21日、私のツイッターで次を報じた。
クリミア「マクフォール元駐露大使「ウクラインスカヤ・プラウダ」「米国は、クリミアをめぐり戦う用意ない。クリミアのロシア編入は、歴史的事実であり、ウクライナ当局は、現実主義者となる必要ある。米はポ、チェコ、ハンガリーで戦う積もりなかった。米の意図過大評価するな」(sputnik)
実はこの発言は極めて重大な意味合いを持つ。尖閣諸島への米国の対応などとも関連する。
A:事実関係
2015年4月24日付"Українська правда"紙は「Майкл Макфол: Путін хоче, щоб в Україні не було ні війни, ні миру」の表題の下に、長文のマクフォール元駐露大使とのインタビューを掲載している。米国の対ロ政策などを説明したもので極めて興味あるが、関係部分を下記に示す。
問「どうしてアメリカは
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「2.米国内の好戦派、対立を煽る勢力に気をつけろ」について。
孫崎先生の忠告通り、本当に気をつけなければいけない。
米国は今、「猜疑心の塊」になっていると思われます。
・覇権国の地位から転落するという恐怖、屈辱
・途上国(中国等)に追い抜かれるという焦り
・同盟国への不信、裏切りへの憎悪
同盟国への盗聴や、AIIBへの反応がそれを示している。
それゆえ、我が国への「締め付け」もより一層強くなっています。
米国がこれから採るであろう、二つの路線について。
A.ハードランディング路線:
米国の単独覇権を維持しようとする。
世界の多極化(新興国の台頭)、ドルの基軸通貨からの転落により、
おそらく覇権維持は不可能で、あがいた挙句、失敗し、大崩壊する。
一部の州では独立の動きもちらつき、国家分裂すら可能性がある。
影響力維持のために、他国への軍事介入を繰り返し、多くの敵を作り、
恨みを買う。覇権国から転落した後、それらの敵から報復を受ける。
B.ソフトランディング路線:
覇権国ではなく、大国の一つに軟着地させる。
国際問題を、軍事的解決ではなく、対話と協調によって解決する。
イスラム過激派とは対話による和解を試み、中国、ロシアとは、
対立ではなく、可能な限り協調路線を採る。
覇権国ではなくなるが、大国の一つとして影響力は維持できる。
米国が愚かでなければ、合理的観点から当然Bを選択するはずです。
ところが、困ったことに、合理性ではなく、イデオロギーや感情論
で国を動かそうとする勢力が米国内に多くいる。
彼らは、「座して死を待つよりは」という偏狭な思考に陥っており、
理性的でなく、猜疑心から何をするか解らない。
そういった心理状態にある米国に接近しようとする安倍政権に、
危機感を覚えています。
(ID:9443972)
ついでなので、AIIBについて。
これは参加するべきです。
中国の影響力が強まることを懸念するのなら、なおさら中に入ってその
懸念事項を日本がコントロールするべきです。
日本が参加しなかったとしても、世界の流れは止まらず、AIIBを利用
した中国の影響力拡大は不可避であり、避けられないのですから。
ここで一時の感情論とプライド、米国の顔色伺いで、突っぱねたことが、
10年先、20年先、どようのように影響してくるか。
もし中国がAIIBを政治利用し、アジアで軍事拠点を作り始めてた
として、外野が蚊帳の外から文句をつけても言うことなど聞きません。
それよりも、「政治利用するなら、AIIBを抜けるぞ」と牽制する
方がよほど効果的です。
というより、それ以外に、中国の政治利用を阻止する「代替案」は
あるのでしょうか。あったなら是非示して頂きたいと思う。
将来、中国のシルクロード構想に、ADBで対抗できますか??
非協力的なADBなど見向きもされなくなるのではないですか。
時間軸を無視した議論をするべきではありません。
10年先、20年先の世界情勢を踏まえた上での議論をすること。
なにより、今回のAIIB騒動自体が「想定外だ」などと弁解している
始末なのですから。本当に馬鹿だとしか思えない。
裏切り者だ、などと英国だけ非難すれば済む話なのでしょうか。
欧州勢だけでなく、アジア諸国やその他の地域からも参加している
理由は一体どう説明するのか。
BBCや米国が発表する、国際好感度ランキング等を見ても、
中国の評価は決して低いわけではないのです。
中国はアフリカを植民地化しており、アフリカ諸国から嫌われている。
これも大間違い。中国のアフリカ諸国の評価は非常に高い。
メディアでは、日本人が好む情報、つまり、中国は世界から嫌われており、
孤立化しているなどといった、偏った情報だけが流されている。
とんでもない。「中国の影響力を甘く見るな」です。
そうやって、今回も「想定外だ」などと判断を誤った。
(ID:9443972)
南シナ海問題における、ASEANの態度についても、
一方的で間違った認識ばかりがまかり通っている。
ベトナムは中国の「領海宣言」を認め一度は西沙・南沙を放棄した上、
南沙諸島の大部分を占拠し実行支配している。
ベトナムが中国を非難してもまったく説得力がない。
フィリピンはどうか。
座礁した軍艦を埋め立てて拠点を作ってみたり、これを撤去すると約束
しておきながらいつまでも撤去しなかったり。
ベトナムとフィリピンも中国同様、領有権主張の根拠はほどんどない。
南シナ海問題の本質は何か、というと、これは米中の覇権争いであり、
この構図は60年前からずっと変わっていない。
中国の埋め立て(飛行場建設)は、フィリピン米軍回帰への対抗措置。
米国の軍事関係者も指摘しているように、中国にとっては「万里の長城」
であり、蛮族(米軍)の進入を防ぐための防衛的なものなわけです。
中国は、近海に米国の空母がうろつくことを不快に思っているし、また
南シナ海に、核ミサイル搭載の潜水艦を隠されることをもっとも懸念
している。
ASEAN諸国は、そういった実情を知っているはずなのです。
だから、一方的に中国だけを非難するといことをしないわけです。
彼らは経済的利益が目当てだから、もちろんそれもありますが、
それだけではない理由もあるわけです。
そこを見誤ってはいけない。
でないと、また判断を誤り「想定外だ」ということになる。
原発事故も想定外、国際情勢も想定外・・。
本当にこの国は大丈夫なのだろうか・・。