「流行語大賞」は「テレビ業界が無理矢理
流行らせたかったで賞」に改名すべき!
――宇野常寛「THE HANGOUT」
12月1日オンエア書き起こし
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2014.12.8 vol.217
http://wakusei2nd.com

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大好評放送中の、宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。毎週月曜日は、前週分のオンエアの全文書き起こしをお届けします!


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▲前回放送はこちらでもお聴きいただけます!
 
 
■オープニングトーク
 
宇野 時刻は午後11時30分を回りました。みなさんこんばんは、宇野常寛です。最初に、この「THE HANGOUT」のリスナーの皆さんに、J-WAVEのスタッフに、そして、木曜ナビゲーターの蔦谷好位置さんにお詫びがあります。私、宇野常寛は、先週木曜日この「THE HANGOUT」の裏番組に出てしまいました! 本当に申し訳ございません。

さすがに名前は申し上げませんが、あるジャーナル系の番組です。パーソナリティーとゲストのセッション的な議論を楽しむ、ある番組のプロデューサーに頼まれて、つい出演しちゃいました。このプロデューサーの方も、パーソナリティーの方も昔からの友達で、LINEでカジュアルに「宇野くん、木曜出る?」みたいな話を貰った瞬間に「あっ、いいっすよー」と、何も考えずに答えてしまいました。

そこで、反省の意を込めて、僕は約束します! 今度ですね、むしろこっちの番組にやつを出します。チキチキっと出しますよ、本当に。某局の帯番組のパーソナリティーを務めているやつを、こっちの方に引っ張りだしてきます。僕もカジュアルにLINEで「ちょっと出ようよ」「六本木ヒルズとか超楽しいよ」みたいな感じでね。(六本木ヒルズには)いろいろお店も入ってるし、みたいな感じでね。僕がそうやってカジュアルに誘って、こっちの番組に出したいなあというふうに思っています。

もしくは、わたくし宇野がですね、「THE HANGOUT」木曜日の蔦谷さんの番組に、何らかのかたちで埋め合わせをしたいなと思っています。ダブったガチャポンとか、とある事情でうちの事務所に大量に余っているCDとかね。なんか知らないんですけど、うちの事務所って同じCDが何十枚もあるんですよ。ちょうど一昨日くらいにも届いたんですけどね。それを蔦谷さんにプレゼントするとか、すでにお詫びの準備は万全なので、何らかの形で埋め合わせができたらいいなというふうに思っております。それではJ-WAVE「THE HANGOUT」今夜は反省モードでスタートしたいと思います。

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宇野 J-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」。月曜担当ナビゲーターの宇野常寛です。いやー、もう本当に、何も考えずにサクッと裏切っちゃいましたね。六本木を裏切って、赤坂っぽい所で何かをやってきたっていうね。何をやってきたかと言うと、社民党の党首と議論してきたんですよ。皆さん知っていますか? 社民党ですよ。いま滅びかけている、あの社民党ですよ。 夏の陣直前の豊臣家みたいな状態にある社民党さんですね。

それで、社民党の党首さんがいるわけですよ。増税反対、集団的自衛権反対、とにかく何もかも反対! みたいなね。もちろん、まあ確かにそうだなって思うところもあれば、いやちょっと違うんじゃないのってところもあるんですけど、僕の考えではいま社民党とかに必要なのはそういう問題じゃないんですよね。これは社民党に限った事じゃないんだけど、いまのリベラルっぽい人って、守るべきところを見失っていますよね。例えば労働組合って、大きい所いっぱいあるけど、ほとんど大企業の正社員の味方ですよね。で、僕に言わせればそんな人たちは、弱者でも何でもないですよ。前の都知事選の結果とか見てもそうで、世田谷区とか、渋谷区とか、どっちかっていうとお金持ちのインテリが住んでいる地区でリベラル派が強いんですよ。革新系が強いんです。もうねこれ、要するに今の日本において、リベラルっていうのはインテリの趣味と自分探しなんですよね。こうちょっと繊細なイメージで見られたい人のファッションなんですよ。これじゃね、勝てるものも勝てないですよね。

