2010/02/13

12:05 pm

昨日、馬場徹くんの芝居を見てきた。
新橋演舞場の「飛龍伝2010ラストプリンセス」だ。
つかこうへいさんは大好きな作家・演出家で今までもたーくさん観てきている。
そのつかさんに馬場くんが出演するというのだ、何としても見逃すわけにはいかない。
公演が発表された日に馬場くんの誠実なマネージャーHさんにチケットをお願いした。

このお芝居はやっぱりとっても面白い。
これも今まで何度も観た芝居だ。
でも特にこの芝居は、演ずる役者さんによって台詞や設定や語り口も変化する。
今回は、黒木メイサさんが主演で肉感的な主人公ができていた。
毎回観るたびに新たな面白味がある。

物語は、全共闘運動盛んな1970年代初頭、
全国全共闘40万人を束ねる女性委員長、
と彼女を愛してしまった警察機動隊〃長、全共闘作戦部長3人の物語だ。
馬場くんは全共闘日大沖縄の委員長、
東海村の原子力発電所の大事故に、
部隊を引き連れ漏れた放射能の除去作業に突撃し敢え無く戦死する、
理想の国家を作るため、その国民を守るために殉ずる、という役どころだ。

馬場くん、かっこいい、文句ない。
一言の台詞が鋭い、大量の台詞全てにも気迫がこもる、
立ち居振る舞いどの瞬間にも通る緊張感、
気持ちの昂ぶり伝わる目線の確かさ、
どの部分観ても気持ちがよい。
日大全共闘の看板を背負う気負い、
黒木委員長の命に従う組織の一員の透明感、
20万人が戦死した沖縄に対する誠実さ、
決意を持って死に向かう悲壮感、全て表現していた、満点だ。
俳優として課された課題に完璧に答えている。

この物語、全共闘世代ど真ん中、僕の学生時代の空気を思い出させる。
運動の中、友人が闘って死んだのは悲しい現実だ、その友人は母一人子一人だったのに。
つかさんが突き付けている、まじめに国家を考えて真剣に運動やったのか、
弱い者のためと言いながら人生賭けてそこ考えていたのか、
みたいなことはそのまま僕の学生時代の問題意識に重なる。
刺さるのです、この芝居僕の心に。

楽屋で久しぶりに会話した。
すごいね、あのテンション、素晴らしかったよ、と声をかけた。
そうなんです、テンション上げて舞台にいて、
思いっきり台詞言って袖に帰ってきて、
テンション下がらないんです、頭に血が上ったまま。
あーっ、なんか鼻血が出てくるって気がするんです。
こう鉄分の匂いがただよってくる感じなんです。
すごいよ、客席に十分伝わっているよ、それ。
でもなんか厳しいこと言ってください、
うーん言うことない、あえて言えば、
喉を傷めないために、台詞の発音の調音点、
もう少し口蓋の奥に持って行ったほうがいいんじゃない、
この芝居に関係ないことなのに、
とそのぐらいしか思いつかなかった。

もうひとつ、
プログラムのばーちょんの経歴に
「テニスの王子様」「花ゲリラ」って書いてあった、
こういうのもとっても嬉しい。