周囲に合わせる「リア充」的なコミュニケーションについていけなかったために、学生時代からアニメや小説を頼りに、仕方なく自分独自のやる事・やり方・やる力の伸ばし方を工夫しなければならなかった坂本崇博さん。そんな「残念な」少年が社会人になるとき、どんなふうに「私の働き方改革」が生まれていったのでしょうか。
コクヨにおける私の働き方改革 黎明編
なんとも痛い動機で「人と違う道」を歩み続けた学生時代を終え、いよいよ私はコクヨに出会い、働くことになります。
なぜ私はコクヨの門を叩いたのか。これまた「残念な」理由でした。
「最初に内定をくれた会社に恩返しをしよう」という志も何もない動機で就職活動をしていた私ですが、就職先候補の選び方も適当でした。就活ネット上で、「地元関西に本社があって、自分自身がこれまでお世話になっていて、かつ親が知っていそうな大きいところ」を検索し、片っ端からエントリーしていったのです。
何とも意識の低い、ある意味新卒一括採用・終身雇用という日本独特のシステムにあぐらをかいた「普通の就活」です。まるで高校生が進学先を選ぶかのように「何を学ぶかではなく、どこに入るか(入れるか)」で会社を選び、入社後は与えられた仕事を粛々とこなして、次第に熟練して仕事を教えられるようになれば先輩になり、より多くの人の仕事を管理できるようになって上司になるものだと、信じて疑わなかった「就活生」でした。
実は、当初「コクヨ」は「これまでお世話になった会社リスト」からは外れていました。なぜなら、「人と違う道」にこだわりがあった私は、あえて購買部で売られているような筆記具は持たず、アニメショップで売られている少し尖ったデザインのルーズリーフファイルを購入して利用していましたし、筆記具も「そうそう学校には持って来られない」こだわりのデザインを好んで使っていたためです。文房具といえば、アニメイトでした。
そんなわけで当初は、もっと身近にお世話になっていた伊藤ハムさんやハウス食品さんなどにエントリーしたり、関西圏という条件からは外れるものの、せっかくなのでバンダイさんやバンプレストさんの会社説明を聞きにいったりしていました。
しかし、エントリーを重ね、履歴書を送るたびにふと目に留まった社名がありました。それがコクヨです。履歴書の右下に「コクヨ」と書かれていたのです。
「へえ、キャンパスノートのコクヨって、履歴書も作っているのか」と興味が出てきた私は、早速コクヨの所在地を検索し、大阪本社であることと一部上場企業であることを確認して、エントリーをしたのでした。
そして、コクヨの採用面接で「人と違う道」を見出すことになったのです。
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