だから僕は、党首さんにこう提案したんですよ。社民党はどうせ政権取れないし、放っておくと5議席下回って政党要件を満たせなくなるんだから、もうアベノミクス批判とかは、他に任せとけばいいと。それで、他の大政党が問題にしないような事を国会に持ち込むためのユニットになるべきだと言ったんです。例えば就活の問題や、サブカルチャーの表現規制の問題っていうのは、若者の関心が高くても、票田にならないから、大政党はそこまで一生懸命に取り組まないんですよね。もちろんやっている人はいっぱいいますけど、そこまでメインテーマにはしてくれないんです。

だから、これからの社民党っていうのはね、こいつらを滅ぼさずに5議席くらいは適当に与えておけば、細かいいろんな問題もスル―されないように頑張ってくれるっていう空気をいかに作るかが問題だって話をしたんですよ。そのために今の、ポジティブに言えば身軽になった社民党は動きやすいはずなんです。共産党みたいに中途半端に組織が大きくて、がっしりしていると、たぶんこんな柔軟な事はできないし、フットワークも軽く動けないんですよね。共産党はほんとに、もう銀河帝国みたいにクローズドな組織体質ですしね。それに比べれば、社民党はまだオープンなんでね、あくまで比較的ですけど。社民党みたいなところは、地方やネットからマイノリティーの声を拾って、それをオープンな形で国会に持ち込むシステムを目指すべきなんですよ。お金の流れも意思決定も全部ネットでオープンしてやればいいと思うんですよね。逆に、今ぐらいの小さい図体だからそれが出来ると思うんです。同じ事を民主や自民にやれって言っても規模的に結構難しいですよ。

なのでまあ、いま僕が言ったようなことを実行してくれるんだったら、べつに社民党じゃなくてもいいんですけどね。実際僕は、自民党の石破茂さんと共著があるような人間ですしね。僕の考えていることとか、今の世の中に必要だと思っているような事を聞いて、なんか僕の発想とかアイデアを活かしてくれるんだったら、僕は誰にでも力貸しますし、どこの政党にも出かけて行こうと思っています。

よく、「お前は石破茂と共著があるくせに、何でそんなリベラルの味方ヅラしてるんだ」とか「節操がない」とかよく言われるんですよ。でも僕のスタンスは、僕の知恵を必要としているとこだったら、どこにでも出かけて行く、ということなんです。それで調子に乗って赤坂まで行っちゃったわけなんですけどね。その点に関しては非常に反省しております。もちろん、僕の大本命はこの六本木のJ-WAVEです!

はい、この番組はですね、夜更かし族のみなさんの溜まり場です! ツッコミや質問も大歓迎。みなさんの積極的な参加をお待ちしております。ハッシュタグは「#hang813」です。メールの方は、この番組のホームページのメッセージボタンから送ってください。番組HPではYouTube Liveでスタジオの様子を同時生配信中です。

というわけで、宇野常寛がナビゲートするJ-WAVE「THE HANGOUT」今夜の1曲目は先週木曜日の裏切り行為を反省してこの曲を選びました。それでは聞いて下さいアニメ『デュラララ!!』のOPテーマ、THEATRE BROOKで「裏切りの夕焼け」。

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フリートーク
 
宇野 お送りしましたのはTHEATRE BROOKで「裏切りの夕焼け」でした。はい、改めましてこんばんは。J-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」月曜担当の宇野常寛です。メールいきましょう、今日もいっぱい貰ってます。これはラジオネーム紅牡丹さん。

「宇野さんこんばんは。先週の放送では書かねばならぬ原稿を寝ずに仕上げる構想を語られていましたが、どんな結末になりましたでしょうか? 宇野さんほどの力があったらいくつか方法がすぐに思いつくのですが、どうされたのかぜひ知りたいです」

えーっと、本当にやばかったです。僕のツイートを遡ってもらうと分かるんですけど、結局書きあがったのは朝の9時とか10時ですね。ちょっと説明すると、先週の月曜日に、このラジオが終わって家に帰って、夜中の3時ぐらいから原稿を書いて、その日の正午くらいまでに6,000字の原稿を書かないと、連載が丸々落ちるっていう、恐ろしい状態に突入していたんですよ。実は5000字くらいまで書いたけんだど、全く気に入らなくて、直したいと思っていたんですけど、僕は結局書きかけの原稿をほぼ捨てて、書き直しましたね。本当に死ぬかと思いました。おかげさまで、なかなか気に入った内容になりました。内容はNHKの「戦後日本サブカルチャー史」っていう番組と『アオイホノオ』っていうテレビ東京のドラマを扱いました。どっちも80年代前半のサブカルチャーをテーマにした番組なんですけど、そこから日本のサブカルチャー史を振り返るっていう、そういったテーマの原稿を書いて、来月の「ダ・ヴィンチ」に載るんで、皆さんぜひとも読んでください。はい、メールの続きがあります。

