10月24日、各地のアマ最強位8人が一同に集結し、日本一のアマチュア雀士を決める戦いが行われた。プロ同士の代表決定戦とは異なり、お互いが知らない者同士。そこには独特の独特の緊張感が漂っていた。ただ、ほぼ全員の選手が、お互いの対戦相手の情報をユーチューブにアップされていた各地方の代表決定戦の映像で入手。
山越貴広(関東最強位)は「優勝してプロを倒す。これしか考えてなかったです」と意気込みを語った。
予選A卓は、森川直也(北海道)・蔵谷俊克(近畿・四国)・高橋真(中国)・山越(関東)の座順で行われる。
東場は一進一退の攻防だったが、南1局に高橋がメンホン一通のハネ満を決め、均衡が崩れた。2番手を蔵谷と山越が争って迎えたオーラス。ラス親の山越は、アガリ止めのできないテンパイのため、流局策を選択。
そこへ、あと2回のツモしかない蔵谷がリーチをかけた。
西家・蔵谷の手牌
ドラ
山にはが2枚だけ。が、この待ちを一発で掘り当てた蔵谷が、高橋とともに決勝進出の切符をつかみ取った。
一方、B卓は団野和広(九州)・高橋凌(東北)・今井朗(東京)・古川健太(中部)の対戦。
東1局に親の団野がカン待ちの567の三色の親満を決め、そのリードを保ったまま逃げ切り。
東京最強位の今井は、東4局で国士をテンパイするも空振り。終始、安定した高橋が2つめの決勝の椅子を獲得した。
勝負所で決意のスルー
団野・蔵谷・高橋真・高橋凌の並びで始まった決勝戦。
東4局1本場では3人リーチ+1人チートイツのヤミテンというぶつかり合いがあった(結果は流局)。ただ、お互いに決定打が出ないまま南入。
南2局。親の蔵谷が一撃を決めた。
東家・蔵谷のアガリ
リーチ一発ツモ ドラ 裏ドラ
蔵谷「場の状況からが山に濃いと判断。途中で出たにも声がかからなかったので、このペンチャンは残す気持ちを強くしました。とはいえ一発ツモは本当にビックリしました」
たが、ここからラス親の高橋凌が効果的なアガリを決める。
蔵谷の親満直後の1本場では、自風のを見送ってトイツ落とし。そこからメンタンピンツモ裏1の満貫を決め、トップめに浮上。
続く次局は6巡目に次のイーシャンテン。
南3局 南家・高橋凌
ドラ
だが、高橋凌は直後に出たポンテンの取れるをスルー。
高橋「鳴けばテンパイとはいえ、2着との差が2100点の状況で1000点ではアガリたくありませんでした」
高橋凌はすぐにを引き入れて待ちでリーチ。先切りのが利いたか、が蔵谷から出てリードを広げた。
対局を終えて(選手インタビュー)
★森川直也(北海道最強位)
対局にあたっての準備、意気込み「北海道最強戦で優勝したあと、ちょっと慎重になりすぎていたかなぁと思っていたので、なるべく時間をつくってフリーで打って、1牌か2牌、押す気持ちを鍛えました。もちろん慎重になってたから優勝という結果につながったとは思いますが、強い人ばかりが集まる大会なので引いてばかりじゃ勝てないと思いました。あとは、応援してくれた方、北海道最強戦で優勝したときにおめでとうと言ってくれた方々にちょっとでも良い報告が出来るようにという意気込みがありました」
対局中に考えていたこと「『こんな大きな舞台で麻雀が出来るなんて幸せだなぁ。麻雀を始めた時にはこんなことになるとは思わなかった。麻雀やっててよかったな』みたいなことを思ってました。終始緊張していたので、いろんな事を考える余裕は無かったです」
