<関屋記念:追い切り>

 今週新潟のメーン、関屋記念(G3、芝1600メートル、16日)の追い切りが12日、行われた。勝てば最終戦を待たずに今年のサマーマイル王を決めるスマートオリオン(牡5、鹿戸)は美浦ウッドでの3頭併せ。4ハロン52秒1-12秒8をマークし、好調ぶりを披露した。春までは短距離路線を歩んでいたが、ここ2戦は距離を延ばして連勝。一気に充実期を迎えている。

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スマートオリオン(手前)は3頭合わせで追い切られる(撮影・山崎哲司)

 楽な手応えでスマートオリオンが上がっていく。前を行くレッドルシアン(古馬500万)、レッドヴィーヴォ(障害未勝利)の2頭を、直線で最内から捉えにかかる。ラスト12秒8と鋭く伸びて中ルシアンに半馬身先着、外ヴィーヴォには併入。前走の中京記念勝ちから中2週も、気合と力はたっぷりと残っている。

 「前走後、肉体的な疲れがあったので、それを取りながらの調整。でもレース直後から精神的には元気いっぱい」と高橋助手。充実期を迎えつつある要因となったのは、不運な除外だった。6月21日の函館SSに登録したが、賞金が足りずに除外。そのため翌週、約2年ぶりの1400メートル、パラダイスSに回らざるを得なかった。そして勝った。

 高橋助手は「1200メートル戦だとスムーズさに欠ける面が出てきていた。ズブくなっていた。それで逆に距離が持つようになった。いい感じで(距離を)切り替えられた」と振り返る。その勢いに乗り、サマーマイルの第1戦、前走の中京記念を勝った。今回勝てば3戦目を待たずに優勝が決まる。「前走のように好位から正攻法の競馬ができれば」とレースをにらむ。不運をチャンスに変えるツキと実力が、今のスマートオリオンにはある。【三上広隆】