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ラブリーデイV 歴史的豪脚32秒3/京都大賞典

2015/10/13 13:36 投稿

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<京都大賞典>◇12日=京都◇G2◇芝2400メートル◇3歳上◇出走10頭

 どこまで強くなるのか。宝塚記念の覇者ラブリーデイ(牡5、池江)が秋初戦で新境地を開いた。中団待機から自己最速となる上がり32秒3の驚異的豪脚を発揮。課題とされた瞬発力勝負も距離延長も克服して重賞3連勝を決めた。次戦の天皇賞・秋(G1、芝2000メートル、11月1日=東京)へ向けて視界が広がった。

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京都大賞典に勝利したラブリーデイ(左)(撮影・奥田泰也)


 白い星のある額が、馬群を突き割ってきた。速い。秋風を切り裂き、突き放す。強い。究極の瞬発力勝負を制し、ラブリーデイが重賞3連勝を果たした。川田騎手は「馬群の中でも上手に走ってくれて、安心して追走できました。これだけの速い上がりでも、しっかりつかまえてくれました」と胸を張った。宝塚記念の先行策から一転しての中団待機。新境地を開く競馬で、秋の好発進を決めた。

 歴史的豪脚だった。上がり3ハロンは驚異の32秒3。京都芝1800メートル以上では歴代最速だ。開業から11年7カ月12日の歴代最速(従来の1位は角居師の12年6カ月22日=グレード制導入の84年以降)となるJRA重賞50勝目を飾った池江師は「速い上がり(のレース)が苦手だったのにね。距離も宝塚記念(2200メートル)がギリギリと言っていたのにこなしてくれた。抜け出してもソラを使わなかった。本当に進化している」と舌を巻いた。5歳秋にして、その成長力は周囲の想像を超えている。

 超一流馬たちに肩を並べようとしている。今年だけで重賞を5勝。00年以降ではテイエムオペラオー、ディープインパクト、オルフェーヴル、ジェンティルドンナ、ゴールドシップに続く6頭目の快挙だ。デビュー時は名門厩舎にあって目立たない存在で、スタッフにも「ふざけたところがある」と評価されていなかった。3年余りでキャリア24戦を積み重ね、今や堂々たる主役候補だ。鞍上も「春にG1を勝って強くなったことをあらためて証明できた」と称賛した。

 王道G1・3連戦へ、状態面ではさらなる上昇が見込める。レース前にパドックで馬体を見たトレーナーは、赤いゼッケンの下に物足りなさを感じたという。「おなかまわりに余裕があって、まだ75~80%ぐらいだと思った」。もともとは、たたき良化型。宝塚記念も中2週で制した。次戦の天皇賞・秋に向け、あと「20~25%」の上積みがあるとすれば、その視界はどこまでも明るい。【太田尚樹】

 ◆上がり3ハロン32秒3 記録が残っている86年以降、1800メートル以上のJRA重賞の勝ち馬で2位タイ。1位は08年新潟大賞典でオースミグラスワンが記録した31秒9。12年新潟記念でトランスワープが32秒3を記録している。

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