日曜阪神メーンの菊花賞トライアル神戸新聞杯(G2、芝2400メートル、27日=3着まで優先出走権)に、ひと皮むけたアルバートドック(牡3、松田博)が出走。春はあと1歩のところでクラシック出走を逃したが、松田博師が「春と比べて体が締まってきた」と評するように大きく成長。来年2月で定年を迎える師にとってはラストクラシックへのステップ。春実績断然のリアルスティール(牡3、矢作)にどう挑むか。

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松田博師が「体が締まった」と期待するアルバートドック

 8月下旬に帰厩後、アルバートドックはCウッドで順調に追い切りを重ねてきた。1週前追いでは、ライトファンタジア(3歳1000万)に余裕残しで頭差先着。日曜はいっぱいに追われ、レッドアルティスタ(3歳1000万)に1馬身先着。6ハロン84秒1-12秒2をマークした。

 松田博師は「順調にきているよ。もともと安定感はある馬だったけど、体が締まって競走馬らしくなってきた。春は攻め馬もそれほど動かなかったけど、だいぶ走れるようになったな」。その春は毎日杯0秒1差4着、京都新聞杯でも0秒1差3着と、惜しくもクラシック戦線に乗ることができなかった。しかしダービー前日に行われた白百合Sを制し賞金を加算。その後の放牧で、馬が大きく成長したという。

 この馬の持ち味は、やはり父ディープインパクト譲りの瞬発力。白百合Sでは、上がり33秒1の鬼脚を繰り出して差し切り勝ち。今回の阪神芝2400メートルは、ゆきやなぎ賞を勝ったときと同じ条件。師は「折り合いも心配ないし、体が丈夫になって実が入ってきたからな。楽しみは大きいよ」と期待する。

 数々の名馬を育て上げて、来年2月に定年を迎える名伯楽が、最後のクラシックに挑む文字どおりの「最終兵器」。まずはトライアルでどんな走りを見せてくれるのか。春の実績断然で、1番人気ほぼ確実なリアルスティールとの真っ向勝負に挑む。【中上博】