漫画「ゴルゴ13」が連載50周年を迎えるという。「ゴルゴ13」は政治の話題も取り上げており、例えば、1991年には、日本にコメの輸入自由化を迫る米国の姿を描いた「日・米コメ戦争 虎の尾を踏んだ男たち」を掲載していた 米国に潰された首相に関心を持つライターが取材に来たので、私は2012年に出版した「戦後史の正体」(創元社)を改めて読み返した。(注:米国に潰された政治家で10数頁を本に気醍する予定)」
政治家として興味があるのは、やはり、安倍首相の祖父・岸信介である。日米開戦時の商工大臣で、戦犯容疑で巣鴨拘置所に収容された。しかし、間もなく冷戦が始まり、米国は岸信介の利用を考えた。岸自身も「冷戦の推移は我々の唯一の頼みだった。これが悪くなってくれば、首を絞められずに(=死刑にならずに)済むだろうと思った」と書いていて、冷戦が激化すると、岸は巣鴨拘置所を出た。そして米国が岸を支援した
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「戦後史の正体」は、戦後史を振り返るとき、極めて有意義な本であると理解しています。孫崎さんがご投稿されている部分を再度読み直してみた。今回のご投稿との関連で無視できないことは、187~188pの吉野俊彦氏の証言である。
「彼(岸信介)は吉田茂さんの結んだあの講和条約のままでは日本民族の恥さらしだと考え、安保をもっと自主性のあるものに改定する、そのためには再軍備も必要で、憲法も改正にまでもっていかなくてはならないという考えを持っていた。合わせて沖縄の返還も実現したい。おそらくそこに最大のエネルギーを注いだのでしょうね。」
最大野党の立憲民主も共産党の志位委員長も日米安保日米同盟に反対していない。その根幹である行政協定(地位協定)の改定に合意点を見つけることは可能であるが、与党と野党を結び付ける仲介者が絶対に欠かせない。もしあの時、福田氏と小沢氏による自民党と民主党の大連合が成立していれば現在の日本の姿は変わっていたのでしょう。
現在日本にとって一番不幸なことは、橋渡しのできる小沢一郎自由党党首を沖縄玉城知事と一緒にして行動できる体制を敷いていないことである。立憲の枝野党首が、小沢氏とか玉城氏を野党連合の中核にして進む態勢を敷けば、自民党、企業など保守層の協力を得られるはずである。
憲法改正も大切であるが、沖縄が頑張っている行政協定改定に対して本土の与野党の連携を模索する動きが出てきてもよいのではないか。行政協定改定に与野党が本腰で取り組み、野党と一体になって米国と交渉する体制が岸信介の政治的目標であたことに与野党党首が、特に安倍首相が気が付くべきでしょう。
(ID:18471112)
> 多くの人は今もなお、岸を「対米追随」の代表的な人物とみなしている。
その筆頭が他でもないアベだ。「尊敬している祖父」の後塵をしっかり拝しているつもりでコイズミも真っ青の対米隷属に徹し、悦に入っているのでないか。
手強い相手に何とかドローに持ち込めれば良しとする岸を「勝たなきゃ意味ねーだろ!」と騒ぐサポーターが潰した格好だが、それを嗾け、肩入れしていたのが他でもない米国だったという件も「戦後史の正体」にある通り。
> 米国は岸を意のままに操るため育てたのに、岸は米国に牙をむいた。
近いところではサダム・フセイン、カダフィが思い浮かぶ。振れ幅の違いで結末の惨さも異なるが、米国のヤリ口(工作)に変わりなし。今日の日本でも あらゆる場面で続けているだろう。
一方、岸の「対米自立」がホンモノだったとすれば、今なお治らない二つの「日本病」を思わずにいられない。
先ずは、それほど難解でないのに日本の大衆が毎度々々「第一の敵」を見誤ること。
段階的計画で着実に成果を得る米国とは月とスッポン、薄っぺらな脊髄反射的 精神論でしか事を運べない日本が浮かび上がる。まさに「賢い米国、愚かな日本」。
そして、「第一の敵」が何かを日本の大衆にリアルタイムで自ら語る政治家がいないこと。
「後年、きっと孫崎さんが書いてくれるハズだ」と思ったのだろうが、政治家がそれではダメだ。尤も、それをやらないのはサダム・フセイン、カダフィと文字通り同じ運命になりたくないからで、結局、オリバー・ストーン氏が嘆く通り、日本には唯の一人もホンモノの政治家がいない━これである。
Tips:
「孫崎享のつぶやき」-迷惑コメントを非表示にする方法━昼メシ何食べたかだけの日記、他人に見せるものでない。
http://magosaki-blog-tips.blogspot.com
(ID:19005377)
孫崎先生に岸氏についてそういう風に書かれると岸氏は骨のある男だったのだな!となりますね。しかも、半島情勢が不穏な状況下の発言ですから、猶更のこと、牙を剥いたということでしょうか。
岸信介翁を敬愛していると言われている安倍氏がそのことを知って、どうでしょう?彼の態度は変わるでしょうか?彼は中国攻めに勇み切っている。彼の心は日米合同軍の総指揮官ではないでしょうか。彼が麻生氏と共に相模沖で第七艦隊の航空母艦に乗り込んで観閲する様はまるでそうでした。そういう彼には全くその文脈は通じないのではないでしょうか。安倍氏らにとって在日米軍基地とその背後に在る地位協定は原発の何千倍もの巨大な利権に成りきっていて溜息が出るばかりです。
余談ですが、1960年安保闘争のシュプレヒコールの「安保反対」がいつの日からか「岸を倒せ」に変わった。「岸を倒せ」に若い全学連は狂喜して大声になったのです。抽象的な「安保」が人間の「岸」に代わると運動は燃え盛った。その変転に戸惑ったのを私は覚えています。田中正弦(正確を欠くかも知れません)とか言う反共の右翼が学連を指導するブンドのバックにあると噂されていたし、吉田茂と昵懇の白洲次郎も「岸を倒せ」に賛同の意を表していたのを覚えている。全学連がそうだから、池田や河野や三木が「岸を倒せ」に準じるのも兎に角あり得る。現在、ウクライナやポーランド、中東諸国で米国が繰り出す内政干渉と工作はすさまじい。今もそうだし、もっと手の込んだ工作が日本全体に繰り出されているのでしょう。