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平成仮面ライダーシリーズなどでおなじみ、2022年3月から放送開始の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』も手がける脚本家・井上敏樹先生のエッセイ『男と遊び』。約3年ぶりの連載となる今回は、頭のエンジンを切らない思考法からアクスタ誕生の裏話まで、近況と創作の心得をまとめてお届けします。

脚本家・井上敏樹エッセイ『男と遊び』第70回
男 と 遊 び  再び     井上敏樹 

 随分と間が空いてしまった。この男と遊びを中断してもう4年になる。それにはちゃんとした理由があってある夜、私がぼんやりしていると東映のRプロデューサーからラインが入った。『来年の戦隊やりませんか?』と。『よかろう』と私。Rとはもう40年近い付き合いになるが、彼との仕事は大体こんな風に始まる。

 戦隊をやれば丸一年拘束される事になる。プロットやらシナリオやら毎週のように締切りが来る。要するにクソ忙しくなるのだ。

 エッセイは休まざるをえない。ちょっと待て、お前が休んだのは4年だ。変ではないかと言われそうだが、それにもちゃんとした理由がある。