片岡義朗ブログ

再掲「ファントム」城田優くん2014/10/13@梅田芸術劇場

2016/10/29 11:59 投稿

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2014/10/23

1:22 am

「ファントム」を観た。城田優くんの成長を観てきた。
歌にも演技にも、もともと技術は持っている、
そこではない部分のなにかしらの彼の人間の成長が、十分に発揮されていた。

2幕後半の吉田栄作さんとの親子の会話のあたりに城田くんの人柄が表れているように思え、
そうだ彼ってもともと優しい人だったんだと思いだした。
演技の前に人格がある、俳優はその人の人柄のある部分を使って舞台上の人格に近寄るか、
役柄の人格を自分に近づけるかの作業を、役者はする。
その意味では、この部分の二人の会話は城田くんが役柄を自分にひきよせたことが分かる格好の場面だった。

1幕での彼の怪人をどうにかしておどろおどろしい人に見せないようにしようという演技には、
やや無理がある、そんなに軽くしなくていいんじゃない、と思ってみていたけど、
2幕後半になりこの悲劇をただの悲しい物語だけでなく、
一人の心優し人間の物語にしたい、と考えた挙句の彼の怪人の人格の作り方だったのだろう、と思い至った。

幕が下りた後、この親子の会話の部分でこの物語はほぼ完結していたと思った。
この後の物語の大団円場面は別になくてもよかったぐらいだった。
この悲劇には物語に救いがない、でもこの舞台には親子が心通わせたところに救いがあった、
僕はあの場面でホッとした。
それで十分な物語だったように思う。

城田くんは怪人の暗いネガティブな心情をあえて比重を下げてやってみた、
そうしたら、親子の物語の部分に優しい男の子の部分が色濃く出てそこに救いが出た。
計算でやったとしたら大したものだと思う。別に計算しなくてできたらそれもすごい。

終演後、楽屋を訪ね久しぶりに彼と会話した。
2代目の彼が出演し白いタキシードで卒業したドリライ3rd以来かもしれない。
一度、彼と柳浩太郎くんが共演した青山劇場の芝居を観に行ったけど、
その時は柳と戯れるのに時間かかって城田くんとは会話できなかった。

すごく進化してるね、と言ったら、
そうでしょう、とはにかみながらの応えがあり、
でもある意味当然だよね、もう9年も経ってるし、頑張ったんだね、
そう言ってもらえてうれしいです、
このまま続けて行ってね、期待してる、
やりまーす、と会話が続いた。
柳と会ってる?
会ってますよ、食事してます、
そうだね僕のとこにも時々電話かかってきて、メシ食わないかってね、
そうなんですね、と、
二人でつい笑ってしまい、笑顔で握手して別れた。

梅田芸術劇場を後に、本場大阪の焼肉をおいしく食べられた。

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