朝日新聞が吉野作造の民本主義について書いていて、
面白いのだが、「グローバルな目」という表現が間違っている。
そこは「インターナショナルな目」と書くのが正解だろう。

さらに民本主義の解説で、「天皇主権の当時において」
と書いているが、明治憲法は「天皇主権」ではない。

これってもはや迷信みたいなもので、誰もかれも
戦前は「天皇主権」と思い込んでいる。

大日本帝国憲法の第一条の「天皇之ヲ統治ス」は
「シラス」が本意であって、「ウシハク」ではない。

これを知らないから、天皇主権と間違うのだ。
天皇に主権があるなら、日露戦争も、支那事変も、
日米戦争も、天皇は反対だったのだから、
戦争にならなかったはずじゃないか。

わしの『天皇論』を読めば分かるのだが、
漫画だからなめていて、読もうとしない。

世間というのは未だにこういうもので、漫画は
正しい知識が書いてあっても信用せずに
読もうとしない。

新聞は間違った知識が書いてあるのに、
信用されて洗脳される。

美濃部達吉が天皇機関説論争で、統治権は
法人としての国家にあるとして、天皇大権の行使には
国務大臣の輔弼が不可欠としたのが正解で、
昭和天皇も「美濃部の説でいいじゃないか」と
言っておられる。

吉野作造が「民主主義」と言わずに、
「民本主義」と言ったのは、まことに慧眼で、
「国民主権」がおかしいと気づいていたからだ。

この理屈がなんでわからないのだろう?
わしの『天皇論』を読みなさいよ。

文庫天皇論

 

 

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