対局が終わったあとの感想「とりあえず無事に終わってホッとしました。あとは、もっと麻雀を勉強して、出来ることなら連覇をして来年リベンジしたいという気持ちがあります」
★蔵谷俊克(近畿・四国最強位)
「準備は特にはしていません。フリーでチョコチョコ打っていたくらいです。意気込みとしては、優勝以外意味がないものなので勝ちたい気持ちだけは誰にも負けないように気持ちを全面に押し出して打とうと考えていました。だから対局中もめっちゃ力入りました。おこと言われたのは心外でした」
「東4局1本場。のバッタは自信あったのですが、一瞬ダマが頭をよぎって。けどさっきの失敗を繰り返すまいと思い直してリーチしたら即ツモでした」
「南3局のカンの放銃は、どうせ手詰まるくらいなら形を崩したくなかったので切りました。1300で済んだのでまだチャンスはあると思いました」
「オーラス、最後の待ちは、一番自信がないが埋まってのもので、は山にまだ2枚くらいいると思ったので勝負でした。即でいたのでモーパイした瞬間身体が震えました」
「決勝は、対局前に馬場さんがおっしゃっていたようにぶつけ合いで、洗面器から顔を上げたやつが負けると思っていました。あせることなく冷静にやろうと思ってました」
「東一局の追いかけリーチは、ダマでかわす人も多いでしょうがぶつけ合いにふさわしくぶつけました。アガリがりょうさんにいったので、彼をマークせなあかんなとアガリ点以上に思ってました」
「その後のとのバッタはあがりたかったんですが実らず空振りが続いたので、さすがに一筋縄ではいかない手応えを感じていました」
「南1局の聴牌は手応えゼロでした。まことさんのリーチに早々にが3枚飛び、けれどが顔を出さないから固まっている感が強く、嫌な牌を引いたら即撤退の構えでした。たまたま中筋のを押したのバッタ聴牌がすぐにあがれたのでこれはキッカケを掴んだかもしれないと思いました」
「そして迎えた最後の親番は、まるでまとまっていないなりにもターツは4つあったので、6ブロックも辞さない形でドラだけは切らないようにとにかく着実にストレートにメンツを完成させていこうと思いました。その道中でが山に濃いことを思い、ツモ切られたに声がかからずいよいよこのターツは外さないでおこうと思ったらまた即ツモだったのでビックリしました」
「でもりょうさんは必ずくると思ってたらほんとにきたのであの親被りの瞬間が一番緊張しました。そしてチンイツの手牌」
「親の安パイでとっておいたにがくっついてしまい、迷走しそうな感じがした矢先のりょうさんのリーチ。あの大舞台で無筋のソーズを2枚外す度胸のなさに自分の実力を感じました。もしより先にを切っていればゼンツできたのでその一巡の後先に結果的に泣いた形でした」
「オーラスはにこだわってました。が3枚早々にきたあの手で偶然役に頼らずに条件を満たすのは一通か三色しかなく、一通は見切ったのでなんとか234の三色を作りたかったのです」
「さすがに一発ツモ裏1条件は条件とは思ってませんでした。まぁ恐らくあの局は何をどうしても逆転できてなかったので、ラス前の放銃でやはり勝負は決まっていたんだなと思いました。ちなみにオーラスの裏ドラはでした」
「対局を終えての感想は、たった半チャン一回でも実力はちゃんと出るし、運否天賦では決まらないんだと改めて思いました。また来年もチャレンジしてまたあの舞台に立ってやると強く思いました」
★高橋真(中国最強位)
