セルゲイ・エセーニン(1895- 1925年)、(1923?)、この時期、エセーニンはソ連体制に批判的な詩を発表し体制側から強く批判されている。訳:孫崎享

粗暴な者には喜びがある。
  優しい者には悲しみがある。
 私には何もいらない、
 私には何にも哀れみはない。

 私には自分がちょっぴり哀れみ、
 家なき犬がかわいそう。
 この真直ぐな道は
 私を飲み屋に連れていく。 

 君達、何を罵っている、ろくでなしどもよ?
 私がもう祖国の息子じゃない?
 俺たち皆が質入れしたじゃないか
 一杯のために自分のズボンまで。 

 ぼんやりと窓を見る。
 胸に悲哀と熱。
 走りゆく、太陽に浸り
 私の前の街道が。

 街道に鼻水たらしの小僧、
 空気は焼け、からから。
 小僧はなんと幸せか
 鼻をほじくってる。 

 ほじくれ、ほじくれ、かわいいやつ 
 指をみんなつっこみな
 だがどえらい力で
 自分の心にはつっこむな 

 私は準備済み、私