、中野孝次著『清貧の思想』(文藝春秋、一九九六年)。
・(海外で)何かにつけて日本及び日本人について質問されるわけである。
私は話を求められるたびにいつでも「日本文化の一側面」という話をすることに決めて来た。内容は大体日本の古典―西行・兼好・光悦・芭蕉。池大雅・良寛などーを引用しながら、日本には物作りとか金儲けとか、現世の富貴や栄達を追求する者ばかりではなく、それ以外にひたすら心の世界を重んじる伝統の文化がある。
ワーズワースの「低く暮し、高く思う」という詩句のように、現世での生存は能うかぎり簡素にして心を風雅の世界に遊ばせることを、人間としての最も高尚な生き方とする文化の伝統があったのだ。それは今の日本と日本人をみていてはあまり感じられないかもしれないが、私はそれこそが日本の最も誇りうる文化であると信ずる。
・いま地球の環境保護とかエコロジーとか、シンプル・ライフと
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11日岐阜白川町で戦前戦後史人権フォーラム。私は尾崎秀実とゾルゲの役割は死刑に値しないと説明。約230名の参加。『日米開戦へのスパイ』の販売が44冊。尾崎の誕生地白川で如何に関心が高かったか。尾崎の汚名撤回に貢献。
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「希望の党」最早、解党への運命だろう。衆院選で「安倍1強を倒す」と訴え選挙後「改革保守政党」(長島昭久氏命名)に誰が投票するのか。政党支持立憲民主9.6%、希望の党3.2%。今後九条改憲に動きますます支持を減らす。
コメント
>>9
日本人特有の霊性である無思想の思想、無分別の分別を神秘主義といったのはあなたなのですよ。「般若心経」の根本だと教えてあげているのに、全く理解しようとしないというか、出来ないから、いろいろ親切心からお話したのに、「狂気」だという。非常識な荒れた言葉を使ってはダメですよ。
このご投稿とは違うが、森友、加計の隠ぺいと共通するのでコメントします。
北海道タクシー事件の加害者が書類送検されるというが、テレビなどでビデオカメラで行動は明らかになっているが、名前が出ていない。書類送検で終わるという。
ネットで流れている情報によると、杉山央弁護士で、「赤れんが法律事務所所長」、ベンチュア企業「札幌ビズカフェ代表」、地域応援型クラウドファンディング社長という。何故、警察は名前を出さないのだろうか。公共性のある人が暴力行為に及び、被害届も出ているのに隠してしまう。森友、加計事件と同じ現象が出始めている。大企業のみんなで渡れば怖くない現象もあり、社会の規範がどんどん崩れているとの実感を禁じ得ない。
団塊老人たちの医療費のせいで、清貧かどうかはともかく、貧になることが強く予想される我々世代にとっては、孫崎さんのいうワーズワースも虚しくひびきます。
コメント欄にもそこに言及したものはないですね・・・
(ID:18367902)
西欧的見方は、「慈悲、共生」であり、東洋仏教的に言えば、「無思想の思想」、鈴木大拙は、「即非の論理」であり、西田幾太郎は、「絶対現在」など、瞑想的から哲学的な分析まで、人間意識の展開は、人生の大問題でもある。
自己の意識は、体験であり、体験するところに肯定と否定が錯綜する。この経験を積みながら、人格形成を高めていく。原理的に言えば、無限に肯定否定の円環が広がっていくことであり、相手の経験体験に基づく肯定否定の円環との調整、すなわち、円環が合致すれば理想的であるが、イデオロギーなどが意識の中枢を支配すると、意見交換の前に円環同士が衝突し、遊離していく。イデオロギーの対立などは、お互いに認め、生活する基礎を、現実と理想の区分けができないと、生活面で不安がなければ、人間意識の基本的原理は、組織として守っていくのが難しく、個々人が啓発していくしかなくなっているのではないか。したがって、イデオロギー団体、福祉団体、宗教団体など諸団体が、国民が主体の構成員のことより、組織体制維持にに傾けば、衰退に向かうしかない。