「まずは、おニュー靴を購入。麻雀最強戦サイトで各地方最強位の顔を拝見。但し、対局は見なかったです。ぶっつけ本番を楽しみたかったので。大会前日、サウナで優勝するイメージトレーニングを行いました」
「当日は楽しく対局してダントツで優勝する事を目標設定。スタジオでの一局目はド緊張し、殆ど記憶がありません(^^;; 」
「対局中、解説者の方々は、皆さんの手牌が分かるので良いなぁ…と思いながら打ってました。決勝では勝負所でチートイツ先制リーチに行けなかった事が悔しかったです」
「対局後は、早くビール飲みたいと思いました^o^ そして何より、スタジオでの熱い対局、異様な緊張感があって、本当に楽しかったです(^○^)」
★山越貴広(関東最強位)
「準備は7人全員の予選の動画チェックといつも以上に麻雀打ちまくってましたー。意気込みは『優勝してプロを倒す』これしか考えてなかったです」
「対局中はテレビ放送されてる事は意識せずに普段通り打てたと思います。ただ『神オリ』って触れ込みだったんで、オリ打ちで放銃したらカッコ悪いなとは思ってましたけど(笑)」
「まだ敗退の悔しさが抜けてなくて毎日思い出してます。もっとレベルを上げて来年も絶対あの舞台に立って今度こそ優勝します。そして12月12日はアマ優勝者の応援団として付いてく事になったんで、僕らの代表を全力で応援したいと思います!」
★古川健太(中部最強位)
対局にあたっての準備「最高位戦日本プロ麻雀協会 足立正秋プロ、日本プロ麻雀連盟 浅野文雅プロ、一般の方に2着取りルールとトップ取りルールでセット付き合って頂きました」
意気込み「己に恥じない一打を打つことだけ考えました。この言葉は尊敬する雀士の言葉です」
対局中に考えていたこと「出だしで団野さんから12000点が出てトップ目が固まった形になったので、いつもより守備的に構えました」
「ラス親があるので、最悪2着目との点差が16000点圏内なら4000オール一発でまくれると考えており、その点差だけ意識して焦りは、最後まで全くありませんでした」
対局を終えての感想「まず、応援メッセージを送って頂いた中部のプロはじめ関係の方々に御礼申し上げたいと思います。対局は、後から振り返ると東場の親番で団野さんからリーチが入った局面で、ドラ単騎で勝負できなかった場面が敗因のように思えます」
「あの局面の団野さんからのリーチは決めにきたリーチに見えて、安くないという読みが働き、ドラを打てなくなりました。単騎じゃなければ勝負したと思いますが…。あそこでリーチを打てた団野さんに完敗でした。読みの精度を高めて来年また帰ってこようと思います!」
★団野和広(九州最強位)
「9/27に九州最強位になり、twitter等で沢山のお祝いを頂きました。通ってるリオ小倉では、打ちにくいほど盛り上げて貰いました。当日、高宮プロ、足木プロからのメッセージ動画をコッソリ観て、対局に臨みました。山脇プロには、二回打てればいいと言いましたが、2トップ狙ってましたw 自分は、最終形は立直してツモりに行く麻雀です。最大限押そうと思ってました」
「予選。東家いやだなぁと思ったら東家でした。東1局4巡目。タンヤオドラ1テンパイ」
「三色かピンフに変化でリーチと考えてたら、7巡目カン萬で即リーチ。ツモって跳満、倍満狙いです。今井さんの鳴き、古川さんもきたので、不安になりました。結局、今井さんから満貫。裏が乗らず嫌な感じでした」
「東4局。今井さん国士かチャンタ系とみましたが、裏が2枚見れるのでリーチ!