「話は変わりますが、宇野さんはお仲間から、普段呼びならわされている名前、通称は何ですか?」

いや、僕は苗字が短いからほとんどあだ名で呼ばれてないです。普通に宇野とか宇野君とか宇野さんとかね、宇野っちとかね。まあ、何も面白味もない呼び方で呼ばれていますね。

この番組は、深夜の溜まり場です。皆さんからのツッコミとか質問、超絶お待ちしております。ハッシュタグは「#hang813」メールの方は番組HPのメッセージから送ってください。

このあと11時55分からは、南沢奈央ちゃんのNIPPON SEKIJUJISHA “GAKUKEN” The Reason Whyのコーナーです。そしてJ-WAVE「THE HANGOUT」各曜日のナビゲーターが毎週共通のテーマを語るシェア・ザ・ミッションのコーナー。今週は流行語について語ります。ちょうど今日、流行語大賞が発表されましたからベストタイミングですね。そして、アナーキー・ミュージックシェアのコーナーでは、J-WAVEの他の番組ではまずかからないであろうというマニアックな選曲をリスナーの皆さんから超絶募集しております。メールの方、まだまだ受け付けております。J-WAVE WACORDSのメンバーがさまざまなベンチャー企業を訪問リポート、ワーカーズ・ディライトのコーナーもお楽しみにお待ちください。はい、それでは、宇野常寛が深夜1時まで生放送でお届けします。深夜の溜まり場「THE HANGOUT」ここでいったんお知らせです。

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宇野 J-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」。六本木ヒルズ33階、J-WAVE Bスタジオから生放送。月曜日は宇野常寛がお送りします。メールいきましょう。これはですね、ラジオネーム中川んさん

「宇野さんこんばんは。この番組の第1回目の放送で話題になった香港雨傘革命ですが、いまだに衝突が続いています。宇野さんは香港の情勢について、現在はどう見ていますか?」

僕の考えは、こうして長引くことが大事だと思うんですよ。変な話なんですけど、香港はそう簡単に、いろんなものが覆る状態じゃ無いと思うので、パーッとお祭りの様に盛り上がるんじゃなくて、日常の中にお祭りというか、どう非日常を組み込んでいくかってことが市民運動にとってこれからは大事だと思うんですよね。正に張彧暋(チョーイクマン)さん、僕の友人である香港中文大学の社会学者が、この番組の1回目の放送で香港から電話出演してくれましたけど、彼が言うように、デモに行って、ちょっとデートして、デザート食べて帰っていて、カジュアルなんですよね。だからこそ長続きするっていうのが、今回の香港の「雨傘革命」の良い所というか、アドバンテージなので、僕はむしろダラダラ粘り続けて、でもなんかいざという時にはボッと盛り上がって、政府にずっと対抗し続けるっていうね、長期戦の構えがどう出来るかが僕はポイントなんじゃないかなと思っています。はい、次はラジオネーム、勝利の手羽先さん。

「宇野さんこんばんは。昨日、元厚木に行ったら、自民党の安倍内閣総理大臣が街頭演説に来ていました。すごい警戒態勢でした。安倍総理は貫録があり、オーラがありました。やはり総理大臣になる人は違うなと思いました。先ほど社民党さんの話をしていましたが、宇野さんがオーラを感じる政治家さんっているのですか?」

まあ、僕がじっくり話をした政治家さんって限られていますけどね、でも一緒に本を出した石破茂さんは相当オーラありましたよ。っていうか、そもそも僕が石破さんとちょっと仲良くなったのって、NHKの番組で、生放送で共演したことなんですけど、そのとき僕めちゃめちゃ緊張していたんですよ。なぜかというと、控室に石破さんとか民主党の岡田さんとか、与野党の幹部が集まっていたんですよ。それで、SPがすごくいっぱいいるんですよ。1人あたり4人ずつくらいいるんですよ。で、そのとき「俺がここで『天誅ー!』とか言って殴り掛かったら、なんかすごい体術とか使って、下手したら撃たれてたぶん殺されるんだろうな」と思って、そう思うとすっごい緊張して、もう生きた心地しなかったですね。人生で1番緊張したのは、あの楽屋ですね。

