ビュロ菊だより

<菊地成孔の日記 2021年7月26日午後5時記す>

2021/07/26 22:00 投稿

コメント:40

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 阿部一二三は金メダルが確定した瞬間から一礼をしてインタビューブースに入るまでほとんど発汗しておらず、インタビューの途中から滝のような発汗が始まり、インタビュー内容が固いものからリラックスしたものにソフトランディングする辺りでバケツで水をかぶったかのような大量の発汗を始めた。

 

 僕は性的には一番狭いヘテロセクシュアルだが、阿部のこの発汗のあり方には性的な興奮を覚えた。発汗フェチとかではない。卑近も甚だしい例で申し訳ないが、僕が壊死性リンパ結節園で臨死体験をした時、発熱が41度を超えると、肌がパサパサにまでなる。動脈(静脈ではない)に解熱剤を注射すると、1時間で36度になる。37度まではパサパサのままだ。36度になった瞬間、ベッドの上でバケツから水をかぶったかのような発汗があり、そのたび僕は失神した。また、性行為の中でオルガスムスの後まで汗腺が完全に閉じてしまう女性を何人か覚えている。彼女たちは皆オルガスムスの効果が激しく、しかし汗腺が閉じてしまうので、オルガスムスに向けて、肌がサラサラになる。絶頂を迎えた直後から、リラックスタイムに向けて水をかぶったように汗が噴き出す

 

 この代謝システムに関して、僕は畏敬の念のようなものをもっている。命がけのことなのだ。命がけのことが終わったのだ。

 

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コメント

>>34
ご回答ありがとうございます。
痛みとの和平を頭に置いて復習します。
更新気長にお待ちしています!

No.40 39ヶ月前

>>36
ブラックセインツの他の可能性ですが、私は詳しくはないので分かりかねます。

ただ余興として妄想するのは、永眠の地がメキシコとなったミンガスのこと、ブラックセインツに関する理解を南から照射すると、
黒い聖者=グアダルーペ
罪ある女=マリンチェ
と勝手に解釈してみます。

グアダルーペは、ラテンアメリカ最大の聖母。カラードのマリア。すでにバチカンを超える信仰を集めております。
そして、マリンチェは先住民でありながら征服者エルナン・コルテスの協力者、通訳にして、最初の混血の子供を産み落としたメキシコ最大の裏切り者。新大陸の血が、Chingar(犯された)というところから始まる契機になった人物です。

全く関係ありませんが、明日からミンガスが眠りについたクエルナバカにバケーションで行く予定です。

ジャズ喫茶映画館、日本に戻った際は是非行ってみたいと思います。
最近はラ米もSF作品が勃興しており、魔術なのかSFなのか判別のできない世界が繰り広げられております。

No.41 39ヶ月前
菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>41

 おお、マリンチェに関して非常にわかりやすくてシンプルなコメントありがとうございました!クエルナバカはミンガス(と、ギルエヴァンス)の死地として名前を知っているだけなので、空想を楽しみます。ギルエヴァンスは「太陽に連れて行ってくれ」と云うのが遺言です。

 SFが「勃興している」と云うのは凄いですね!アフリカのSF界もちょっと前に勃興して笑、やはり魔術なのかSFなのか、単に純文学なのか判別できません笑。よきヴァケーションを!

No.42 39ヶ月前
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