進藤榮一著『アジア力の世紀』より:

「アメリカン・フットボールーアメフトと略称されるアメリカの国技だ。対する日本の国技は

相撲である。
この二つの国技の違いに、両国の外交文化の差が集約されている。
私はその差を、最初の留学先、首都ワシントンで、クラスメートと初めて練習試合をした時に痛感した。
「ボールは左に投げるふりをするから、お前は右に回り込め。そしてボールを取ってすぐ、敵の裏をかいて今度は左端のジョンに飛ばせ。」

 試合開始前、綿密な作戦会議を行う。ハーフタイムごとに戦略を練り直す。まさに戦略と謀略ゲームである。  しかも重くて分厚い防具をつけて戦う。そして超ミニの華麗なチアガールはフィールドに繰り出し戦意を高揚させる。まさに重装備とソフトパワーで戦うゲームである。  対する日本の相撲は、まわし一本以外、何もつけない。土俵に塩をまき、不正をせずに技を競い合いますと観客の前で誓う