とはいえ、鳩山に同行した私や新右翼団体「一水会」の木村三浩代表、それに昨夏にクリミアを訪れて「ロシアの実効支配の下でクリミアは平穏」などと最近の週刊文春で2回続きのレポートを書いた池上彰などは、とくに名指しの攻撃に遭っているわけではない。やはり「元首相たるものが政府の方針に逆らう言動をするのはけしからん」というに尽きるのだろう。しかし、民主党政権の首相だった彼が自民党政権の言うとおりにしなければならないという法はないし、むしろ「元首相であって今は一民間人」であるからこそ膠着しきった日露の外交関係改善の糸口を政府とは別の角度から探るという役割もあって、それはまた1つの責任の果たし方なのではあるまいか。米大統領を辞めてからのカーターが、北朝鮮はじめ難しい国や地域を訪れて解きほぐし役を務めている例もある。総じて日本の外交は建前ばかりにしがみつく「一枚板」でしかなく、建前はそうでも一枚めくるとちゃんと裏パイプでの本音ベースの模索は続いていて、さらにもう一枚めくると最後の落とし所は密かに用意されているという具合に、どの国も二枚腰、三枚腰でやっているのが外交というものである。
とりわけウクライナ危機とクリミア問題をめぐっては、日本では、米欧の立場から見た「ロシアが悪い」一本槍の情報しか流れておらず、安倍晋三首相はせっかくプーチン大統領と親交を積み上げて北方領土問題を打開するチャンスを手にしておりながら、極めて安易かつ軽率に米欧の対露経済制裁に馳せ参じてしまい、身動きがとれなくなっている。西側の言い分はそうとして、ではロシア側はどういう言い分で、現地の実情はどうなのかを探りに元首相が出かけて行くというのは、まことに常識にかない国益に沿ったことだと思うのだが、それが通じないのがこの国だ。なお鳩山、木村、私ほかの共著『ウクライナ危機の実相と日露関係』(花伝社)が今週発売されたので是非ご一読頂きたい。▲
( 日刊ゲンダイ3月19日付から転載)
【関連記事】
■<インタビュー>鳩山由紀夫:クリミア訪問の真相─日露関係改善のための民間外交を(15.03.20)
http://ch.nicovideo.jp/ch711/blomaga/ar754199
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<高野孟(たかの・はじめ)プロフィール>
1944 年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレ ター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェ ブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊。2002年に早稲田大学客員教授に就任。05年にイ ンターネットニュースサイト《ざ・こもんず》を開設。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。
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THE JOURNAL編集部
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コメント
>>121
プッ
売国ネトウヨが開き直りかよwww
売国な分際で愛国心とかほざくんじゃねーよカス
お前らみたいな売国ネトウヨ=親米サヨクの属国根性奴隷は日本の癌。
>>122
何だか現在の沖縄県知事みたいだなこいつ
とっとと大陸か半島へ帰れ。そして二度と日本に関わるな
ロシアの固有の領土だってさ、クリミアはwロシア人だけのものらしいw
元首相の肩書きいらね、とか言いながら、首相の言葉は大変重いとか言うし
ふざけてる人と正気じゃない人以外は拒みたくなるわ、この軽さじゃ
いつまでも他人事の理想論で勇ましさや優しさを競ってるけど、誰の為だよ
地力が整ってない独立とか亡国の道だけど、亡くても良い人は軽薄なもんね
(ID:18367902)
鳩山首相は、日本国内では認められないが、国際的に評価の高い政治家と言えます。
鳩山氏が活躍し、首相、外務大臣、外務省の無能力ぶりが、あぶりだされては立場がないのでしょう。無能力呼ばわりされるのが、いやであれば、「まじめに外交活動をしろ」と言いたい。嫌な相手とは話をしないでは、大人ではなく、子供でしかない。日本の特異性がまた注目され、危険な国扱いされることになる。