マルセル・サリホフ(モスクワ高等経済学校経済専門センター所長)
米ドルの世界支配の終焉はこうなる;現在、世界の多くの国々が脱ドル化を支持。それは起こるだろうが、「ビッグバン」としては起こらないmマルセル・サリホフ著、モスクワ高等経済学校経済専門センター所長
世界の金融システムの脱ドル化は今後も続くだろう。これは、新しい金融テクノロジーの開発によって促進される。中央銀行は先進国の通貨を使わずに相互に直接決済することを目指すだろう。将来的には、中央銀行のデジタル通貨が国際取引にも使用され、経済取引のコストが削減される可能性がある。ただし、このプロセスはかなり時間がかかる。
米ドルは長い間、世界の支配的な通貨。国際取引におけるその利用は、何十年もの間、世界経済に占めるアメリカのシェアをはるかに上回り、現在約24%。例えば、IMFによれば、2002年末時点で通貨別の中央銀行の外貨準備のうちドルが58.
世界の金融システムの脱ドル化は続く。新しい金融テクノロジーの開発で促進される。だがドルに代わるべきユーロ、人民元、金などは各々問題点内蔵。近い将来に世界の金融システムに根本的な変化が起こることは期待できない(ロシア人学者の見方)。
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コメント
コメントを書く(ID:119568177)
>このプロセスはゆっくりとしたものであり、近い将来に世界の金融システムに根本的な変化が起こることは期待できない。
一朝一夕にドルの基軸通貨性が解消するわけではない、と。それはそうかもしれない。
しかし、ペトロダラーをよいことにアメリカ帝国の覇権は世界中で害悪を撒き散らしている。
イラクのフセインと、リビアのカダフィはともにアメリカ帝国のペトロダラーに挑戦し、石油をドルで取引しない仕組みを実行しようとした。
しかし、結果は悲惨であった。武力により、国ごと踏みにじられ、国内は荒廃した。
石油取引におけるドル決済がアメリカ帝国覇権のもっとも重要な要素であった。サウジアラビアと中国は人民元での取引を開始し、中東の安定は中露が支える体制に移行する。
アメリカ帝国以外の非米側が中露を軸にして結集し、新たな世界システムを構築することは、世界にとって必要なことだと考えている。
経済面では、SCOやBRICsによる新通貨システムの成功を期待している。
アメリカ帝国が主導した金融資本主義やマネーゲームは、実態経済とは無関係である。不況や戦争をテコにして儲ける仕組みは、不公正、不正義というべきだ。
現に、ウクライナ人の屍の上にアメリカ帝国軍産複合体やネオコンども、即ち戦争屋はボロ儲けしているではないか。
アメリカ帝国の覇権とは、そういうものだ。
日米同盟は基地の負担を背負うだけで、百害あって一利無しだと考えている。沖縄の辺野古への基地移設問題を見れば良い。
台湾有事なるもので、標的になるのは沖縄だし、本土の米軍基地だ。台湾がどうなろうと、日本の国益には関係ないのに、米軍により戦争に巻き込まれるリスクを考えたら良い。
私はアメリカ帝国の自滅を心底期待している。戦争屋どものいない世界を願っている。
だから、ドル崩壊は「ゆっくり」でなく、ドンドン進んでほしい。アメリカ帝国の自滅は、明日にでも起こってほしい。それが私のホンネである。
(ID:19005377)
>>7
ご参照いただきとても嬉しいです。
米国はボーア戦争時の英国の時代精神をそのまま生で引継ぎ第二次大戦後ひたすら走って来たけどここにいたって迷路に迷い込んで出口が見つからなくなっているように見えます。
(ID:18471112)
> 世界の金融システムの脱ドル化は今後も続くだろう...ただし、このプロセスはかなり時間がかかる。
何処かで聞いた「ロシアは見かけほど強くないが、それほど弱くもない」と同じく「米ドルは、もはや見かけほど強くはないが、それほど弱くもない」ということか。ある日 突然、ドルが ただの紙切れになれば、日本で暮らす我々も ただでは済まないから一安心。だが、金融/経済危機など所詮は人災だ。プーチンに言わせれば、西側支配層がボロ儲けするために、係る危機を好き勝手に惹起するのだ━そういうことだろう。
一方、
<BRICSグループは、この同盟とイニシアチブに関心を持つ国のリストが増えていることから、金を裏付けとした新通貨を導入する予定だ>
このニュースが出るや否や、日本でも金地金の販売店は何処も売切れ続出━とも聞こえてきた。
「ビッグバン」としては起こらずとも、遠からず何かマズいことが起きたりしないのか。
> 中国の戦略は、投資ではなく貿易を通じて人民元の国際的地位を確保することである。
今後は、個人レベルでも資産の人民元化もリスク回避上 有効になるのかもしれない。
ところで-
> 三角関係は選択肢にない:ロシアとインドは中国とアメリカのパートナーを怒らせることなく友好関係を保つことができるだろうか?
これは、元記事中に挿し込まれた別記事の見出しである。