で、僕がすごく緊張していたのを見て、石破さんがアイドルの話を振ってくれて、「私はキャンディーズが好きでね」みたいな。「『微笑みがえし』を1位にしようと思ってハガキを送ったりしたんだよ」みたいな話をしてくれて、ちょっと仲良くなったっていうのが、あの本ができたきっかけですね。はい、次はですねラジオネーム、ガッツさん。

「宇野さんのラジオはとても話が理解しやすく、どこか惹きつけられるものがあります。宇野さんは人に自分の考えを伝える上で、心がけておられることはありますか? よかったら教えていただけると参考になります」

嬉しいですね。うーん、そうですね。あの、まあ僕は文化が好きな人間なので、カルチャーの評論家なので、比喩とかイメージの力を大事にしたいなと思っています。自身が理屈っぽい人間だからこそ、その限界みたいな事をよく思っていて、結局人間は、理解することよりも共感することとか、イメージを共有できることの方が飲み込みやすいんですよね。だから、そこを大事にしなきゃいけないなってことを、特にラジオ番組を持つようになってから、強く感じています。

はい、この番組は皆さんの参加をお待ちしております。Twitterではいろいろとツッコミや質問をください。ハッシュタグは「#hang813」です。メールの方は、番組ホームページのメッセージボタンから送ってください。番組ホームページではYouTube Liveでスタジオの様子を同時生配信中です。

J-WAVE「HANGOUT」この後は南沢奈央ちゃんがお送りする、NIPPON SEKIJUJISHA “GAKUKEN” The Reason Whyのお時間です。僕はまた後ほど戻ってきます。ではですね、南沢奈央ちゃんにバトンを渡す前に1曲お聴きください。毎週この時間はですね、僕が南沢奈央ちゃんのこう何か清純でね、真面目でね、優しそうな奈央ちゃんのイメージにピッタリの曲を1曲選びました。それではお聴きください、北原拓「超新星フラッシュマン」。

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宇野 J-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」。改めまして月曜担当ナビゲーターの宇野常寛です。ちょっとメールいきましょうかね。これはラジオネーム、みっきさん。

「宇野さんこんばんは。名前の話が出てちょっときになったのですが、宇野さんが『UNO』を」これ、カードゲームの『UNO』のことですね。
「UNOをしたらどんな感じになるんでしょうか? 自分の名前を連呼されて何とも言えない気持ちになるのか、はたまたあまり気にならないのか、とても気になります。教えてください」

いやー「宇野くん、UNOしよう!」とか言われ続ける人生ですよ、僕は。さっきあだ名の話も出ましたけど、僕は小学校4年か5年のときに一瞬だけ「短命政権」って呼ばれてましたね。宇野宗佑っていう総理大臣が愛人問題ですぐ辞めたじゃないですか。それで「短命政権野郎」とか言われたことありますけど、小学校の知性には難しかったらしくてあんまり普及しなかったですね。ちなみに僕は、カードゲームとかもすごく好きで、高校の時にテレビゲームとか持ち込み禁止で、テレビも学年に1台しか無い寮に入っていて、ボードゲームとかカードゲームとかたくさん作りましたよ。「The king ofラサール’97」とか、いろいろ作りましたね。まあ、タイトルだけ言っても全く意味が分からないと思うんですが(笑)、そんな過去を微妙に思い出したりしました。

ちょっとね、雑談ばっかりしているわけにもいかないんですよ。なぜかと言うと、来週のスペシャルウィークの告知をしなきゃいけないんです。なんとですね、この宇野常寛「 THE HANGOUT」初の生登場ゲストがやって来ます。彼の名前は、落合陽一さんです! ご存知の方もいらっしゃいますかね? 年配の方に説明すると、アサヒスーパードライのCMに出ていた作家の落合信彦さんの長男です。で、息子である落合陽一さんは別に作家でもなんでもなくて、一言で言うとマッドサイエンティストですかね。正確に言うと、東大の博士課程にいて、何て言ったらいいのかな、ディスプレイの次を生み出す、みたいな研究をやっている人ですね。僕らが使っているこのディスプレイじゃなくて他のものに情報をね、伝達して表現していくってそういう研究をしている人間ですね。

