A:事実関係

・3月2日。電話口の安倍晋三首相は少し、いら立っているようだった。「西田さんは大阪問題でやりたいだろうけど、それを頼んだのが安倍だと言われたら、なんにもならないからさ」

 電話を受けたのは、自民党の西田昌司参院議員。4日後の参院予算委員会で学校法人「森友学園」(大阪市)の国有地売却問題について質問に立つことが決まった矢先。首相から質問内容に注文がついたのは初めてで、「総理が直接電話してくるのは異常やねん」と西田氏は話す。趣旨は、土地が約8億円値引きされたことの「正当性」を質問を通してうまく説明して欲しいというものだった。

西田氏は京都府選出。日本維新の会に一貫して批判的な立場で「森友問題は大阪府の小学校設置基準認可をめぐる規制緩和に端を発した大阪問題」として質問する予定だった。首相は維新に触れなかったが、西田氏は直観した。「憲法改正を含め、政権に協力的な維新を