尖閣諸島の問題で、一番わかりやすく、日本のとるべき立場を示しているのは、一九七九年五月三一日付の読売新聞社説であると思っている。タイトルは、「尖閣問題を紛争のタネにするな」であった。
・尖閣諸島の領有権問題は、一九七二年の国交正常化のときも、昨年夏の日中平和友好条約の調印の際にも問題になったが、いわゆる「触れないでおこう」方式で処理されてきた。
つまり、日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が〝存在〟することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決を待つことで日中政府間の了解がついた。
・それは共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした〝約束ごと〟であることは間違いない。約束した以上は、これを順守するのが筋道である。
・尖閣諸島問題に関しては慎重に対処し、決して紛争のタネにしてはならない。
そして、尖閣諸島問題で、日中間に「棚上げ」の合意があ
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集団的自衛権は違憲の発言、元内閣法制局長官、大森、宮崎氏(坂田氏)に次に角田氏も。
コメント
日本の国内という「井の中」にいると、自分の言動を客観的に見るのはなかなか難しいものです。日中関係が冷え込む原因の発端は、石原元都知事による都の尖閣購入発言であり、その流れで、明らかに日本が棚上げ合意を無視して国有化したことにあります。
戦前の日中関係の歴史を見ても、決定的な場面で日本が紛争や事変の引き金を引いています。にもかかわらず、マスコミはじめ多くの国民は、自国の不当性を見ずに、一方的に中国を非難してきました。暴支膺懲(暴虐な支那を懲らしめろ)など、今から見れば「盗人たけだけしい」の一語に尽きますが、当時の日本国民は何の疑問も抱かずにこぞってこれを支持
しました。
今なお、日本は「井の中の蛙」になる体質を維持したままです。
本当に恥ずかしいことですが、前原や千石が尖閣騒動に火を付けたとき私は中国はけしからんと思ったんですよ。飲み会で友人の劉君と尖閣帰属をめぐって激論に発展しました。劉君は「ポツダム宣言も読まずに、又、蒋介石とマッカーサー間で交わされたメモの存在も知らずに尖閣が日本に帰属するとよく言えたもんだ」と私を非難したのです。この非難にショックを受けた私はいろいろ勉強しました。勿論、孫崎先生の著作も読みました。その結果得た結論が「尖閣は日本の固有の領土ではない」ということなんです。
ノーベル文学賞を受賞した莫言氏やノーベル賞を逸した村上春樹氏がほぼ同時にほぼ同内容の表明ー「尖閣諸島を南北朝鮮を分けている非武装地帯なものにして生物のサンクチャリーにしたらいい」ーを発しているんです。もしそのようになれば、日本にとって損はないというのが私の偽らざる認識なんです。
今も尚、中国は棚上げに同意しそうな態度を表明しているわけですから、中国の外交は柔軟です。一方、安倍政権は出口なきアベノミックス、過酷事故で日本消滅に向かう原発再稼働に一切の選択肢を放棄した尖閣国有化が加わり、自ら自縄自縛を選択しているのです。政治の劣化どころか、幼児化、いやいや子宮に入り込んでしまっていると私には見えるのですが、日本のbigbrotherである米合衆国がなんとかしてくれるとでも思っているんでしょうか。笑止千万。
日本政府は、「中国が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのは、70年代に油田が見つかったためで、それ以前は日本の領土と認めていた」と言っているが、それは事実ではない。
戦前は、日本が台湾まで支配していたのだから、中国は領有権を主張できなかった。
戦後は71年の沖縄返還まで、ポツダム宣言に従って米国が支配していた。
この間に、米国は油田の存在を確認し、メジャーが調査した結果、埋蔵量が少なくて採算がとれないと判断している。
返還後、中国から共同開発の申し出でがあったが、米国の情報を信じた日本政府は取り合わなかった。
中国が独自に開発を始めたら、日本は、ストロー原理という難癖をつけて中国を非難し、「棚上げ論」も合意はしていないと言い始めた。
こんな外交をしていたら、どこの国からも嫌われるのは当然だろう。
(ID:18367902)
カナダの提案であったようであるが、サンフランシスコ講和条約の「領土問題の未解決を以て解決とする」戦略が、特に日本の針路方向付けに有効的に機能しているといえます。言葉を変えていえば、日本は、戦勝米国同盟国の戦略の中で動かざるを得ない、悪く言えば、戦勝国の網の目を通り抜けることができない宿命を負っているともいえる。
日本人は、宗教的根本の自己確立「真実の道」を求めるよりも、体制順応「現世利益を求める道」が常に勝っていることである.敗戦とか原発事故があると一時的には、戦争とか原発に対する反省が強くなるが、時間とともに、現世利益が優先し、当たり前のことが排除されるようになります。
先人たちが、中国の知恵ある人々と、せっかく「米国の罠」を突き破って、アジア共同体の構築を模索していたのに、未熟な民主党政権によって、「米国の罠」に再度堕ち込んだのは残念なことであった。民主党政権に託した我々の気持ちを裏切る汚点であり、民主党を支持しようとする人は、信頼性、知恵のなさでためらいが常に起きる、さりとて、自民党は明瞭であるが、国民主体の支持できる政策を取ろうとはしない。日本の自立には程遠い状況にあり、日本の限界を意識せざるを得ない。