「『降りてね』って感じ。今井さんのですっごい嫌な感じ。古川さんので更に嫌な感じでした」
「カメラマンの方が今井さんの手牌を撮影していたので『やっぱりそーなのねぇー』と。ただ、ずっと今井さんの動きより、古川さんの方が警戒だなと思ってました。国士は勘弁ですが」
「南4局。アガリ勝負です。配牌から鳴きを考えソーズ仕掛け。『もあてにしてませんでした』の切り。裏目でしたが。他にも失敗ありましたがアガれて良かった」
「決勝。また東家、、、。東1局。マンズの染め手の配牌。鳴いた所で2軒リーチ。勝負手と信じ満貫目指し押しましたが、やっぱこれはダメですね」
「安かったので、まだついてました。東2局も放銃(泣)。東4局 3軒リーチを制して700・1300。アガれてラッキーでした。が裏のらず。この日は、一枚も乗りませんでした」
「南1局。最後の親番。イーシャンテンでリーチが入り、勝負目無しになりたくなくて、降りました。ここは、押すべきだったなー。押せよ!」
「南4局。ハネツモ条件。配牌、ツモとも悪く、結局国士へ。リャンシャンテンで、が無くなって終了でした。チョット十段戦がよこぎったのにぃ(十段戦最終戦オーラス、柴田プロが国士をツモって十段位獲得。最強戦ファイナル進出を果たす)」
「終始、配牌に恵まれず 追い掛け展開でした。親番が自分のポイントだったと思います。蔵谷さんが押し切るかと思いましたが、凌さんの日でした。自分は、手出しツモ切を覚えてなかったり、局に入りきれてなかった。最期、せめて聴牌したかったなぁ。それでも、とても良い経験でした」
「打ち上げも楽しかったし、『来年も出たい!もっと爪跡を残したい!』。中国予選も出よっかな。まぁ、この日の一番は、山脇プロの解説かな」
★高橋凌(東北最強位)
「B卓戦については、なにがなんでも2着以内に入ろうという気持ちで臨みました。団野さんに先行される形で進んでいきましたが、要所で押して細かくですけどアガることができ、2着をキープできました」
「決勝戦は西3人と東1人で、金本さんが言っていた、『西の三連覇なるか』が濃厚になっていましたが、同時に、『東の底力をなめるなよ』という気持ちがどんどん大きくなってきました」
「対局中は蔵谷さんを1番警戒していました」
「蔵谷さんのA卓戦での爆発力は脅威でした。東場が静かに終わったので、南場に入ったら誰か大きな手をアガルかもと思った矢先、南2局蔵谷さんが4000オールをアガったときは『やっぱりあなたか!』と思いました」
「しかし、まだ満貫で逆転出来る点差だったので、焦ることもなく平常心で打つことができました。(結局満貫アガッて逆転できたのは良かった。)。そして話題の(笑)南3局。1枚目のをスルーしたことで、結果2着目の蔵谷さんから直撃できたのは、この半荘で1番感触が良かったです。(←言い方合ってるかな?)」
「オーラスは1500点でよかったんですが、まさか12000まで育つとはおもいませんでした。もっと早い局面で来て欲しい手でした。対局を終えて、インタビューを受けているとき、自分がアマチュア最強になったんだなという実感がどんどん湧いてきました」
「対局した蔵谷さん、真さん、団野さん、古川さん、今井さん、残念ながら今回は対局できなかった山越さんと森川さん、みんないい人たちで、こんな人たちと麻雀を打てたことが本当に嬉しく思いました。みんなの分も12月12日の本戦ファイナルを全力で戦いたいと思います」
★今井朗(東京最強位)
「最強戦大好きオッサン『なきのまつ』。間に5年のブランクがあるも、累計で店舗予選には100回以上参戦してます。最初の店舗予選は今は無き、『クリスタル100%』(高田馬場)でした。第15回大会は本戦出場して24位(故安藤満プロとも対戦)」
「東京最強位決定戦。今年からシステムが変更になり、ギリギリ16位で(ポイントリセットしての)準決勝に進出!! まさに「追い風ポールポジション」(「牌賊!オカルティ」より)。決勝は圧勝で、569人の頂点に立っちゃいました(^o^)v」
「アマチュア最強位決定戦。予選B卓東場4局北家。ある意味遠いところからの仕掛けでした(7種7牌からの国士)」
「この時、静寂なスタジオの中で、自分一人は「オッショイ」という祭囃子が聞こえてました。(「はっぽうやぶれ」より)。(ヤマに)残り一枚の中待ち国士テンパイ!→不発(>_<)。10万円が逃げてった。。」
最強戦大好きオッサンの「なきのまつ」は体力の続く限り、最強戦予選に出続けます。
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