■ 画像付きの提供元サイトで全文を読む ■
私たち夫婦は、夫婦二人で仲良く生活しているアラサーのカップルです。
結婚したときには、いつか可愛い子供に恵まれて、幸せな家庭を築けるものと信じていました。
まさか子供ができない、そしてそのことが原因で、夫の家族から疎まれて、家を出ることになるとは、まったく考えもしませんでした。
病気の夫とともに、そんな苦しみから逃れて、二人で幸せになるという道を選んだのですが、ここまで来る道のりは、決して平坦とはいえませんでした。
幸せな結婚
私が夫と出会ったのは、いまからもう10年も前のことです。
出会った時、夫はちょうど起業して新しい仕事を始めようとしていたときで、仕事を軌道に乗せようと一生懸命頑張っていました。そんな夫を頼もしく思いながら、できるなら少しでもそんな彼の支えになりたいと強く思ったのを、今でも覚えています。
安定した仕事とは言えない彼でしたが、幸い私の家族はそんな彼との交際を応援してくれました。
両親は、夫だけが働いて家計をまかなうのはナンセンスな時代だからと、私にも自分の仕事を頑張るようにアドバイスしつつ、そして機会があれば自宅に彼を招いてくれたのです。
ちょっと緊張しながら初めて彼が私の家に来たのはある冬の日、緊張しすぎたのか、彼は私の母が唯一作らなかった出来合いのお惣菜を「これ、おいしいですね!」とお愛想を言い、家族の大笑いを誘っていました。
それは母が作ったものではないと伝えると、オロオロして慌ててしまったあの日の彼の姿は、忘れることができません。
彼の両親は、彼と結婚する女性がどういう人物かということを気にしていたようですが、幸い私が仕事を持って収入があり、そういう意味でも起業した彼を支えることができると判断されたようで、二人のお付き合い、そして結婚まで認めてもらえることになりました。
そして、周りの人に祝福され、幸せに包まれて結婚式を迎えたのです。
病魔が夫を襲った
そんな幸せな毎日は、残念ながら長くは続きませんでした。
仕事を頑張り過ぎていた夫の体は、ボロボロになっていました。
連日遅くまで仕事をしていましたし、精神的なストレスも相当なものだったと思います。妻の私が少しでも休むようにと伝えても「大丈夫」という言葉を繰り返すばかりで、なかなか休もうとしませんでした。
また、夫は実家の家族にお金を融通していたようです。それも彼の心や体に大きな負担となっていました。
ある朝のこと、起きてきた夫の顔を見ると、顔色がよくありませんでした。
「お願いだから今日は仕事を休んで」
と頼む私に、ただ
「大丈夫、大丈夫」
と繰り返して、夫は家を出て行きました。
そしてその日の午後、病院から夫が倒れたという連絡が入ったのです。
心臓が早鐘を打つ……そんな言葉をよく小説のなかで見かけます。
そのときの私は、まさにその言葉通りの状況でした。
自分の心臓がドキンドキンと高鳴り、痛いくらいでした。
夫が心配で心配で気が気でない思いでいっぱいでしたが、心の隅で、本当に心臓ってこんなに早く打つんだな……と、ぼんやりと考えていました。
幸いなことに、夫の命は助かりました。
しかし、大きな障害を抱えることとなってしまいました。
それだけでなく、治療に使う薬の関係もあって、自然に子供ができることがなくなってしまいました。
それを告げられたとき、ともかく命が助かったんだから、子供のことは後からゆっくり考えようと思い、まずは治療を優先してもらったのです。
コメント
コメントを書く(ID:758266)
だれが考えた三文ストーリー?