戦前、戦中、主なる文学者はほとんどが戦争に協力したと言って良いと思います。
1940年「情報局」が設立されました。文学者の一元的組織である日本文学報国会は1942年5月26日に勧請しました。これは単なる互助機関ではありません。その目的に、「国家の要請するところに従って国策の周知徹底、宣伝普及に挺身し以て国策の施行実践に協力する」とあります。
この組織の会長は徳富蘇峰です。小説(部会長・徳田秋声、理事・菊池寛、劇文学(部会長・武者小路実篤、幹事長・久保田万太郎、理事・山本有三)、評論随筆(理事・河上徹太郎)、詩(部会長・高村光太郎、幹事長・西條八十、理事・佐藤春夫)短歌(部会長・佐佐木信綱、幹事長・土屋文明、理事・水原秋桜子)俳句(部会長・高浜虚子)、外国文学(、幹事長・中野好夫、理事・辰野隆)の部会から構成されています。
こうした人々がどのように協力したか、尾崎秀樹著『近代文学の傷痕』は「
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トランプ氏、トランプ政治厳しく糾弾の野党女性議員たちへ「もといた国へ帰ったらどうだ」,だがトランプが敵視するコルテス議員、タリーブ議員、プレスリー議員は米国生まれ。トランプ発言に、なんと 「172,530 いいね 」、他方私は怯まないとのコルテスに、140,690 いいね
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コメント
孫崎さんは高村光太郎がお好きなようで、今までも、孫崎さんの好みにあう部分が何度か引用されています。
https://ch.nicovideo.jp/magosaki/blomaga/ar1262226
https://ch.nicovideo.jp/magosaki/blomaga/ar413608
https://ch.nicovideo.jp/magosaki/blomaga/ar881541
ほかにもあります。
しかし今回孫崎さんのあげたリストにも高村光太郎はあり、詩の部会長だったようですから、日本文学報国会のなかでは結構な重職だったようです。
これからわたしがおもうのは、人の考えは時代の趨勢によってかわり、高村も例外ではなかったということでしかありません。
そして孫崎さんも、高村の「変節」についてはなにも言いません。これはおおげさにいえば「嘘と詭弁」ということになります。都合の良いことにだけ、重きをおく言論という意味です。
なお、「嘘と詭弁」については、最近のこのエントリも参考になります。
https://ch.nicovideo.jp/magosaki/blomaga/ar1786493
>>10
貴兄の鋭い考察には啓発されます。感謝。
もしも孫崎さんが、
「本来自主性を持っているはずの文学者たちが、政権が醜悪・残虐だったから、戦争協力に組み込まれた」
と考えるのなら、完全に間違っていると思います。
高村光太郎の「記憶せよ、十二月八日」など、決していやいや書いて書ける詩ではない。逆に、徹頭徹尾自主的に、詩の神様になりかわって書いたような詩です。
そしてこの詩にあらわれた米国支配に対する憤懣を、いまの単純反米劣化サヨクがなぜか共有できない。その理由はなんなんでしょうねえ。教養ある中国人なら、日本にも素晴らしい詩人がいたものだと評価しそうですけども 笑
記憶せよ、十二月八日
記憶せよ、十二月八日
この日世界の歴史あらたまる。
アングロ・サクソンの主権、
この日東亜の陸と海とに否定さる。
否定するものは我等ジャパン、
眇たる東海の国にして、
また神の国たる日本なり。
そを治しめたまふ明津御神なり
世界の富を壟断するもの、
強豪米英一族の力、
われらの国において否定さる。
東亜を東亜にかへせといふのみ。
彼等の搾取に隣邦ことごとく痩せたり。
われらまさに其の爪牙を砕かんとす。
われら自ら力を養いてひとたび起つ。
老若男女みな兵なり。
大敵非をさとるに至るまでわれらは戦ふ。
世界の歴史を両断する。
十二月八日を記憶せよ。
(ID:18367902)
人間は、だれであっても、時と場所が変われば、考え方が変わる。したがって、「戦争と平和」が、例外となることはないという認識が欠かせないのではないか。
「戦争と平和」に固い信念を抱いている人は、賛成と反対を合わせて20%を超えるかどうか。多くの場合は無意識的迎合的賛成と反対であり、同じぐらいの割合が賛成と反対を明確に意思表示しない浮動的な人ではないか。
国際情勢、同盟国の状況、敵対国の状況、同盟国と敵対国との関係によって、言論界の状況は国の意志が強く働くこともあるが、忖度が蔓延し、我先にと国への忠誠を示す行動に出る。文学だけでなく、マスコニも同じであり、法人化した大学と学者も同じ傾向を取らざるを得ない。言論が封鎖されていけば、国民の動向も同じ方向を向いていくのを避けられない。
この現実変化は、どこの国も、どの時代も同じであり、この打算的人間行動を防ぐ方法論が見いだせるかどうかであるが、その方法論を打ち出している人物を知らない。