お待たせしました! いつもなら月末に配信予定だったエッセイ連載「男と×××」ですが、井上敏樹先生が忘年会シーズン突入につき、少し遅れての配信となります(連載を楽しみにしていただいた読者の皆様には誠に申し訳ございませんでした……)。さて、今回のテーマは、好評の「男と女」第3弾です!
井上敏樹の書き下ろしエッセイ連載「男と×××」
これまでの連載はこちらから。
▼プロフィール
井上敏樹(いのうえ・としき)
井上敏樹(いのうえ・としき)
1959年埼玉県生まれ。大学在学中の81年にテレビアニメの脚本家としてのキャリアをスタートさせる。その後、アニメや特撮で数々の作品を執筆。『鳥人戦隊ジェットマン』『超光戦士シャンゼリオン』などのほか、『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー龍騎』『仮面ライダー555』『仮面ライダー響鬼』『仮面ライダーキバ』など、平成仮面ライダーシリーズで活躍。2014年には書き下ろし小説『海の底のピアノ』(朝日新聞出版)を発表。
▲井上敏樹先生が表紙の題字を手がけた切通理作×宇野常寛『いま昭和仮面ライダーを問い直す[Kindle版]』も好評発売中!
【関連動画1】
井上敏樹さんも生出演したPLANETSチャンネルのニコ生です!(2014年6月放送)
【関連動画2】
井上敏樹を語るニコ生も、かつて行なわれています……!仮面ライダーカイザこと村上幸平さんも出演!
男 と 女 3
井上敏樹
さて、理想の女である。
理想の女、などと聞くとなにかしら矛盾めいたものを感じるのは私だけであろうか? 女は女がゆえに決して男が描く理想には達し得ず、もし達し得る女がいたならそれは女ではない。おそらくは物の怪の類であろう。
しかし、まあ、難しく考えなければ理想のタイプについての話は天気の話題と同じぐらいいつの世にもそこら中に氾濫している。そして天気の話と同じぐらい意味がない。明日にならなければ明日の天気は分からないように、実際に付き合ってみて初めて自分の好みに気づいたりする。
私の好みを言えばただひとつ、美人である事だ。非常に分かりやすい。詩人のボードレールも女は若くて美人でなければ無価値であると言っていた。これは見識が低いように思われるかもしれないが、実はそうでもない。女性に絶望した男が最後に辿り着く価値基準なのだ。女は信用できない、が、その外見は裏切らない、というわけだ。ここに至るまでに男は遠い旅をする。金のかかる旅だ。
私は以前、物凄い美人を愛した事がある。女は殺人者だった。私は気にしなかった。同棲相手のやくざ者を刺し殺し車で山に運んで埋めたのである。結果、八年の実刑をくらった。
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