フレデイ タン のコメント

なし、さんが日本帝国陸軍の兵士は奴隷だったとおっしゃったが、その見解に私は全面的に賛同するものなんです。
私はそれまでそのような視点を持たなかったので、なしさんのその話は新鮮でした。

殆どの日本人は、奴隷と言えば、西アフリカからポルトガル人によって強制的に奴隷になってアメリカで売り飛ばされた黒人に限定された概念で受け止めとめているように見えます。でも、定義に依れば、黒人は一例にすぎず、慰安婦もそうだし、当時の日本の兵士も奴隷だったと分かるのです。

今日のテーマである「戦中、主な文学者は戦争に協力した」というテーゼは、上記の視点の導入してもおかしくないと思うのです。孫崎先生ご提供の主だった文学者には一部戦争遂行者つまり確信的な者、例えば、菊池寛や吉川英治たちは奴隷ではなかった。戦争屋の精神と同じものを持って居たのではないでしょうか。

その辺の事情を山本周五郎が戦後しきりに呟いています。山本周五郎は特攻隊の出陣式に奴隷となり、弁士となって、死に赴くハイテーンの隊員を励ましているのです。彼はそれを悔やんでもいました。もう一人、一緒に励ました同業の弁士が居て、出陣式が終わった後、特攻隊の死を題材に小説を書いて儲かることはお互いにやめようと二人は約束し合ったらしい。戦後、その同業の弁士が約束を破った時、山本周五郎はその弁士をコブシでノックアウトしたことは有名な話です。

続く

No.3 64ヶ月前

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