私達の人生に文学は何の価値があるのだろうか。
私の娘は今米国の大学の英文学科で、米国文学を助教授として教えている。
彼女がバージニア大学で博士課程の時、日本の著名な人に豪華な食事にご馳走になり「文学の研究って何の役に立つの」と疑わしそうに問われたそうだ。その時、娘がどう答えたかは失念した。
私達は小説を読む。私も『小説外務省』と銘打って、「小説」を二冊書いた。まさに「小説とは何の役に立つの」に答える義務がある。
私は今、ロシア(ソ連)作家パウストフスキーをロシア語で読んでいる。正直言って、私はチェーホフよりパウストフスキーが好きだ。
彼の小説に『遥かかなたの年々』『不安定な若者時代』『未知なる世紀の始まり』の三部作の自叙伝がある(邦訳はほとんどない)。彼はキエフの裕福な家庭に生まれ、キエフ第一の高校に入り、文学で生きる決意をする。しかし、第一次世界大戦、革命が起こり、父母の離婚もあってどん
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原発再稼働の焦点は東電柏崎刈羽原発(新潟県)。だがテロ対策設備の不備が長期間続いていた問題で原子力規制委員会は「運転禁止」に。一年以上継続見通し。知事「原発運転する適格性に疑問符」、県議会、政府等に「東電に原発運転資格の再審査求め意見書全会一致可決。
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北朝鮮に関しては、従来中国は米国に配慮し、その関係を抑制してきた。しかし、米国の対中非難が高まる中、中朝貿易 4月にも再開の動きがみられ、中国は北朝鮮との関係強化の方向に動き始めた。過去、北朝鮮の行動を抑制したのは習近平の北への冷たさ。これが変化。
コメント
恐縮ながら「小説外務省」は気が付けば2冊とも未読。遠からず読んでみたい次第。
最近たまたま読んだ「島尾敏雄(1917-1986)全集-第14巻」-
“どうして小説を私は書くか━私の文学”
「結果として小説で私は世間(というよりもむしろ自分)と戦ってきた...なにかを書きあらわしたかったにちがいないが、そのなにかがするどい結晶のかたちでとらえられないことに、まず挫折していた。それは世間への不適応につながっている...(小説は)自分には手のとどかぬ作業に見えた...どれほど巧妙に、そして緻密にたてられても、つくりごとの構造は、逃げ水のように、追いかける先へ先へと移って行き、私のからだの中にひびきかえってこない、と思いたがり、そのおそれがあった...起伏を持って長く続きそのあとを手順よく追うことができるもの、それは私から勇気をうばい、敵方の顔つきを示しはじめる。自分では管理できず、検証し分類することができないものなどもみんな含めた領域の中でしか、私は規制されたくない。それは道筋などとてもつかみだせない、広く大きな全体だ。それをまるごと書きあらわせる様式がほしいと思ったのだったか。」
“モスクワにて━日ソ文学シンポジウムの私的記録”
「次にエレンブルグが立った...私がいちばん強い印象を受けた彼のことばは、かつて宗教が占めていた場所は、まだ空白のままのこされているが、それを芸術でうずめなければならない、という意味のそれであった...状況がゆるすなら、だまっていたいと思っていた。しかし...発言の準備をしなければならなくなった...私は自分がなぜ小説を書いてきたのか、はっきりわからない。折々に書きたくなって、彫刻師が木をとって何かを刻みつけるみたいに、現実を手にとって、ことばを刻みつけ、そしてけずりとってきた...かつての戦争のときトッコウタイとなって一年半のあいだ死を待ったが死は私をつかまえぬまま戦争は終わった...私にできることは、太った現実をけずって、やせ細った像にしあげるような仕事をくりかえすこと。もちろん死がはっきり私をつかんでくれるまでは・・・・・・というような草稿をつくった。」
「作者は様々な思いで小説を書く。人も様々な思いで小説を読む」
まさにこのとおりだ。私自身は楽しみのために小説を読むことが多い(最近は朗読を聞くことが多い。スマホの普及には功罪あろうが、朗読をきくこととスマホとはとても相性がよい)。
しかし、小説というか、文学作品のなかには「抵抗」の一面があるものもある。ソルジェニーツィンを(日本語訳でだが)読んでから、この面はとくに意識している。ウイグルに興味をもってから、わたしは「英雄たちの涙」という小説を(もちろん日本語訳でだが)読んだ。作者はウイグルでは超有名な人らしい。内容は、中国共産党の圧政に抵抗するというもの、ではないのだが、こういう文学があって忘れられない限り、いつかウイグルは中国の侵略をはねかえして独立するだろうとおもう。
>>6
貴殿が「ウイグルウイグル!」とお叫びになるのはよく分かりますよ。貴殿は典型的な日本の反中ですから。
非同盟を掲げる中国のイデオロギーはイスラームの本義(マイルストーンはその典型的な古典)と調和すると私は考えてます。ユダヤとアングロサクソンは中東ではお金を使うだけの俗物として拒否され尽くされているし、アフガンでは今も尚英米は歯も立たないのです。イスラームには米国は汚れたもので相容れることが不可能なものなのです。ユダヤとアングロサクソンの女性の奔放もイスラームの男女からいやらしいと拒否されてます。イスラム本流の中東はロシアに代って中国を受け入れつつあります。
ウイグルに関するフェイクを貴殿が有難がるのはよく分かりますが、中東から転進したテロ集団が新疆でシリアで暴れたみたいに暴れるのを貴殿たちが期待するのは分かりますが、北はロシア、南は親中のパキスタン、米国嫌いのアフガン、テロ集団への補給は無理です。
米国は新聞テレビを使って、世界の初心な大衆に囃すしかないのです。それも、だんだんと真相が分かって来て、なんだ嘘つきは米国なんだと分かって来るのです。
今、少し、勉強していただきたいです。
(ID:19005377)
孫崎先生がお書きになった小説外務省、小説外務省Ⅱは夫々尖閣問題とイラン情勢の解説書として読みました。おかげさまで、尖閣、イランに対する私の理解は広くなり、且つ、深まりました。
本日、朝日新聞が珍しく中国の一帯一路を、一応、中立を装って、記事を書いてます。陸のシルクロード、海のシルクロードが地図化されてます。この地図の示唆は明らかに日米が蚊帳の外だということです。その地図の中央に新疆があるのです。ニューヨークの巨大資本が、イラクに大量破壊兵器保有を口実に侵略までしたのを、今、まねて騒ぐのも、なるほどと思わざるを得ないのです。更に、この記事の下に三菱の中川浩一氏の「米国の中東撤退政策が既定路線だ」と言わんばかりの小文が載せられていて、おいおいここまで言うか、と驚かされます。朝日の中で米国の威信が今後亡くなっていくと読む派が生まれているのかと思わせる記事作りです。
続く