ノリーナ・ハーツ著、『THE LONELY CENTURY なぜ私たちは「孤独」なのか』(ダイヤモンド社、2470円)
・孤独と不寛容の政治のつながりを初めて指摘したのハナ・アレント。
・アレントは『全体主義の起源』の最後に驚くべき要因に目を向けた。孤独だ。
全体主義の根底には孤独がある。それは人間にとって最も極端かつ絶望的な経験の一つだ。全体主義の追随者の最大の特徴は残虐性や時代遅れの考え方ではなく、孤立と、普通の社会関係の欠如にあるとし、社会に居場所のないと感じる孤独の人々は、自己のイデオロギーに捧げることにより、生きる目的と自尊心を取り戻すのだと指摘した。世の中に全く所属しない経験こそが全体主義の本質であり死刑執行人と犠牲を生み出す準備過程なのだ。
・孤独はしばしば経済環境の悪化と結びついている。
・近年、これほど多くの人が選挙でポピュリストに票を投げてきた大きな理由は孤独だ。
・苦しい時、ト
ここから先は有料になります
ニコニコポイントで購入する
チャンネルに入会して購読する
- この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
-
中国共産党員、9500万人に増。共産党員急増 5カ月で231万人理系学生目立つ。党員は公務員や国有企業の就職や出世に有効なことも追い風。ソ連時代も同じ現象。特権階級。9500万人の人々は、党の強固化は自己の利益と判断して行動する。党瓦解は困難
-
一覧へ
-
東京コロナ感染、一気に最高に(これまでの最高1月7日2520人)。増減の目安が5%程度といわれる陽性率は26日15.7 %で一段の拡大の可能性。感染力強いデルタ株に置き換わり。感染主力の64歳以下のコロナ接種は低い水準。緊急事態での人的接触の抑制無し。
コメント
>>1
孫崎先生の今日のご投稿は全体主義肯定ではありませんよ。極右ポピュリストについてのご投稿です。
ハナ・アレントはかの有名な哲学者ハイデッガーの弟子でした。ハイデッガーは共産主義を死ぬほど憎んでましたが、それに劣らず、米国の物質主義をも嫌ったのです。
彼はナチズムについては党員にもなって賛同しましたが、ソ連との戦いにナチズムが傾斜し始めて、距離を置きました。その後も死ぬまでその態度は変わりませんでした。
アナ・ハレントはナチスに追われ、米国に亡命し、全体主義と言う言葉を発明し、ナチスとソ連に冠しました。ハイデッガーが嫌った米国の物質主義には、私にはアナ・ハレントは肯定的に見えるのです。
今の米国の横暴はアナ・ハレントにも責任があると考えてます。その後、全体主義がいろんなところで使われ出し、便利な言葉になってますが、米国大統領がファシストであることをカモフラージュするには使い勝手が良いと感じている次第です。
ハンナ・アーレントについては、かつて映画「ハンナ・アーレント」を見ただけだが、内容は殆ど思い出せない。
師匠の「存在と時間」は文庫の上下巻を勇んで買ったきり一頁も読んでいない。読まなくても毎日よく眠れているからだ。
ノリーナ・ハーツ氏も全く知らなかったが、講演映えする容貌の持ち主のように見える。すると、食虫植物を警戒する昆虫の気分になる。
まるで鬼の首でも取ったかのような「孤独が孤独が」との論だが、何かズレている感が否めない。
「社会に居場所のないと感じる孤独の人々」がカルト宗教の いいカモにされるのは昔からだが、それで十分だろう。
支配者側の常套手段は分断統治だ。支配される側を孤立させてナンボである。それを支配者DSは手を変え品を変え延々続けているのでないか。孤独な人間の大量発生という「原因」によって、全体主義が出てくるという「結果」が生じるのでなく、人間の一括支配という悪意ある「目的」のために、意図的に多くの人々が孤独な状況に追い込まれるという「結果」が生じている━そう見た方が良さそうだ。
(ID:18367902)
「自己肯定的発想」するか、「自己否定的発想」をするかで、大きく異なってくる。
著者=孫崎さんのように、才能に秀でた人が自己中心的発想をすれば、「全体主義肯定」のご投稿発想は理解できる。
支配層と被支配層の継続的階層体制、言論封鎖による公的自由制限された柔軟性の欠如した全体主義社会と民主主義社会の選択の問題である。
様々な才能で、社会最上層1割の人、社会最下層2割の人は、競争社会より、公的に支配層と被支配層が固定化した社会で生き方を保障された社会が望ましい。経済的に確定された生活を確保できるからである。
問題は、中間層7割の人たちであり、経済的自由がある競争社会、体制に束縛されない言動の自由は、社会の活性化=社会の革新に不可欠であり、全体主義では望めない。人間の本質から見て言動の自由がなければ、「孤独」というより「絶望」意識が強く湧き上がるといえる。
中国で蔓延を始めた「寝そべり主義」は、孤独より「絶望」の方が強い。体制を揺るがす若者意識である。支配層に500万人組み込むというが、本質的解決には程遠い。共産党全体主義の限界が見え始めているともいえる。