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麻雀最強戦2014ファイナルD卓 観戦記

2014/12/18 17:00 投稿

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麻雀最強戦ファイナルで繰り広げられた激闘を紹介!

ファイナルD卓はバラエティに富んだ組み合わせとなった。最強位・沢崎誠が満を持して登場、さらに特別予選を勝ち抜いた佐々木寿人、ここに著名人雷神の藤田晋に全日本女子プロ代表になった井上美里という組み合わせ。さらに、生放送では雀鬼・桜井章一さんが解説に加わり、対局前には寿人・藤田にエールを送るなど独特の雰囲気のまま対局がはじまった。

まず先手を取ったのは最強位・沢崎である。藤田の仕掛け・井上のリーチを軽くかわし、続く東2局ではチャンス手のテンパイを入れる。
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高目のドラpai_s_1p.jpgを引いてテンパイ。前局も2人の攻めをかわしてアガったということから、調子のよさを感じながらリーチをかけたに違いない。だが、これがアガリに至らず井上も粘って流局となった。

続く一本場は沢崎さんホンイツで仕掛けを入れた打牌がpai_s_8p.jpg藤田もこれに応じてチーテンを入れ、pai_s_ton.jpgバックでアガりきる。
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この半荘では藤田の字牌への対応が興味深かった。微妙な形のときは一枚目の役牌は見送り、トイツのまま手中に残す。その字牌を受けに使うこともあれば、アガリ役としてフィニッシュにすることもある。相手からしてみればション牌より1枚切れの字牌だと当然警戒度も下がる分、跡付けも決まりやすい。この辺りの特徴を上手く活用しているような打ち方が何度か見られた。このテンパイは一手変わりチャンタもあり、ツモ次第では
pai_s_1m.jpgての出アガリも利く。手役の芽に敏感でその判断が早いことも藤田の持ち味である。
 
東3局はの沢崎が興味深い一打をみせる。
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皆さんならここで何を切るか? 自分は456の三色をみて
pai_s_9p.jpgのツモ切りだ。ピンズの上はドラ受けだけに絞り、ソーズのくっつきも残しておきたい。しかし沢崎はpai_s_4s.jpg切り。次巡、pai_s_9p.jpgを暗刻にしてpai_s_3m.jpgpai_s_6m.jpg待ちリーチをかけたが、このリーチは掛けられない人が多いのではないかと思う。

だが、この局も沢崎はアガりきることはできなかった。寿人が粘って678の三色のテンパイを入れ、2人テンパイで流局。自分がリーチをかけても1人テンパイにならない展開に最強位はどう思っていただろう?
続く1本場は藤田が動いた。
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この後、
pai_s_3p.jpgpai_s_8p.jpgを払って安全度の高い牌を残して相手の攻撃に備える構えを取る藤田。

解説の桜井さんも「仕掛けたときこそスリムに」という発言していたことや、B卓での小林の対応(仕掛けた後に安全牌を残すというくだり)なども見たこともあり、あらためて仕掛ける場合はアガリと守りの両方をみることが大事なのだということがよく分かる構えである。

この局は寿人がタンヤオの
pai_s_2m.jpgpai_s_5m.jpg待ちでリーチ、これを井上がドラのpai_s_nan.jpg単騎待ちで追っかけたが寿人の待ちのpai_s_5m.jpgを掴んで放銃。5200は5500のアガリとなり寿人がトップ目にたった。



東4局1本場。親の藤田が789の三色を狙えるチャンス手。
pai_s_9s.jpgを引いて打pai_s_2m.jpgとしたところだが、打牌までの決断がもの凄く早い。TS視聴が可能な方は、ぜひこのスピードをご覧いただきたい。藤田がいかに手役に敏感で、ツモるまでの間に準備をしているかがわかるはずだ。
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次巡、藤田はpai_s_8s.jpgを引いて即リーチをかけた。高目pai_s_9p.jpgでアガりたいところ。

だが、寿人が次の手からドラ
pai_s_3s.jpgを重ねてテンパイ。

東4局1本場 南家・寿人の手牌
pai_s_1p.jpgpai_s_1p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_6s.jpgpai_s_7s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_6m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_8m.jpg ツモpai_s_3s.jpg pai_s_6p.jpg ドラpai_s_3s.jpg

当然の追っかけリーチだが、宣言牌の
pai_s_6p.jpgが藤田の安目。この放銃について解説の桜井さんは

桜井「悪い放銃じゃないことは事実だね」

とコメントした。


続く2本場、沢崎が再び面白い手筋をみせる。pai_s_3p.jpgを引いたところでシャンポン待ちリーチをかけているが、実はその1巡前はカンpai_s_4p.jpg待ちのテンパイを一度崩しているのである。
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pai_s_2s.jpgを残してテンパイを崩したのはドラの
pai_s_3s.jpg引きを期待したからだろう。だが、次にpai_s_3p.jpgを引いたところで今度はリーチをかける。この感覚が面白い。私は、「先に捨てたpai_s_5p.jpgがいい展開を生む(場に多く出てpai_s_3p.jpgが出やすくなる)ことを期待したのか?」とも思ったが、ここで桜井さんは、

桜井
「最初カンpai_s_3p.jpgでツモったからそこらへんを意識しているのかな?」

なるほど。あくまで私のイメージだが、たしかに沢崎さんはそういうことを言いそうな気がしなくもない。この辺りは後日取材をして確認してみたいところである。


この局は井上もツモり四暗刻のイーシャンテンにこぎつけたがテンパイには至らず。親の藤田のテンパイ打牌pai_s_4m.jpgが沢崎に捕まった。

東4局2本場 東家・藤田の手牌
pai_s_4m.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_6m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_8m.jpgpai_s_1s.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_6s.jpgpai_s_6s.jpg ツモpai_s_5m.jpg
このアガリで沢崎が30300という微差のトップで東場を折り返した。もちろん、誰が勝つかまだまだ分からない状況である。



