカラヴァッジョの絵についてはガイドブックで読んだ気がしてきました)。
大聖堂のモザイク絵とか内部の写真を見ていたら確かに行ったなと記憶が蘇りました。
現地で色んな人と遭遇した記憶ばかりで、当時の私からしたらそっちの方がずっと刺激が強かったんだと思います。
イタリア人とマルタ人はおのおのの言語で会話できるっぽかったですね。語学学校のクラスにイタリア人が沢山いました。みんなイメージ通りのイタリア人でした笑
NY然り、もっとお金と知識と行動力があったらもっと楽しめた事でしょう笑
SNSについてはちょっと違いますが、最近「どうせ嫌われてるんだからどう思われるか気にする必要なくね?」と開き直り始めた所です。
菊地さんの返信を読んで答え合わせができた気がしました。
コロンボはぜひ見てみようと思います。
(ID:45178820)
最近仕事の関係で、初めてSunoで数曲作ってみました。作曲経験というのはまるで無かったのですが、「タイムマシン」や「過去」とかそんなフレーズを幾つか入れるだけで30秒ほど待てば曲が出来るというのが、もう本当に夢の世界の出来事のようでした。確かに「デギュスタシオン・ア・ジャズ」に音像が似ている感じがしますね。最初はそんなことにも気付かず、ただただ「すげー」と口を開けるばかりでした。
そして話は変わりますが、コロンボ本とても楽しみにしております。
小中学生の頃に推理小説にハマり、その流れでコロンボの二見文庫小説版を買い漁って読んでいました(コロンボにたどり着いたのは古畑がきっかけだったかもしれませんが)
昔は、コロンボを好きなときに好きな話をドラマで見る術が無かったので、個人的にはどちらかというと小説のイメージが強かったです。
もう長いこと読んではいないのですが、当時強く印象に残ったのは倒叙から外れた「さらば提督」でした。
菊地さんの影響で熱が再発し、最近Blu-rayボックスを買ったので、小説のおぼろげな記憶との擦り合わせと言う意味でも全話ゆっくり見つつ本を楽しみにしようと思います。