2015年8月から最強戦CHで配信されている「近代麻雀プレミアリーグ後期」の各節レポート

後期より月１回で２節を一気に生放送するシステムに変更した近代麻雀プレミアリーグ。今回の出場選手は前期から連続出場となる小林剛・鈴木達也・藤田晋・佐々木寿人、さらに後期より出場の村上淳・滝沢和典・鈴木たろう・和久津晶の８名となった。

第3節B卓は、起家より村上・寿人・藤田・小林の並びとなる。


先行したのは村上。

メンホンテンパイから絶妙な切り変えをみせた。


このテンパイから出たに素早く反応。打で高め満貫の待ちへチェンジ。


すぐにをツモって1300・2600のアガリとなる。

だが、これ以降、誰も大物手を決める展開とならず、のみ手とノーテン罰符のやりとりのまま南２局を迎える。ここで「鳴きのスペシャリスト」小林が、独特のバランス感覚で仕掛けてきた。

私自身、仕掛けが苦手なタイプであり、小林の仕掛けを参考にするところが多いのだが、今回はそのお手本ともいうべき鳴きを披露してくれた。



まずをポンして打。ここは多少はホンイツも見ているだろうが、一番の狙いは字牌を残して守備力低下を下げることだろう。この後、を引くがこれもツモ切り。これも小林ならではのバランスだ。カンのロスより安全を優先させたのである。


そしてポン材の増えるを残した後、ツモ。ここで皆さんならどうするか？　場をよく見ると、全員がを捨てていて完全安全牌。ということで、小林は打とした。場にマンズが安いので引きはかなり期待できそうな状況。かといってを残すのは危険が伴う。だからこの一打なのである。

その目論み通りを引いた小林は完全イーシャンテンに構え、藤田から出たをポンして待ちテンパイを果たす。


結果的にこの局は流局となったが、１人テンパイでトップ目に立つという小林にとって最高の形で終わった。手牌の安全度を極力落とさず、流れるようなテンパイを入れる小林の打ち方は、仕掛けが苦手な人にとってのお手本といえるものだろう。

小林はラス前も食い一通を決め、連荘中の藤田の親を流す。




オーラス、なんとここまで1000点とノーテン罰符だけで小林がトップに立っている。そこへラス目・寿人がリーチ。



ツモればラスから一気にごぼう抜きとなる手だったが、3着の村上からロン牌が出たとなれば見逃すわけにもいかない。


これで3着4着が入れ替わりとなり、小林・藤田のワンツーで対局終了。


小林「これだけ長い麻雀キャリアの中でも、1000点だけでトップになったのは記憶にありません」

というほど珍しい半荘となった。

そんな小林の上家に座った藤田はさぞストレスの溜まるゲーム展開だったに違いない。

藤田「ほんとコバゴーさんがウザ強くて参りました」

第3節B卓結果
小林+52.1　藤田+8.1　寿人-17.8　村上-32.4

終了時のトータルは


となっている。藤田はポイントを少し伸ばし、これで首位に。ただ、プラスもマイナスも3桁になっている人がおらず、残し５試合でこの並びが大きく変動する可能性もある。特にプラマイ0付近の打ち手にとっては一戦ごとにシビれる対局となるはず。そこをどう戦っていくのかにも注目したい。