南1局は藤田の妙手が光った。
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pai_s_pe.jpgは藤田の役牌でション牌。とはいえ、ここはpai_s_pe.jpg切りが素直な一打であろう。だが、藤田は打pai_s_5p.jpgでカンpai_s_4p.jpgのターツを払っていったのだ。pai_s_pe.jpgの重なりにも期待しつつ、チャンタやマンズのホンイツまで意識したのだろう。ただ、直後に出たpai_s_chun.jpgを藤田は一鳴きはしなかった。この辺りは、前述した「受けとの兼ね合い」の選択なのかもしれない(この辺りの思考については、後日取材を行い、1月15日発売の近代麻雀に掲載予定)

が、
このpai_s_pe.jpg残しとpai_s_chun.jpgスルーが絶妙だった。
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pai_s_pe.jpgを暗刻にして、pai_s_9s.jpgpai_s_chun.jpgのシャンポン待ちでリーチ。1枚目を見送ったpai_s_chun.jpgの出にも期待できる。このリーチに対し、純チャンのイーシャンテンの井上は無スジを押していくがテンパイまで至らず。藤田、pai_s_9s.jpgツモで1300・2600。これでトップになる。



南3局1本場、トップには微差で寿人が立っていた。その寿人がpai_s_hatsu.jpgポンで親流しに出る。
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決して好形ではないが、じっとしていたら沢崎の連荘や藤田のまくりを待つばかりである。寿人は厳しいが自力で蹴りをつけにいく道を選択した。

だが、最強位は順調なツモであっという間にテンパイ。

南3局1本場 東家・沢崎の手牌
pai_s_2s.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_6s.jpgpai_s_7s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_5m.jpg ツモpai_s_6p.jpg ドラpai_s_1s.jpg

当然のリーチである。だが、寿人はこのリーチにも怯まず強気で押し返す。現物の
pai_s_2p.jpgもポンしてペンpai_s_3s.jpgのテンパイで勝負を挑んだ。

南3局1本場 西家・寿人の手牌
pai_s_1s.jpgpai_s_2s.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpg pai_s_2p.jpgpai_s_2p.jpgpai_r_2p.jpg pai_s_hatsu.jpgpai_r_hatsu.jpgpai_s_hatsu.jpg ドラpai_s_1s.jpg

親のない寿人はここで沢崎に飛び込んだら致命傷になる可能性もある。その立場で現物の
pai_s_2p.jpgをポンするだけでなく、ドラそばのペンpai_s_3s.jpgという愚形で前に出るのである。普通に考えれば損な選択であろう。だが、その執念が功を奏した。沢崎がpai_s_3s.jpgを掴み、リードを広げてオーラスを迎えたのである。これで沢崎はハネツモ条件と苦しくなった。寿人にとっては、2000オール条件の藤田の親を蹴るだけである。



オーラスは井上以外の手が重くなった。終盤、井上はメンホン一通をテンパイするが、3倍満ツモ条件なのでリーチをかけられない。

南4局 西家・井上の手牌 ドラpai_s_9s.jpg
pai_s_1s.jpgpai_s_2s.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_6s.jpgpai_s_7s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_pe.jpgpai_s_pe.jpgpai_s_pe.jpg 
 
一方、藤田がテンパイするかどうかが危ぶまれた。15巡目でこの形だが、関連牌が山に薄いのである。
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だが、ここで沢崎の技が生きた。いつリーチがかかってもおかしくない藤田が延々とツモ切りを繰り返している。ノーテン親流れを恐れた沢崎はイーシャンテンを維持しつつ寿人の現物のpai_s_2p.jpgを切った。

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当然、藤田はこれをチー。形式テンパイが入り、最悪の親流れだけは避けられた。結果的にはここでpai_s_2p.jpgを切らなくても藤田の
次のツモはpai_s_5p.jpgだったのでテンパイは入るのだが、ここは沢崎のマムシの一打が光った。

さて、この鳴きによりチャンスがめぐってきたのが井上だ。藤田のチーによって西家の井上がハイテイのツモ番になる。その1巡前にリーチをかけて一発でツモれば「リーチ・一発・ツモ・ハイテイ・メンホン・一通・ピンフ・ドラ」、キッチリ3倍満になる条件が整ったのだ。
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だが井上の捨てたpai_s_hatsu.jpgは横に曲がらなかった。結局、ハイテイにpai_s_2s.jpgpai_s_5s.jpgはいなかったが、リーチをかけない井上をみて、むしろ山にいなくてどこかホッとしてしまった。ここで勝ち上がりになるpai_s_2s.jpgpai_s_5s.jpgを虚しくツモ切ってしまうことになれば、それは井上も一生後悔しても不思議でない結果になるからだ。

ただ、対局前「最後まで諦めない」という言葉を発していた井上だっただけに、ここはリーチをかけてほしかった。結果、藤田・井上の2人テンパイで流局。
続く南4局1本場。最終局は1000オールか3900以上ならトップの藤田が、この配牌からピンズの鉱脈を掘り当てた。
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この配牌が最後はメンホンテンパイとなる。寿人も
pai_s_4s.jpgpai_s_7s.jpg待ちリーチをかけ、二人のめくり合いとなった。ここで競り勝ったのがメンホンの藤田。トップ寿人を逆転し、アガリ止めでゲーム終了。決勝卓4番目の椅子を勝ち取ったのである。

南4局1本場 東家・藤田の手牌
pai_s_1p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_hatsu.jpgpai_s_hatsu.jpg ツモpai_s_5p.jpg ドラpai_s_7s.jpg 


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