<新馬戦情報>

 新馬戦ジャックだ。小島太厩舎が今週土日の札幌新馬戦に、有力2頭を出走させる。日曜の芝1800メートル戦にはメイショウアンカー(牡、父エンパイアメーカー)、土曜の芝1500メートル戦にはメイショウボーテ(牝、父シンボリクリスエス)がスタンバイ。ともにここに向けて好仕上がりで、この夏の厩舎の勢いなら、連勝も十分に可能だ。

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小島太厩舎が、札幌新馬戦に出走させるメイショウボーテ(左)とメイショウアンカー

 今週の札幌新馬戦の主役は小島太厩舎のメイショウ2騎だ。メイショウアンカーは6月の美浦入厩から函館→札幌と入念に乗り込まれてきた。7月22日には坂路で53秒8-13秒6をマーク。これはこの日の2歳NO・1で、全体でも4番目の好時計だった。

 札幌入り後の今月9日には今週のコスモス賞に出走する格上馬をダートで5馬身追いかけ、全くの馬なりで併入。随所に潜在能力の高さを見せている。小島良助手は「まだ1頭になると物見をしたり、左右のバランスがもうひとつだったりするけど、動かすと(想像以上に)動く。母馬のいいところを受け継いでいる」と目を細める。

 母メイショウマリアは同厩舎で3勝も、慢性的な脚部不安で素質を生かし切れなかった。小島太師も思い入れの強い1頭で、アンカーが生まれた直後から大きな期待をかけてきたという。同助手は「偶然だけど、デビューする週と武豊さんが札幌に来るタイミングが重なったのも良かった」と母の初勝利でも手綱を取った名手を鞍上に迎えられた運の強さも強調する。

 一方のメイショウボーテも負けてはいない。美浦にいる当時はさほど目立たなかったが、約2週前の札幌入り後に急上昇。コース調教が合ったようで、「体が使えるようになってきて、フットワークが良くなった。牝馬だから気性的にも前向きだし、もう仕上がっています」(同助手)。こちらは藤岡康騎手が騎乗する予定だ。

 同厩舎はこの夏の北海道(函館、札幌)で先週まで11頭を出走させ、ダービーフィズで函館記念を制すなど【3 2 3 3】と抜群の成績を残している。勝率27・3%、連対率45・5%、複勝率はトップの72・7%(出走5回以上)というハイアベレージ。同助手も「今のうちはいいですよ」と自信をのぞかせる。厩舎の勢いそのままに、新馬戦連勝も決して夢ではない。【栗田文人】