さしたるドラマがあるわけじゃない。一人の老人が歩き続ける。日本で売れないかもしれない。しかし、英国で爆発的に読まれている。行為自体は歩くというだけ。その積み重ねがとんでもない偉業になる。そんな所が英国人を魅了しているのであろう。
この本は定年になっている一人の男がある日一通の手紙をえる。20年くらい前に一緒に働いていた女性からだ。
この女性クイニ―は癌でもうすぐ死ぬという。
主人公ハロルド・フライの住まいは英国の南の端、クイニ―はスコットランドの国境の修道院に付属している収容所にいる。約500マイル離れている。
ハロルドは慰問の手紙を書き、それをポストに入れにいくために自宅をでる。
そして突然、手紙だけでは不十分と思う。このクイニ―を見舞いにスコットランド国境近くまで歩いて見舞いにいくことを決心する。何の準備もせずに歩
コメント
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妹の夫、高校・大学を通じての知り合いの夫人が両方共、先月食道がんと乳がんで亡くなり、私自身、ガンで胃を失い、定年になってから20年以上経っている身ですから、件の本に関しては、孫崎氏から聞いた範囲内では、感心することはなく、なぜそんな内容の本が評判になるの、と思うのみです。今の世の中、がんによる死亡は全く珍しくありません。とすると、物語の主人公はやはり死にかけている女性に対して何らかの特殊な感情を持っているケースとしか考えようがありません。しかし、男女の間の恋愛感情など、これも全く掃いて捨てるほどの存在です。また、死そのものについては、養老孟司氏は「人間は死なない、なぜならば死亡後に自分の死を確認することはできないから」という意味のことを言っています。
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人生の主人公は自分ってことですかね。
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日本の囚われた世界からは、きっとこの普通というよりシンプルな思いには動かされないかも知れませんね。より刺激的な物を求め続けさせられている社会、アメリカナイズされている。洗脳の賜物なんでしょうね。
だけど、シンプルに相手の事を思えたら、原発もTPPも必要無いと選択するんじゃないかと思います。
主人公の自分が信じた道が、自分の為だけのものでは無いって所にとても興味深く感じました。