でね、彼はメディアアーティストでもあるんです。その研究を活かしたいろんなメディアアート作品を内外に発表している、そういう活動をしている男ですね。あまりにも作品とか、研究内容がぶっ飛んでいるんで、「現代の魔術師」って言われている人ですね。最近ちょこちょこテレビにも出始めたみたいですけどね。説明すると難しいんですけど、彼のモットーっていうのは21世紀は「魔法の世紀」になるっていうことなんですよ。この「魔法の世紀」って言葉は、僕との対談の中で出てきた言葉なんです。彼が自分の研究モチーフとか、作品のコンセプトをずっと話していて、それを受けて僕が、20世紀が「映像の世紀」だったら、落合君の言っているそれは魔法の世紀ってことだよねって言って、それを彼は気に入ってくれて、自分のコンセプトは魔法の世紀を作ることだって言ってくれるようになったんですよね。

「魔法の世紀」っていうのは、ほら、20世紀ってとにかくテクノロジーがすごい映像作るとか、モニターの中にすごいサービスを作るとか、なんかこう僕らの持っている画面の中で、何かすごい事が出来るようになるっていうのが、とにかく情報テクノロジーの最先端だったじゃないですか。それが、だんだん画面の外にしみ出して来ていると思うんですよね。「モノのインターネット IoT」とかまさにその一種だと思うんですけど、そういう事によって21世紀は人間とテクノロジーの関係が変わってくるっていうね。何か、21世紀までって、テレビや映画がそうですけど、同じ映像を見て皆で繋がることがメインだったじゃないですか。でもこれからはそんな時代でもなくなるだろうと。もっと映像の外側で人間が直接的何かを体験する、同じイメージを共有するんじゃなくて、同じことを体験することでしか繋がれない時代っていうのはもうそこまで来ていて、そうなると皆が魅力的になる表現とかカルチャーとかアートってものは全然変わってしまう、って事をずっと考えている人なんですよ。

そんな彼は、僕のメールマガジンで「魔法の世紀」っていう、連載評論というか、連載思想書みたいなものをね、やってもらっているんです。でも、何て言ったらいいのかな、すっごい、変わったやつなんですよ。しゃべると好青年なんですけど、変態を隠せていない感じがありますね。『デスノート』のLが現実にいたらこんな感じ、ってやつです。本当にLっぽいですよ。だらーんとしてて、常にヨウジヤマモトを着ているんですよ。全身黒ずくめで、わりかしだらーんと椅子とかに腰を掛けていて、しゃべることの一つ一つの発想がぶっ飛んでいて、周りの人間を驚かせるっていう、そういうやつですね。

単純に、僕がいまいちばん期待している作家が彼なんですよ。歳はまだ若くて27歳くらいですね。僕は政治の問題もよく話しているけど究極的にはカルチャーの批評家で、僕がいま日本でいちばん面白いと思っている作家が彼なんです。なので、「THE HANGOUT」の最初のゲストは誰がいいかっていうことを日浦プロデューサーと話したときに、もうこれは落合しかないだろうっていう話になりました。で、その落合くんが、実はわりと近所に住んでいるんですけど、サクッと来週やってきてくれるので、皆さんお楽しみにお待ちください。

皆さん、話を聞くと結構びっくりすると思うし、近ごろ彼の研究がテレビに出たりしているんですけど、音波で物体を浮かせるみたいな事をよくやっているんですよ。そういう見栄えのするもので、「わー面白い」っていうんじゃなくて、彼はなぜこんな研究をしているのかとか、こんな作品を作っているのかっていうことを、たぶんマスメディアで最初に詳しく話してくれる機会だと思うので、じっくり聞いてください。はい、という事で来週お楽しみに! ここで1曲いきましょう。AKB48で「10クローネとパン」。

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宇野 はい、お送りしましたのはAKB48で「10クローネとパン」でした。僕もね、横山由依さんに「死ねばいい」って言われてみたいですね(笑)。J-WAVE深夜の溜まり場「THEHANGOUT」月曜日は宇野常寛がお届けしております。メールたくさん頂いております。これはですね、ラジオネーム、伝助さん

「宇野さんこんばんは、映画『寄生獣』についてどう思いますか? 漫画の哲学要素が抜けて、CGとVFXで勝負していて初見の人にも楽しめる映画ですね」

宇野 うーん、僕は原作がちょっと好き過ぎるので、何だかストレートに受け取れなかった所があるんですけど、