韓国国立外交院の外交安保研究所ジャパンセンターに招かれ、約25名の有識者の前で、日米安全保障関係の歴史的経緯を述べた。その際、今日の日韓関係の悪化に鑑み、改善のための緊急提言を行った。

「日韓関係の在り様に関する緊急提言」 孫崎享

・今日、日韓関係は極めて悪化している。

・その根本問題をみるに、日韓関係を律する基本的基盤に関し、日韓の立場に大きい隔たりがあることに起因する。

 安倍政権は、「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」に第二条において、の文言があることに着目し、この立場を維持すべきと主張している。

・1965年の日本と韓国の合意は、当時の日韓間の圧倒的格差と、韓国の経済発展のために日本の経済支援を強く求めた朴政権という特殊な環境の下で作成されたものであり、今日、韓国の中で、この関係を見直すべきという機運が出ることは十分理解しうる。